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リスニングルームによせられたコメント
リスニングルームによせられたコメントをまとめたコーナーです。多くの方の熱いコメントを期待しています。(2008年3月10日記)
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- クラシックを聴いていて、何度も聴きたくなる、というか耳に残って頭の中で繰り返す、という体験がこの曲の第3楽章第11変奏(終わりから3分目ぐらいのところ)でできます。こういう音楽を聴くと、時間を忘れて陶然としてしまいます。
- 2017-03-10:べんじー
- わたしはブーレーズ/ニューフィルハーモニア管の「海」の録音が大好きなのですが、この演奏もとてもいいですね。骨太な力強さがありながら精妙さも全く欠けていない。
響きのそこかしこから、ブーレーズには無い古き良き時代の香気が漂って来て味わい深いです。アンゲルブレシュトの他の演奏も聞いてみたくなりました。
- 2017-03-06:HIRO
- ユングさんの「リヒターの演奏が古くなった」という指摘には、はっとさせられました。
この1956年録音のリヒターの「ゴルドベルク変奏曲」の前年、1955年に、例のグールドの「ゴルドベルク変奏曲」が録音されています。
リヒターはグールドの「ゴルドベルク」を知っていたのでしょうか。あれを聞いてどう思ったのでしょうか。
バッハの新しい姿に愕然としたでしょうか。それともバッハの正統な姿はそうではないと、この「ゴルドベルク」を録音したのでしょうか。
リヒターのバッハ演奏といえば、LP時代にはテッパンでした。
バッハの正統な演奏として、その厳格、清冽、崇高な姿勢を誰も疑う者はありませんでした。
今でも、その録音のいくつかは、依然として当時と同じ価値を保っているようにも思われます。
しかし、この「ゴルドベルク」の録音に、今こうして接してみると、ユングさんが指摘する「違和感」を私も感じました。
この楽器が持つ音色の「ノイジィ」なことは措くとして、このテンポ感の悪さ、リズム感の悪さはどうしたものでしょうか。
1956年はリヒターは30歳。ユングさんの指摘する、晩年の(とはいっても50代だが)健康の衰えはまだまだなかったはずです。
そもそもチェンバロは対位法には向かない楽器です。
各声部間での音色、音量、ニュアンスの変化を付けることが難しい楽器での対位法には辛いものがあります。
まだパイプオルガンであれば、複数鍵盤、ストップによる音色、音量の変化が豊富だし、持続音も効果的です。
バッハが「クラヴィーア」と記載するとき、それがどの楽器を指すのかは未だに問題があるようです。
バッハは自宅にチェンバロとクヴィビコードを所有していて、クラヴィコードの方を愛用していたそうです。
あれだけ繊細な対位法を駆使したバッハであれば、たとえ音量が小さくて演奏会にはむかなくても、各音をデリケートに変化させコントロールできるクラヴィコードを愛用したのは想像に難くありません。
息子のフリーデマンのために書いた「インヴェンション」や「平均律」はクラヴィコードを想定していると言われています。
この「ゴルドベルク」は、楽譜にちゃんと二段鍵盤を指定していますからチェンバロ用だというのが分かりますが、グールドを代表とする優れたピアノ版の演奏が現れて、鍵盤弾きを悩ませることになりました。
この不自由なチェンバロは、たとえバッハの時代においても、作曲家であれ演奏家であれ、使いたくて使っていたのではなかったでしょう。
これしかなかったから仕方なく使っていた、というのが本当のところでしょう。
当時、現代のようなピアノがあれば、バッハは間違いなく、ピアノの方を選んていたはずです。
このサイトにもアップされているトゥーレックをはじめ、ピアノによるバッハ演奏の方が、チェンバロによるどの演奏よりも、はるかにデリケートに、表情豊かに、バッハが楽譜に注意書きしてまで求めた「歌うように(カンタービレ)」演奏しています。
楽譜が読める人なら(この場合、ただ音の高さとか長さが分かるというだけでなく、そこに何が書かれているかという「音楽の内容」が読める人なら)誰でも、ピアノ版の演奏とチェンバロ版の演奏のどちらがバッハの楽譜をより良く再現しているかと問われれば、一部のへそ曲がりを除いて、間違いなくピアノ版と答えるはずです。
