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リスニングルームによせられたコメント
リスニングルームによせられたコメントをまとめたコーナーです。多くの方の熱いコメントを期待しています。(2008年3月10日記)
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- この曲をリコーダー用にアレンジした、フランス・ブリュッヘンの名演があります。「涙のパヴァーヌ:ブリュッヘン・ブロックフレーテ名演集」というアルバムに収録されていますので、もしく機会があったらぜひ比較試聴してみてください。
- 2022-12-05:藤原正樹
- 星がうまく表示できませんでした。本当は9点半。名演。フガートに入ってから金管を響かせながらの堂々たる進み方。過不足なしというのはこういうのをいうのでしょう。ユングさんのHPに接しての一番の収穫はセルを知ったことだと思うくらいです。エロイカ、第九、V字、ハフナー、そしてこのジュピター。
- 2022-12-03:コタロー
- バッハの「クリスマス・オラトリオ」は、約20年前にとある合唱団に所属していた際に実際に歌ったことがあります。舞台に立って歌うのは、耳で聴くのとは違った感慨深いものがあるものですね。かけがえのない体験ができたと思います。、
この曲は、本来は第1部から第3部はクリスマス期に、第4部以降は新年に演奏するならわしがあるようですが、私が歌ったときは12月中の日曜日に全曲演奏を行いました。
その時一緒に歌った仲間たちの中には、いまでも年賀状のやり取りを行っている方がおります。
そんな私たちが常に模範としていたのが、このリヒターの演奏だったのです。
この演奏がパブリック・ドメインに入ったのは幸運でしたね。
- 2022-12-01:笑枝
- ゆったりとしたテンポ、
オケの響きが素晴らしいです!
Yung さまの言われるように、《ずしりと腹にこたえるような》響きですね。
何度聴いても、感動を新たにします。
これほど雄大さを感じさせる演奏は、めったにないです(@_@;)
- 2022-12-01:コタロー
- 早いもので、暗いニュースが相次いだ今年も12月を迎えましたね。コロナの脅威もやむことを知らず、来年に向けて大きな宿題を背負うことになりそうです。私的にも51年ぶりに手術・入院を体験した大変な一年でした。
こういう殺伐とした時代には、バッハのオルガン曲でも聴いて、身を清めるのが一番です。「パッサカリア」というと、ブラームスの交響曲第4番の第4楽章を思い出す方が多いと思いますが、ここにその原点があるのですね、
ヴァルヒャの清々しい演奏も実に見事で模範的なものです。
- 2022-11-30:コタロー
- この演奏は、私にとってこの曲のファーストコンタクトでした。例によってCBSソニーの「廉価盤」として70年代に再発されたレコードを購入したものです。フランチェスカッティ特有のねっとりとした甘さに魅了されました。
指揮者のシッパースともども息の合った音楽が繰り広げられる好感の持てる演奏です。
しばらくぶりに聴いて、とても懐かしかったです。取り上げてくださってありがとうございました。
- 2022-11-30:笑枝
- Vn 独奏がはじまるまでの前奏、いつも厳めしくて長々しく感じる前奏が初めて愉しめました。
深ぶかとしたオケの響き。
一音一音いつくしむように奏でるメニューヒン。
オーボエがなんともチャーミングなこと。
指揮のケンぺに、ブラボー!(@_@;)です。
いい演奏をアップ、ありがとうございました。
- 2022-11-28:joshua
- この演奏のコメント欄、 リピータになってしまい恐縮です。さて、過日図書館検索をしてましたらMenuhinには、ピアニストの息子(現71歳)がいて、春やクロイツェルを共演しているCDを見つけました。妹ヘフツィバーとの共演はよく取り上げられるのですが、息子はどんな人なのか、知りたくなりました。幸いMenuhinには著書がありました。「神童」「音楽思想家」「自由人」と辿る人生終わり際20年を残して、自伝「終わりなき旅」を63歳時に上梓しています。演奏以外にこれだけ多彩・広範囲な活動を行った人も珍しいので読むのが、楽しみです。上記の息子ジェレミーについて、50年代以降演奏家としての迷いの時期についても、Menuhin自身の言葉で確認しようと思います。
