クラシック音楽へのおさそい~Blue Sky Label~




Home|エーリッヒ・クライバー(Erich Kleiber)|ベートーベン:劇音楽「エグモント」 Op. 84 序曲

ベートーベン:劇音楽「エグモント」 Op. 84 序曲

エーリッヒ・クライバー指揮 NBC交響楽団 1948年1月10日録音

Beethove:Egmont, Op.84 [Overture]


尊敬するゲーテから依頼された音楽

この序曲はゲーテの戯曲「エグモント」のために作曲されたものなのですが、今日ではこの序曲だけがよく演奏されます。
音楽全体は序曲と9曲の付随音楽からなり、通して演奏すると40分程度になル、規模の大きな音楽です。


  1. 歌曲: Vivace
    第1幕第3場の民家の場面で、クレールヒェンが糸を巻きながら得意の「兵隊さんの歌」を歌う。

  2. 幕間の音楽1: Andante
    失恋したブラッケンブルグが自殺してしまおうと悩んで幕が下りると演奏される幕間の音楽。

  3. 幕間の音楽2: Larghetto
    エグモントの独白の後に第2幕の幕が下りると演奏される幕間の音楽

  4. 歌曲:Andante con moto
    第3幕第2場でエグモントを待つクレールヒェンが母に向かって歌う歌曲

  5. 幕間の音楽3: Allegro - Marcia
    第3幕の幕が下りると演奏される幕間の音楽で、エグモントからの愛の言葉を喜ぶクレールヘェンの心の余韻を伝える。

  6. 幕間の音楽4: Poco sostenuto e risoluto
    第4幕のエグモントの台詞が終わらないうちに演奏される幕間の音楽。音楽が力なく終了するとそのまま第5幕に進んでいく。

  7. クレールヒェンの死: Clarchens Tod
    第5幕第3場でクレールヒェンが毒をあおって自殺した後に流れる音楽。オーボエが哀しみの旋律を美しく歌い上げる。

  8. メロドラマ:Poco sostenuto
    第5幕の獄中の場で、エグモントのモノローグとともに演奏される音楽

  9. 勝利のシンフォニア: Allegro con brio
    エグモントの最後の台詞「最愛のものを救うために、喜んで命を捨てること、わがごとくあれ」の後に幕が下り始めると演奏される音楽。序曲のコーダと同一の楽曲であるが、こちらが先に完成されたと言われている。



この戯曲に音楽をつけるように依頼したのはゲーテ本人であり、いろいろあっても彼のことを深く尊敬していたベートーベンは喜んでその仕事を引き受けたのです。
ただし、残念ながら戯曲の方はそれほど成功を収めませんでした。その事もあって、今日では序曲だけが演奏される機会が多いと言うことなのでしょう。



大きな波が打ち寄せは引いていくような音楽が実に心地よく感じられる

鼻をつままれたような貧弱な音です。おまけに、何かものが倒れたような音が派手に入っていますからリスニングルームに追加しようかどうか悩みました。しかし、あらためて聞き直してみれば、昔の巨匠と言われる指揮者の手の内みたいなものがよく分かる録音でもあるので比較の意味も込めてアップすることにしました。

まず何よりも自然でゆったりとした息づかいの演奏なので安心して聞くことができます。
大きな波が打ち寄せは弾いていくような音楽が実に心地よく感じられます。

時計で計測すれば演奏時間は8分を切るのですが、決して「速い」という感じはしません。

このあたりが「テンポ」というものの難しさで、時計で測った速さと音楽を聞いて感じる体感的な速さの間には乖離があります。このエーリッヒの演奏では一つ一つのフレーズはこれしかないと思えるようなテンポで演奏されるので、聞いた感じは決して速すぎるとは思えないのです。
コーダに突入していくときのテンポのあげ方も自然ですから、まさに体に染み込んだと言えるようなコントロールの仕方です。

この演奏を評価してください。

  1. よくないねー!(≧ヘ≦)ムス~>>>1~2
  2. いまいちだね。( ̄ー ̄)ニヤリ>>>3~4
  3. まあ。こんなもんでしょう。ハイヨ ( ^ - ^")/>>>5~6
  4. なかなかいいですねo(*^^*)oわくわく>>>7~8
  5. 最高、これぞ歴史的名演(ξ^∇^ξ) ホホホホホホホホホ>>>9~10