ある楽器のために書かれた楽曲が、他の楽器で演奏した方がむしろ良いということは、楽器の進化の過程にあった時代の作曲家の作品、特にバッハの作品には往々にして見られます。
古楽演奏には、当時の演奏慣習だとか、演奏様式だとか、いろいろ能書きがあるようですが、その能書き通りのものが「古くなる」とはどういうことなのでしょうか。
現代では、「どうせこの楽器は細かいニュアンスが付けられないのだから」とか、「バッハをチェンバロで弾いているのだから問題ないはず」などというようなことは、もはや免罪符にはならないようです。
このリヒターの演奏は確かに「もう古い」という実感があります。
一方のグールドの演奏は、最晩年の「ゴルドベルク」と比べると、さすがに若いなと思いますが、颯爽と生き生きとしていて、ちっとも古くはなってはいません。
以前は「立派な」はずだったリヒターの演奏が、どうして「古く」感じられるのか、新しい課題を与えられたような思いです。
- 2017-03-06:Sammy
- オーケストラの優れたアンサンブル力に支えられた、引き締まった切れ味鋭い充実極まりない演奏です。まさにyungさんのおっしゃる通り「戦う英雄」の圧倒的な迫力は強烈で、気高くも感じられますし、だからと言って荒くならず、むしろ細やかに描き抜かれた静謐な部分の美しさも素晴らしいです。演奏の素晴らしさを隅々まで捉えきった録音も驚くべきものです。
- 2017-03-06:コタロー
- 昔話で恐縮です。1974年頃、高校時代にRCAの1300円の廉価盤でこの演奏のLPを買いました。当時、特に第3楽章がお気に入りで、しばしば聴いていました。しかしLPレコードの宿命で、「内周歪」といって、レコードの内側に近づくほどに音が歪みっぽくなるという悩ましさがあったのも懐かしい思い出です。しかし、ここにアップされた音源は全くそんな心配は無用です。おかげでミュンシュの豪快な演奏を目いっぱい堪能できて大変ありがたいです。
- 2017-03-02:benetianfish
- ついにこの曲もアップしていただき、ありがとうございました。冒頭のとんちんかんなティンパニーからフィナーレのブラスのトリルまで、クラシック・ジャズの境界線などどうでもよくなるような、実に楽しい曲だと思います。
私のこの曲の刷り込みはプレヴィン(71年録音)ですので、このフィードラーの出だしは「なんかモタモタしてとろくさいのでは?」と思いましたが、本題に入るとなんのその、十分楽しい演奏ではないですか。プレヴィンの「快速でスタイリッシュ」な演奏とはまた違う楽しさです。アール・ワイルドのピアノもなかなか歯切れが良くて、この曲のジャズ的要素がよく表れていると思います。下記の演奏で偶然見つけたピアニストなのですが、なかなか侮れない人ですね。
ここからは完全に余談ですが、アール・ワイルドは67年にハーヴィ・シャピロとラフマニノフのチェロソナタを録音しており、ここでもある時はチェロに主導権を譲り、またある時は前面に出てきてよく歌い、実に魅力的な演奏をしています(パブリックドメインまであと2年...?)。
- 2017-03-01:コタロー
- シューリヒトのヘンデルを一通り聴かせていただきました。なんとも典雅な演奏で、今日の耳で聴いても決して古臭さを感じさせない点に驚かされました。
シューリヒトといえばブルックナーの演奏が有名ですが、同世代の他の指揮者とは異なった造形感覚を持っていたのかもしれません。そのため、主観を排して己の直観を信じた独特な透明感を持った演奏を創り出していたのでしょう。
21世紀の現在、シューリヒトを再評価する必要があるのかもしれませんね。
- 2017-02-28:Can Beetho
- 音楽の世界ではかなりの高齢になっても演奏会を行なう人は少なくありませんが、その多くは、名ばかり巨匠、名ばかり大御所と化しているようです。
そうした中で、最晩年の演奏、それも日本の交響楽団を相手に冴えた演奏を聴かせてくれたスクロヴァチェフスキさんは稀な指揮者と言えるでしょう。
きのうのNHK・FM「クラシックカフェ」は予定の一部を変更して、追悼の意を表すためにスクロヴァチェフスキさんの演奏を放送していました。