前回、特徴のない、と書きましたケンペ評は撤回いたします。第1楽章の出だし、大方の演奏よりも遅いテンポで、語りかけてくるように表情が豊か。同時期のklemperer伴奏のbeethovenともども、残してくれて感謝します。83年生きる中で、メニューヒンはその時期時期で残したいものがあったんでしょう。録音アーカイブというものを顧みると、「著作のない音楽家」が大半を占める中、ドキュメンタリーとしても音を聴いてみたい、と思うこの頃です。
- 2022-11-28:コタロー
- 実は、私もテレマンの「ターフェルムジーク」を聴くのは恥ずかしながら初体験なのです。
フランス・ブリュッヘンの演奏については私にとっては功罪半ばという感じでしょうか。
古い話で恐縮ですが、ピリオド演奏に移行するまでのブリュッヘンは、なかなかに魅力的でした。中学3年のころ、私はカール・リヒターの音楽に接することで、バロック音楽に目覚めました。ある時、わたしはある音楽雑誌の影響で、「涙のパヴァーヌ:ブリュッヘン・ブロックフレーテ名演集」というレコードを買いました。ここでのブリュッヘンは様々な音域のブロックフレーテを持ち替えて縦横無尽に吹きまくっていました。とりわけコレルリの有名な「ラ・フォリアによる変奏曲」は彼の超達者ぶりを遺憾なく発揮していて、文句なしに素晴らしい演奏でした。
閑話休題。大人になった私の頭のなかに「フランス・ブリュッヘン」という名前がよみがえってきました。そのころは、彼は「18世紀オーケストラ」という団体を率いていました。
そこで、試しにヴィヴァルディの「海の嵐:フルート協奏曲集 作品10」を購入したのですが、音楽の流れが不自然にギクシャクして、ヴィヴァルディの音楽の愉しさがまったく感じられないのです。こういう音楽を「ピリオド演奏」と呼ぶことを後になって知りました。ここでは「音楽」は「音学」ともいうべき研究対象としか感じられず、残念な演奏でした。
その点、テレマンの「ターフェルムジーク」は60年代の演奏なので、ブリュッヘンは楽しんで音楽していますね。続編に期待しましょう。
- 2022-11-25:安達順一
- いつもありがとうございます。ほんとに毎日というのはすごい。解説も嬉しいです。ランドフスカの名前も最近の平均律で初めて知りました。ですから、ランドフスカでモーツアルトというのもシーッというノイズは気になるものの確かに音は良い。1938とは信じがたい。モーツアルトのピアノソナタはちょっと退屈なものもという印象でしたが、これはそうでもない。いろいろ別の曲できいたようなフレーズがあるなと聞いていました。
第3楽章、ふっと途中で終わったような印象。imslp.orgへ行って楽譜を見ますと確かに途中です。そして第2楽章は違う曲のよう。jungdbに同じランドフスカの1956年8月の録音もおいてくださっているので、こちらを聞いてみましたら、第3楽章も最後までありますし、第2楽章も楽譜通り。何が起こっているのか理解できなくなっています。
- 2022-11-25:コタロー
- 1970年代前半、当時のCBSソニーでは「クラシック音楽名盤セレクション」(正式名称は忘れてしまいましたが)的な一連のメジャーなレコードが発売されていました。面白いのは、それに付随して、収録されているクラシック音楽のなかで1,2分間の聴きどころを集めたレコード「音のカタログ」が出ていたことです。これは確か非売品で、このシリーズのレコードの各々に付いているシールを数枚集めて送付するともらえるというキャンペーンだったように記憶しています。実はこのシリーズの中に「室内楽代表(?)」として、ブダペスト弦楽四重奏団の演奏によるベートーヴェン弦楽四重奏第15番(ステレオ録音の方)の第4楽章の冒頭部分が取りあげられていたのです。それは短いながら私の心を射るような強烈な印象を持ちました。
それから数年後、私が大学生のころ、CBSソニーからブダペスト弦楽四重奏団のベートーヴェン弦楽四重奏曲のモノラル録音のレコードが発売されました。それもありがたいことに一枚1200円という廉価盤で分売されていたのです。そこで私はさっそくベートーヴェン弦楽四重奏第15番のモノラル盤のレコードを購入しました。改めて全曲聴いてみました。
さすがに大学生には難しい音楽でしたが、第4楽章から第5楽章への音楽の流れには感動しました。また第2楽章の不思議な透明感が印象的でした。