3360 Rating: 4.9/10 (98 votes cast)

  1. 件名は変更しないでください。
  2. お寄せいただいたご意見や感想は基本的に紹介させていただきますが、管理人の判断で紹介しないときもありますのでご理解ください
名前*
メールアドレス
件名
メッセージ*
サイト内での紹介

 

よせられたコメント

2023-01-28:笑枝





【リスニングルームの更新履歴】

【最近の更新(10件)】



[2024-11-24]

ブラームス:交響曲第4番 ホ短調, Op.98(Brahms:Symphony No.4 in E minor, Op.98)
アルトゥーロ・トスカニーニ指揮 フィルハーモニア管弦楽団 1952年9月29日&10月1日録音(Arturo Toscanini:The Philharmonia Orchestra Recorded on September 29&October 1, 1952)

[2024-11-21]

ショパン:ピアノ協奏曲 第1番 ホ短調, Op.11(Chopin:Piano Concerto No.1, Op.11)
(P)エドワード・キレニ:ディミトリ・ミトロプーロス指揮 ミネアポリス交響楽団 1941年12月6日録音((P)Edword Kilenyi:(Con)Dimitris Mitropoulos Minneapolis Symphony Orchestra Recorded on December 6, 1941)

[2024-11-19]

ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.77(Brahms:Violin Concerto in D major. Op.77)
(Vn)ジネット・ヌヴー:イサイ・ドヴローウェン指揮 フィルハーモニア管弦楽 1946年録音(Ginette Neveu:(Con)Issay Dobrowen Philharmonia Orchestra Recorded on 1946)

[2024-11-17]

フランク:ヴァイオリンソナタ イ長調(Franck:Sonata for Violin and Piano in A major)
(Vn)ミッシャ・エルマン:(P)ジョセフ・シーガー 1955年録音(Mischa Elman:Joseph Seger Recorded on 1955)

[2024-11-15]

モーツァルト:弦楽四重奏曲第17番「狩」 変ロ長調 K.458(Mozart:String Quartet No.17 in B-flat major, K.458 "Hunt")
パスカル弦楽四重奏団:1952年録音(Pascal String Quartet:Recorded on 1952)

[2024-11-13]

ショパン:「華麗なる大円舞曲」 変ホ長調, Op.18&3つの華麗なるワルツ(第2番~第4番.Op.34(Chopin:Waltzes No.1 In E-Flat, Op.18&Waltzes, Op.34)
(P)ギオマール・ノヴァエス:1953年発行(Guiomar Novaes:Published in 1953)

[2024-11-11]

ドヴォルザーク:ヴァイオリン協奏曲 イ短調, Op.53(Dvorak:Violin Concerto in A minor, Op.53)
(Vn)アイザック・スターン:ディミトリ・ミトロプーロス指揮 ニューヨーク・フィルハーモニー交響楽団 1951年3月4日録音(Isaac Stern:(Con)Dimitris Mitropoulos The New York Philharmonic Orchestra Recorded on March 4, 1951)

[2024-11-09]

ワーグナー:「神々の黄昏」夜明けとジークフリートの旅立ち&ジークフリートの葬送(Wagner:Dawn And Siegfried's Rhine Journey&Siegfried's Funeral Music From "Die Gotterdammerung")
アルトゥール・ロジンスキー指揮 ロイヤル・フィルハーモニ管弦楽団 1955年4月録音(Artur Rodzinski:Royal Philharmonic Orchestra Recorded on April, 1955)

[2024-11-07]

ベートーベン:ピアノ協奏曲第4番 ト長調 作品58(Beethoven:Piano Concerto No.4, Op.58)
(P)クララ・ハスキル:カルロ・ゼッキ指揮 ロンドン・フィルハーモニック管弦楽団 1947年6月録音(Clara Haskil:(Con)Carlo Zecchi London Philharmonic Orchestra Recorded om June, 1947)

[2024-11-04]

ブラームス:交響曲第3番 ヘ長調, Op.90(Brahms:Symphony No.3 in F major, Op.90)
アルトゥーロ・トスカニーニ指揮 フィルハーモニア管弦楽団 1952年9月29日&10月1日録音(Arturo Toscanini:The Philharmonia Orchestra Recorded on September 29&October 1, 1952)