プロコフィエフ、そしてベートーヴェンの交響曲第8番。第8番は推進力のあるとても気持ちのいい演奏でした。
今後こちらのページにもスクロヴァチェフスキさんの演奏が増えていくことを楽しみにしています。
- 2017-02-26:hs9585
- 親父のコレクションの中にあった一枚。子供のころ最初に聞いた新世界で、相当なすり込みを受けました。この録音の2年前、日本にやってきたときのアンチェル/チェコフィルの映像を、先日NHKの放映で見ました。亡くなった親父も、このコンサートの評判を聞いてレコードを買う気になったのでしょう。学校の課外授業で大阪のプラネタリウムを訪問した際に、エントランスでこの曲が流れており、以降、夜の暗さや静けさ、遠い日の記憶、宇宙の広大さ。。。そんなイメージがこの演奏と分かちがたく結びついています。その後もいろんな新世界を聴きましたが、私にとっては、今もこれが唯一無二の1枚です。
- 2017-02-26:Joshua
- 日曜の朝、たびたびお邪魔いたします。どうしても書いておきたくて。89歳まで生きたシュタルケル、4年前の今頃は斯界の人だった、シカゴの首席でライナーと音楽を、この無伴奏は33歳ごろ、まさに乗りに乗った時期の演奏です。
違う曲に聞こえます。井上頼豊じゃありませんが、ハイフェッツがチェロを弾いているようです。向かうところ可ならざるは無し。精神性、深み、がない、なんて言わなくても、十分に素晴らしいです。ハンガリー人starkerの名の語尾erをとった、形容詞・副詞stark(英語)とは、正真正銘の、完全に、という演奏内容と偶然の一致なんですね。
- 2017-02-26:市原じーじ
- いつも聞かせていただいております。50年前位にリーダースダイジェスト編で12人の名指揮者のセットモノラールLPにサージェント、ドラティ、クリップス、プレトールなどの味のある指揮者とイギリスのORCに夢中だった頃を思い出しました。
?響の公務員ORC的響きと違う溌剌とした演奏に感動しました。ありがとうございました。
- 2017-02-23:Sammy
- 解説を読みつつ聴いて、やはり聴かれなくなっていく理由のようなものを感じていました。
確かに豊麗な音で鮮やかに鳴らしていくので見事と感じる。けれども、やや力づくの部分、豊麗さの強調や表現を誇示するような「わかりやすさ」、そしてそうした少々不自然にも感じられなくもない表現の大味さからくる古めかしさ(懐かしさと感じる人もいるかもしれません)、しかし高いゴールを目指すような緊迫感も弱く、徹底的にやる、というよりも程々な印象が残る(バランス感覚に優れていると感じることもできるのかもしれませんが)。
私個人としては、当時の聴衆が気持ちよくなるように演奏していたのだろうかなあ、という印象が残ります。ただもちろん十分な水準を保った演奏であるという大前提でのことなので、こういう言い方はぜいたくなのかもしれません。
- 2017-02-23:コタロー
- この演奏でルービンシュタインを見事にサポートしている、スクロヴァチェフスキ氏が、この2月20日、93歳の高齢でお亡くなりになりました。
新聞に掲載された訃報によると、彼はポーランド出身だったのですね。ショパンとの不思議な「縁」を感じますね。
スクロヴァチェフスキ氏には、「本当に長い間お疲れ様でした」の言葉を送りたいです。合掌。
- 2017-02-23:コタロー
- バッハの音楽って本当にいいですね。こちらがどんな気分の時でも心に沁みわたってきます。とりわけ、この曲はバッハの神髄を表していると思います。
シュタルケルの演奏は、バッハの音楽の醍醐味を存分に味わえて素晴らしいです。
- 2017-02-20:大島 昇
- 私も何回かこの曲を弾きましたが、こんなに強弱のつけ方の気持ちのいい演奏はさすがにできません。右手の左手のなんと気持ちのいいバランス感覚でしょうか?歴史的名盤といっていいと思います。モーツアルトの母の死が背景にあったことはよく言われていますが、彼もその痛手をこの曲を作曲し、弾きながらまた時には涙を浮かべながら弾いたことでしょう。でも誰にも母の死には遭遇するのです。きわめて個人的な領域での音楽かも知れません。
- 2017-02-19:原 響平