第3楽章については、若い頃は難解に感じました。しかしこの夏、私がとある病気で手術して二か月前後も入院してから聴いてみると、改めて腹に落ちた感じがしました。それはまさにベートーヴェンの音楽の偉大さを証明するものだと強く思います。
- 2022-11-24: joshua
- この曲は若いころにはつまらない曲だと思ってました。曲想はわかりやすく美しさや陰影の濃さも十分なのですが、ドキドキしないワクワクしない病、つまり若気の至りでそう思ったようです。この曲は当初聴衆受けしなかったものの、ヨアヒムが蘇らせたとはいえ、私が還暦越えて好きになったように、時を得れば「やはりいいものはいい」と人は感じるのかもしれません。ウクライナ出身・練習中に心臓発作で突如倒れて颯爽と旅立ったエルマンのこの演奏は諸氏のコメント通り、伴奏の立派さと好(?)対照で楽しめます。オケ伴奏が終わって、ヴァイオリンの出る瞬間、存在感がありますね。いろんな弾き方でそれなりに映える受容力の高い曲と言えるでしょうか。個人的に大好きなところは、第2楽章始まって、3分20秒のところ。ヴァイオリンが上昇音を弾き切ってオケがトゥッティに入ります。30秒かそこらの間ですが、幸福感が漲ります。意外な指揮者ですが、ヨゼフ・クリップス。スイスロマンドを振って、若きスターンが弾いてる50年代後半の演奏があります。世間では、バーンスタインの伴奏が出回ってますが、それよりずっといい。当該箇所は白眉といえます。メニューヒンを伴奏する3種のフルトヴェングラー、いや戦時中の44年に当時コンマス(エーリッヒ・レーン、1年後初代北ドイツ放送のコンマス)の伴奏のベルリンフィルに匹敵するんじゃないか(音もいい)、というまったくもって私見であります。エルマンが思いのままに弾くのを聴き手の我々が楽しむように、聴いて好きなことを書き綴る素人音楽愛好家に、ベートーヴェンは慈父の目で微笑んどるようです。
- 2022-11-24:saco
- 今まで聴いたことのあるベートーヴェン演奏の中でも1、2を争うほどの爆演ですね。
ホーレンシュタインはロンドン響とのマーラー9番(1966年)やブルックナー8番(1970年)など、元々海賊盤の冴えない音ながら物凄い内容の濃い(特にマーラー)演奏を愛聴しています。どちらも屈指の人気曲であり、おびただしい数の名盤があり、音響的にはできれば最新の録音で精妙さを味わいたい性質の曲ですが、筆者にとってはどちらの演奏も定期的に聴きたくてたまらなくなる魔力を備えています。
ということで、ベートーヴェンの1番のこのライブも、音の冴えなさは全然気になりません。凄いの聴かせていただいてありがとうございます。
- 2022-11-23:なかさん
- 私がこの曲と出会ったきっかけは、吉田秀和氏の「名曲の楽しみ」でした。
その時の演奏は、スターン、ズッカーマン、ローズの3人で、これが私のスタンダードです。
その後、クレーメル、カシュカシュアン、ヨーヨーマのLP、
続いて、ラルキブッデリのCDと聴いてきました。
モーツアルトの中で最も好きな曲です。
日曜日の午前中、特に冬の陽だまりの中で、ゆったりと味わいたい名曲ですね。
- 2022-11-23:コタロー
- シューリヒトのバッハ「ブランデンブルク協奏曲」がいよいよ完結しましたね。そういえば彼のヘンデル「合奏協奏曲」が数年前にアップされていて、滋味豊かな演奏に感心した覚えがあります。しかし、今回のバッハはそれを上回る出来栄えだと思います。
それにしても、シューリヒトの世代のバロック音楽の演奏といえば、一般にフルトヴェングラーに代表されるようなロマン派寄りの解釈が主流でした。しかし、シューリヒトの演奏は時代様式に囚われない、モダンで味わい深いものです。アップしていただき、ありがとうございました。
- 2022-11-22:コタロー
- ユング様が、チャイコフスキーの「ヴァイオリン協奏曲」について、ヴァルガの演奏を絶賛されていました。
そこで私もさっそく聴いてみました。全体的に遅めのテンポで、雄大さとほのかな艶っぽさを兼ね備えた、大変魅力的かつ立派な演奏で大いに感動しました。
最後に少々マニアックな話で恐縮です。かつて私が所持していたこの曲のスコアの記憶と比較すると、ヴァルガは、第三楽章中心としてほぼノーカットにて演奏している様に聴こえます。録音も良好で、この曲の魅力を高めていると思います。隠れた名盤ですね。