- セルのワーグナーは重厚な響きを基調として、一糸乱れぬオーケストラ各パート奏者の奏でる音が結集した響きに構築されています。セルの特徴は、評論家の吉田秀和氏が述べるように「完璧への熱狂と責任感」そのものであります。又、吉田氏はセルの演奏を「均整の取れた端正な演奏は、聴いていると襟を正さずにはいれなくなる。」とも表現しています。この表現は、セルの人気の秘密を垣間見た思いですし、セルに対しての評価としてはしごくもっともな事です。さて本題に戻ります。このマイスタージンガーの演奏ですが、当方の好きなホルンが確りと鳴り響く様は、聴いていて非常に気持ちが良いです。録音に関してもLP時代に聴いた当時の感想とは違い、ユングさんのおっしゃる通りで、録音の悪さも感じませんね。これは間違い無く名盤です。ただし、当方としては・・・ティンパニーの音が素晴らしいライナー指揮のシカゴ響の演奏に後ろ髪を引かれる思いです。
- 2017-02-19:Guinness
- 1958年としては最高レベルの録音ではないでしょうか?聞きほれました。音源はEMIだと思うのですが、このころのEMIにはクレンペラーのスコットランドやカラヤンのシベ2の様に非常に優れた録音がありますね。
- 2017-02-19:gkrsnama
- 判りませんよ。バルトークはフリッツライナーにたいして、耳が壊れた無能ヤローと怒鳴りつけた男ですから。なんでも楽譜に?=60とあるのに61弱で演奏したからだそうです。プライドも無茶苦茶高かったし。
セルも頭から怒鳴りつけられたんじゃないかと思います。基本的に作曲者優位で、しかも相手はバルトークですから。
- 2017-02-19:マーシャル
- この曲のアップ要請が多かったのは、テレビアニメ「響け!ユーフォニアム2」で使われていたからじゃないでしょうか。
- 2017-02-08:dali
- モーツァルト:交響曲第41番 ハ長調 "Jupiter" K.551:RIAS交響楽団 1953年9月9日~12日録音
小生が呱呱の声をあげた日の録音、お陰様で入手する事ができました!
- 2017-02-08:Sammy
- 確かにあちこち雑なのですが、なんともくつろいだ生き生きとした感じが面白いです。ジャズ的な要素をちりばめたこの作品では、これもまたなんとも楽しくていいのでは、と思いました。録音が明瞭なので、ドタバタの中からあれこれと聞こえてくる多彩な音もまた一つの魅力といっていいでしょう。
- 2017-02-08:コタロー
- この曲は、ヨハン・シュトラウス2世が遺したウィンナ・ワルツの中では最も好きな作品の一つです。
普段はフリッツ・ライナーが1960年に録音した素敵な演奏を愛聴していますが、残念ながら曲の後半に大きなカットがあります。
その点、ボスコフスキーの演奏は、当時のウィーン・フィルの優雅な響きを生かした趣味のいい演奏だと思います。
- 2017-02-06:koinu
- トリスタンとイゾルデは大好きな音楽で、若いころ何度も聞きました。
この演奏は、オペラ指揮者でもあったセルのこの音楽に対する思いが表れており、この音楽の持つ本質を真摯にかつ情熱的に描いた大変な名演と思いました。
そして、その中身を言葉にするなら、まさに管理人さんがおっしゃるように「濃厚なロマンティシズムが清潔に描かれている」ということだと思いました。
- 2017-02-06:ショウチャン
- 大変懐かしく聞かせていただきました。クラシックが好きになり始めた中学生の時、私の誕生日に母が買ってくれたのがこのレコードでした。モーツァルトの40番とのカップリングでした。その当時はカラヤン好きでしたが、母はジャケットの写真がカラヤン?だと言って渡されてがっかりしたことを覚えています。しかし、聴いてみると生き生きとして気持ちが沸き立ちました。新しい出会いがこんなことから生まれました。
解説に「バーンスタインは音楽を『喜遊させる』指揮者です」と、書いてあり的確な表現だなと当時思ったものです。ありがとうございました。
- 2017-02-06:コタロー
- 全篇にわたって、ほっこりとした素朴な風合いを感じさせる「新世界より」です。
お世辞にも洗練されたスタイルとはいえませんが、聴いていると思わず胸がワクワクしてきます。
いわば「オンリーワン」の魅力にあふれた心癒される演奏です。
- 2017-02-04:コタロー
- ドヴォルザークの交響曲全集というと、ケルテス以外には、クーベリック指揮ベルリン・フィル、ノイマン指揮チェコ・フィルくらいではないでしょうか。
しかし「交響曲第7番」となると、モントゥー指揮ロンドン交響楽団、セル指揮クリーヴランド管弦楽団などの演奏があります。エレガントなモントゥー、清冽な美しさにあふれたセルの演奏に比べると、ケルテスの演奏は自然体でありながら内に秘めた情熱が垣間見えるのがとても魅力的です。またロンドン交響楽団の演奏も、伸びやかさの中に十分な力強さを感じさせて見事なものです。モントゥーやセルの演奏に勝るとも劣らない名演奏だと思います。
- 2017-02-04:HIRO
- イイですね?。カラヤン/ベルリン・フィルを相手に回して「あの?ちょっとズレてますよ…」って言ってみたかったですね!
その前のクラリネットソロもたるいし、らしくないと言えばらしくないですね。
- 2017-02-04:あんひろ
- 私自身は現在心の病を抱えています。そのためここ数年は好きだったベートーヴェンやブラームスさえも自分の力で聴けない状態でした。
このサイトは時々チェックして最近はもっぱら軽目のモーツアルトやその前の時代の音楽をダウンロードさせていただいては聴くことはしていました。
先日イッセルシュテットのブラームスのハンガリー舞曲管弦楽版の全曲がアップロードされていたので、ダウンロードさせていただいて聴いてみたら、ブラームスを聴くことができたので、その後交響曲第1番にもチャレンジし、いけたのでピアノ協奏曲第1番のカーゾン/セルの演奏で聴きました。そして私としては陰々滅々のブラームスの本領が出たこの曲に挑戦してみることにしました。
4番は若いころに好きで、CDを買っては色々な指揮者の演奏で聴いたのですが、私にとってはフルトヴェングラーのこの録音を超える衝撃を与える演奏はなかったので、迷うことなくこの演奏を聴くことを選びました。
最後まで聴き通すことができました。
批評家がよく引き合いに出す、第一楽章の独特の出だし。私にはこれ以外はあり得ません。楽譜には指示されていないであろうこの独特の表現はブラームスの心境を追体験するほどにまで、曲にのめりこむことができるフルトヴェングラーならではの表現。音のドラマを経てクライマックスに持ってくる再現部。まさに指揮者とベルリンフィルが一体となった感情の高まり。これ以外ではあり得ません。
第二楽章。それが静まった水墨画のような世界に始まり雨雲で終わる曲。フルトヴェングラーの表現でこそ心に迫って来るものでした。
うってかわっておどけるような第三楽章。フルトヴェングラー/ベルリンフィルによるアタックの強烈なドイツ的な演奏は深く重厚。
そして、ブラームスの本音が出る第四楽章。あくまでも一つのテーマを形を変えて主張する楽章。普通なら紙に書かれたものを再現しようとすれば硬直感が出てしまいがちだが、フルトヴェングラーは各変奏を柔軟に、ときに激しくときに静かにブラームスの本音を、本人そのものとなって、楽団と一体となって演奏に没入する。
私にとって4番はこれです。陰々滅々だけど感動的なブラームスを最後まで久しぶりに聴けました。
- 2017-02-03:べんじー
- イエス・キリスト教会で録音されたDG盤の演奏かと思いますが、太鼓とハープがズレているのがハッキリ分かります。弦セクションが入ってからの盛り上がりはさすがカラヤン/ベルリンフィルと思いますが、完全主義者らしからぬ録音だと思いました。
- 2017-02-03:Sammy
- このアルバムのクオリティ、心底から驚嘆です。先ずモノラルなのにまるで問題のない優秀な録音。堂々たる音でビシビシと表情豊かに鳴り渡るオーケストラ、そして変にウィーン風を気取ったテンポでなくきびきび行きつつ、聞く者にもうこれしかないと思わせるだけの風情あふれる音楽づくり。悠然としていながらスキのない、しかし神経質な感じもない万全の快演。
個人的には最近どうも退屈な印象だったウィンナ・ワルツの類の目くるめく音楽の躍動に、久々に心躍らさせられました。昔々は60年以上前の何とアメリカで、シュトラウスのこんなに生き生きとした練達の名演奏が繰り広げられていたのが、こんなにきちんとした仕方で聞くことができるとは、素晴らしい耳の贅沢と言っていいのではないかと思います。