- 2022-11-21:笑枝
- 感激です。
カール・エールベルガーのファゴットにここで出会えるとは。(@_@;)
二楽章、ファゴットの息の長いフレージング、堪能させてもらいました。
貴重な録音ですね。
ありがとうございました。
- 2022-11-20:コタロー
- これはカラヤン以外には真似できないアルバムですね。
いきなり「フィンランディア」で始まり、あとは国籍不明のごった煮状態にあきれてしまいます。しかしながらどの曲をとってもそれなりに聴き手を納得させるカラヤンという男は大したものです。1958年~1960年録音とありますので、カラヤンが50歳前後のレコーディングということになります。このころのカラヤンは後年の演奏とは異なり、素直な音楽づくりをしているのに好感が持てます。
おもしろいアルバムをご紹介いただき、ありがとうございました。
- 2022-11-19:コタロー
- ト長調のメヌエットが有名ですが、アンナ・マグダレーナのために作られたのですね。
バッハは、あの謹厳実直なイメージとは裏腹に、彼女とのあいだに13人もの子どもをなしたのです(特に結婚した当初からは毎年のように生まれています!)。
そんなエピソードから、バッハの新妻への限りない愛情が伝わってきますね。
- 2022-11-18:藤原正樹
- 第1楽章冒頭の押し出しの良さ。それが少しも鈍重さにならない。すぐ火がついて完全燃焼。これはスケールの大きさが鋭敏さと両立しているのですね。大指揮者と言われる人でもそうはいかない人もいますから、違いはどこから来るかについても考えてみたくなりました。強弱の付け方もいい。アメリカンな完全主義がプラスに作用した、といえばいいのかしら。第2楽章の静謐さと管のソロのうまさ。すっと寄り添ってくるような弦楽器。第4楽章、おしまいへんの終わったかと見せてもう一度、というあたりの炸裂する音。
面白みについて。面白いのです。落語でも漫才でも本当の名人は笑わないと言いますが、セルのこの演奏のようなのをいうのでしょう。
- 2022-11-17:たつほこ
- 素晴らしい。昔からバルビローリ、ウィーンフィルのブラームスの交響曲第2番は好きでよく聞いていました。マーラーの9番も。そのためか?、このモーツァルトの節回しも耳に慣れた響きです。ハレ管弦楽団なんて、マンチェスターの田舎楽団じゃねえの?って感じですが、立派なオーケストラに聴こえて不思議な気がします。
- 2022-11-17:コタロー
- ドヴォルザークのセレナードでは、これまで「弦楽セレナード」をもっぱら聴いてきました。「管楽セレナード」の方は土臭くて付き合いきれなかったのです。
そんな折、たまたまこのサイトで「管楽セレナード」の演奏に出会いました。それも指揮者がバルビローリというので、なかば興味本位で聴いてみたのです。それが素朴さ一辺倒ではなく、ある意味の「洗練」を感じたのか、一気に聴きとおしてしまいました。まさに幸福な「出会い」が果たせたと思います。
それにしても、バルビローリは1970年の「大阪万博」で来日する予定だったのですが、その直前に急逝してしまったのは痛恨の極みでしたね。
- 2022-11-16:コタロー
- ユーディナというピアニストは初めて聴きましたが、これは大変な名演奏です。
録音もこの年代にしては、大変優れています。とにかくこれは一聴の価値ありですね。
あくまでも個人的な見解ですが、歴史的名演奏の仲間入りをさせてよいと思います。
- 2022-11-15:コタロー
- モーツァルトの交響曲34番といえば、LP時代にジョージ・セルが珍しくコンセルトヘボウを指揮したLPを所持していました(フィリップス、1500円の準廉価盤)。全体に硬質な音楽づくりでしたが、第2楽章における打って変わった優しさが印象に残っています。
一転して、若き日のディヴィスのジェントルな演奏もいいですね。オーケストラの細やかな美しさが花を添えています。
- 2022-11-15:joshua
- 何の故障もなく老いゆくまで演奏し続ける、理想でしょうね。バリリやウェラーはそこをどのように折り合いをつけたのか。これだけの人たちなら、生活に必要な経費だけの音楽からは程遠かったはずです。故障や病気で、以前のように演奏できなくなっても命は続いていくわけですから、天衣無縫の自在さとは程遠い人間的苦痛を伴って音楽とかかわるのは如何ばかりのことでしょう?
先日、スタニスラフ・ブーニンの復帰公演の様子が2回にわたって放映されていて、多くの方々が様々な思いでご覧になったと思います。ご覧になった方はもうご存じのように、ブーニンの左足は、膝から下数センチ壊死を防ぐため切断後、上下を繋ぎ合わせて、短くなった分底の厚い靴を履いて高さを補っています。ペダルを踏む際は足首の関節が利かないので、膝から体重をかけるようです。ブーニンは番組で色々語っていますが、「足を失いたくない(義足にしなかった)のは音楽を続けたかったから」「わたしはもう、以前と同じようなコンサートピアニストではありません」・・・言葉を選びながら語っていたのが思い出されます。
ブーニンとは反対側の右手が利かなくなったレオン・フライシャー、館野泉も同様のドキュメンタリーが放送されたのは記憶に遠くありません。
演奏家、って一生をどう音楽と付き合っていくかが問われるんですね。ルービンシュタインや100歳超え現役だったホルショフスキーにしても、昔の自分を知りつつも老いていく自分の指で弾き続けたわけですから。いつぞや、ラジオで、北山修が語ってましたが、いくら好きな曲でも始終繰り返し歌い続けないといけないプロシンガーの世界は耐え切れない(からやめた)、と。クラシックの世界も同様に不調であろうと好きでない曲目であろうと一期一会の演奏で評価される厳しさがある、と堀米ゆず子談。
聴衆の我々は、そんな試練の中から紡ぎだされる1音1音を、いい加減な気持ちで聴いてはいけないし、とてもじゃない、批評なぞ安易にするべきではないでしょうね。
夭逝した、デニス・ブレイン、ジネット・ヌブー、遠くはモーツァルトにしても、存命していたらなんて邪推はせず、残してくれたものだけでも拝聴して幸せなわれわれです。ちょっと、大げさですかな・・・。
- 2022-11-12:yk
- 先ごろハイフェッツ/トスカニーニによるこの協奏曲の録音がアップされ、懐かしさの余りコメント欄に駄文を投稿してしまいました。そのついで・・・と言っては何ですが、この曲でコレと対ともなるメニューイン/フルトヴェングラー盤の項を拝見すると、ここにはコメントが一つも無いうえに星評価が5にも満たないのに意外の感があり、なるほどクラシック音楽の世界にも”時代”と言うものがある・・・と改めて実感いたしました。
私はここん十年一貫してフルトヴェングラー命の旧人類なので”今さら・・・”の感もありますが、一言場外からこのメニューイン/フルトヴェングラーにもエールをば・・・・。
この組み合わせの録音にはルツェルン盤、フィルハーモニア盤ともう一つ1947年10月24日のベルリン・フィル盤があり、いずれも聴くべきものがあると思いますが、私個人的にはベルリン盤に一番胸熱くなるものがあります(機会が有れば是時ここでもアップしてください)。音楽を聴くのに演奏のバックグラウンドにある”文学”を持ち出すのは確かにフェアとは言えないものがありますが、それでもこの時期のメニューイン・フルトヴェングラーの組み合わせによるベートーベンの協奏曲から”第二次世界大戦後”・・・という時代を排して聴くことは、音楽の持つ意味・機能の重要な要素を見落とすことになると私は考えています。
五千万人ともそれ以上とも言われる戦争犠牲者の記憶も生々しかったこの時期に、ホロコーストの重い罪を背負ったドイツーフルトヴェングラーの指揮のもとユダヤ人のメニューインが(未だ廃墟の跡も生々しいベルリンで)ベートヴェンを演奏する・・・と言う場面・記録の意味はやはり(演奏に対する好悪は別にしても)格別のものがあり、実際注意して聞けばオーケストラ、独奏ヴァイオリンの一瞬一瞬、一音一音に演奏家たちが意味を込めようとする憧れにも似た平和への渇望が聞こえて、それはロシアによるウクライナ侵攻の現代にあっても通じるところが有るのではないかと思います。