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[2025-03-28]

ラヴェル:スペイン狂詩曲(Ravel:Rhapsodie espagnole)
シャルル・ミュンシュ指揮:ボストン交響楽団 1950年12月26日録音(Charles Munch:The Boston Symphony Orchestra Recorded on December 26, 1950)
[2025-03-24]

モーツァルト:セレナード第6番 ニ長調, K.239「セレナータ・ノットゥルナ」(Mozart:Serenade in D major, K.239)
ヨーゼフ・カイルベルト指揮 バンベルク交響楽団 1959年録音(Joseph Keilberth:Bamberg Symphony Recorded on 1959)
[2025-03-21]

シューベルト:交響曲第2番 変ロ長調 D.125(Schubert:Symphony No.2 in B-flat major, D.125)
シャルル・ミュンシュ指揮 ボストン交響楽団 1949年12月20日録音(Charles Munch:The Boston Symphony Orchestra Recorded on December 20, 1949)
[2025-03-17]

リムスキー=コルサコフ:スペイン奇想曲, Op.34(Rimsky-Korsakov:Capriccio Espagnol, Op.34)
ジャン・マルティノン指揮 ロンドン交響楽団 1958年3月録音(Jean Martinon:London Symphony Orchestra Recorded on March, 1958)
[2025-03-15]

リヒャルト・シュトラウス:ヴァイオリンソナタ 変ホ長調 ,Op.18(Richard Strauss:Violin Sonata in E flat major, Op.18)
(Vn)ジネット・ヌヴー (P)グスタフ・ベッカー 1939年録音(Ginette Neveu:(P)Gustav Becker Recorded on 1939)
[2025-03-12]

モーツァルト:弦楽四重奏曲第22番 変ロ長調 K.589(プロシャ王第2番)(Mozart:String Quartet No.22 in B-flat major, K.589 "Prussian No.2")
パスカル弦楽四重奏団:1952年録音(Pascal String Quartet:Recorded on 1952)
[2025-03-09]

ショパン:ノクターン Op.27&Op.37(Chopin:Nocturnes for piano, Op.27&Op.32)
(P)ギオマール・ノヴァエス:1956年発行(Guiomar Novaes:Published in 1956)
[2025-03-07]

モーツァルト:交響曲第36番 ハ長調「リンツ」 K.425(Mozart:Symphony No.36 in C major, K.425)
ヨーゼフ・カイルベルト指揮 バンベルク交響楽団 1960年録音(Joseph Keilberth:Bamberg Symphony Recorded on 1960)
[2025-03-03]

ブラームス:交響曲 第1番 ハ短調, Op.68(Brahms:Symphony No.1 in C Minor, Op.68)
アルトゥール・ロジンスキ指揮:ニューヨーク・フィルハーモニック 1945年1月8日録音(Artur Rodzinski:New York Philharmonic Recorded on January 8, 1945)
[2025-02-27]

ドビュッシー:ヴァイオリン・ソナタ ト短調(Debussy:Sonata for Violin and Piano in G minor)
(Vn)ジネット・ヌヴー (P)ジャン・ヌヴー 1948年録音(Ginette Neveu:(P)Jean Neveu Recorded on 1948)