メニューイン/フルトヴェングラーの演奏はハイフェッツ/トスカニーニとは全く異なる文脈の上での演奏とも言えますが、これほど異なる文脈の上にあって尚且つ全く矛盾なく両者を聴くことが出来る・・・という事実自身がベートーヴェンが音楽に求めた意味・普遍性だったのではないかと思えば、これらの将に”歴史的録音”が残されたことに深く感謝する次第。
- 2022-11-12:コタロー
- 今日アップされた作品が「ハイドン:フルート四重奏曲」だったので、ついでにモーツァルトのフルート四重奏曲を聴こうととしたらこの演奏に出会いました。
ハイドンの作品は音楽の構築の点では優れていますが、音楽そのものの魅力は、モーツァルトの作品が断然優れていると思いました。
そういえば、この演奏は、録音年代のわりに録音がとても良いですね。
- 2022-11-10:yk
- 此処でこの録音が未だアップされていなかった・・・と言うのがむしろ驚きです。
昔、クラシック音楽を聴き始めたころヴァイオリン協奏曲に凝っていた時期があった。その当時、”一番エライ”と言う形容詞で何でも単純化して見ていた私にとって、もちろん”一番エライ”作曲家はベートーヴェンだったし、”一番エライ”ヴァイオリニストはハイフェッツだったので、ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲を買うのならレコードは当然ハイフェッツのものと決めていた。で、レコード屋に行って探してみると、指揮者がミュンシュのものとトスカニーニのものが置いてあって少し迷ったのだけれど、トスカニーニが”一番エライ”指揮者だと覚えていたのでこのLPを意気揚々と買った。
一番エライヴァイオリニストと一番エライ指揮者による一番エライ作曲家の協奏曲の演奏なのだから、もとより悪いはずがない。録音はもちろんSP期の録音だが、どちらかと言えばデッドな音響のNBCスタジオ8Hでの録音は結構明快(・・・過ぎ?)な音で聴くことが出来る。ハイフェッツとトスカニーニと言う組み合わせだけでも大体想像がつくようなものだけれど、それにしても緊張感の異様に高い演奏だと思う・・・・・それも、ライブ演奏の緊張などと言うのとはちょっと違う、どちらかと言えば機械的な雰囲気のある閉鎖的・密室的なスタジオのなかで皆が息を殺しているような緊張感が漲っていて、ハイフェッツもトスカニーニも素人耳にでさえテンポが上擦っているように聞こえるようなところもある。
このレコード以来、色々ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲も聴いたけれど、この演奏ほど引き締まった気迫辺りを払うような印象を与える演奏は未だにないと思う。黒澤映画の「椿三十郎」でノホホンとした家老の奥方が主人公を評して「あなたはギラギラしてまるで抜き身の刀みたいだけれど、本当にいい刀は鞘に収まってるものですよ」と言う場面があったが、この演奏でのハイフェッツもトスカニーニも、将に抜き身の刀みたいにギラギラ光っている。”鞘に収まる”余裕がないと言ってしまえばそうかもしれない、冷たい刀身よりも生身の温もりが音楽には必要かもしれない・・・・・が、日本刀の切っ先が発する異様な輝きには其れ独特の魅力があって、この演奏も(今の私の”好み”とは必ずしも一致している訳ではないけれど)やはり歴史的録音の名に恥じない偉大な演奏だったと思う。
- 2022-11-09:大野和彦
- 素敵な音楽をアップしていただき、ありがとうございます。
音のまろやかさと深さ、品のある演奏も、とても気に入りました。
毎日バッハを中心にバロック音楽ばかり聴いている私は、朝から幸せな気分に満たされ、お気に入りの演奏が一つ増えました。
- 2022-11-09:笑枝
- 素晴らしいです。
モーリス・アンドレ、千両役者ですね。
大見得きってるような、痛快至極なトランペット!
ハインツ・ホリガーのオーボエが霞んぢゃってる。
その分、第2楽章で、オーボエ、フルート、ヴァイオリンがしみじみ、たっぷり演奏を楽しんでるって伝わって来ますね。
シューリヒト、最後の録音だそうですが、軽快なビートで、名手たちの華やかな饗宴を支えてる。
バッハに対する読みの深さを感じました。
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[2025-07-01]

ベートーベン:交響曲第5番 ハ短調 「運命」 作品67(Beethoven:Symphony No.5 in C minor, Op.67)
ヨーゼフ・カイルベルト指揮 ハンブルク・フィルハーモニー管弦楽楽団 1958年録音(Joseph Keilberth:Hamburg Philharmonic Orchestra Recorded on 1958)
[2025-06-29]

ヘンデル:組曲第12番(第2巻) ト短調 HWV 439(Handel:Keyboard Suite No.12 (Set II) in G Minor, HWV 439)
(P)エリック・ハイドシェック:1964年9月18日~21日&30日録音(Eric Heidsieck:Recorded 0n September 18-21&30, 1964)
[2025-06-27]

ブラームス:ホルン三重奏 変ホ長調, Op.40(Brahms:Horn Trio in E-flat major, Op.40)
(Hr)フランツ・コッホ :(Vn)ワルター・バリリ (P)フランツ・ホレチェック 1952年録音(Franz Koch:(Vn)Walter Barylli (P)Franz Holeschek Recorded on 1952)
[2025-06-25]

バッハ:幻想曲とフーガ ト短調 BWV.542(J.S.Bach:Fantaisie Et Fugue En Sol Mineur, BWV 542)
(organ)マリー=クレール・アラン:1959年11月2日~4日録音(Marie-Claire Alain:Recorded November 2-4, 1959)
[2025-06-22]

ラヴェル:ダフニスとクロエ第2組曲(Ravel:Daphnis And Chole, Suite No.2)
ユージン・オーマンディ指揮 フィラデルフィア管弦楽団 1959年4月19日録音(Eugene Ormandy:Philadelphis Orchestra Recorded on April 19, 1959)
[2025-06-19]

ヘンデル:組曲第16番(第2巻) ト短調 HWV 452(Handel:Keyboard Suite (Set II) in G Minor, HWV 452)
(P)エリック・ハイドシェック:1957年9月30日&10月1日~2日録音
[2025-06-15]

エルガー:ため息 (ソスピーリ), Op.70(Elgar:Sospiri, Op.70)
サー・ジョン・バルビローリ指揮 ニュー・フィルハーモニア管弦楽団 1966年7月14日~16日録音(Sir John Barbirolli:New Philharmonia Orchestra Recorded on July 14-16, 1966)
[2025-06-11]

ベートーベン:交響曲第4番 変ロ長調 作品60(Beethoven:Symphony No.4 in Bflat major ,Op.60)
ヨーゼフ・カイルベルト指揮 ハンブルク・フィルハーモニー管弦楽楽団 1959年録音(Joseph Keilberth:Hamburg Philharmonic Orchestra Recorded on 1959)
[2025-06-08]

ラロ:スペイン交響曲 ニ短調, Op21(Lalo:Symphonie espagnole, for violin and orchestra in D minor, Op. 21)
(Vn)アルフレード・カンポーリ:エドゥアルド・ヴァン・ベイヌム指揮 ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団 1953年3月3日~4日録音(Alfredo Campoli:(Con)Eduard van Beinum The London Philharmonic Orchestra Recorded on March 3-4, 1953)
[2025-06-04]

エルガー:交響曲第2番変ホ長調Op.63(Elgar:Symphony No.2 in E-flat major, Op.63)
サー・ジョン・バルビローリ指揮 ハレ管弦楽団 1954年6月日~9日録音(Sir John Barbirolli:Philharmonic Hall Recorded on June 8-9, 1954)