クラシック音楽へのおさそい~Blue Sky Label~



Home|名演奏を聞く

名演奏を聴く~今週の一枚(最新の20件)

名演奏を聴く~今週の一枚(一覧表示)



チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 作品23

(P)シューラ・チェルカスキー レオポルト・ルートヴィヒ指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 1951年録音

ここで聞くことのできるチャイコフスキーはまさに「美しきポエム」のような世界なのです。それはピアノだけでも実現不可能ですし、オケだけでも実現不可能です。
こういう「ポエムの世界」を実現するためにはソリストと指揮者、そしてオーケストラのプレーヤーとの間で「こういうチャイコフスキーの世界を作ろう!」という認識が虚有されていなければ絶対に実現できない世界です。


ハイドン:交響曲第104番 ニ長調 Hob.I:104 「ロンドン」

イーゴリ・マルケヴィチ指揮:ラムルー管弦楽団 1959年12月録音

「凄絶」という表現をせざるをえないほどの唯一無二の演奏
これはラムルー管にしてみれば誇りともすべき、そして名誉ともなるべき演奏であり録音です。
まさに「凄絶」なハイドンです。ただし、ハイドンの交響曲に「凄絶」という形容詞が誉め言葉になるのかどうかは分かりませんが、それでもそう表現せざるをえないほどの唯一無二の演奏です


ヴィエニャフスキ:スケルツォ・タランテラOp.16

(Vn)ヤッシャ・ハイフェッツ:(P)エマニュエル・ベイ 1950年録音

彼ほどに音楽と向き合ってその本質を考え抜き、その考え抜いた結果のためにその優れたテクニックを使った人は滅多にいません。
つまりは、ハイフェッツと言えばすぐに指摘されるのはそのテクニックなのですが、ほんとうに聞くべきはそのテクニックによって作りあげられている「音楽」そのものなのです。それが小品であってもそのスタンスには微動だにしなかったので、さらに凄みを感じさせられるのです。


ショパン:ピアノ協奏曲 第1番 ホ短調 作品11

(P)サンソン・フランソワ ジョルジュ・ツィピーヌ指揮 パリ音楽院管弦楽団 1954年5月28日&6月1日録音

フランソワには、ショパンの感情と同化できる天才的な閃きがありました。
ですから、まるで感情のおもむくままに好き勝手に弾いているようでありながら、その魅力はポリーニやアシュケナージのようなタイプのピアニストからでは絶対に聞くことのできない音楽です。


シューベルト(ウィルヘルミ編):アヴェ・マリア

(Vn)エリカ・モリーニ (P)レオン・ポマーズ 1956年録音

モリーニという古き良きヨーロッパの象徴のような女性の目に映じた「滅び行くヨーロッパの姿」そのものが刻み込まれているような「アヴェ・マリア」です。
そして、そこでは老いた没落貴族の女性が、過ぎ去った栄光の過去を思い出しながら一人でダンスを踊っているような光景が浮かんでくるのは私だけでしょうか。


ドヴォルザーク:交響曲第9番 ホ短調 作品95 「新世界より」

フェレンツ・フリッチャイ指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 1959年10月録音

病を得てからの録音はどれももこれも凄まじいものばかりですが、このドヴォルザークの「新世界より」も、かなりの凄まじさです。
この時代のベルリンフィルは、既にカラヤンの支配下に入っていて、既にドイツの田舎オケとしての風貌は失いつつありました。しかし、このフリッチャイのもとでは、そう言う古き良き時代の面影が甦っているかのようです。


ベートーベン:交響曲第3番 変ホ長調 作品55 「英雄」

エーリッヒ・クライバー指揮 アムステルダム・コンセルホヘボウ管弦楽団 1950年5月録音

音楽の隅々までエネルギー感が満ちあふれています。そして、何よりも凄いのがこれほどのスピード感あふれる演奏を展開しながら、キリリとした造形感覚が全く崩れないことです。
そして、これを聞いて、あの天才クライバーがなぜに父エーリッヒの影をおそれたか、その理由が初めて理解できました。


ブラームス:ドイツ・レクイエム Op. 45

ルドルフ・ケンペ指揮:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 聖ヘトヴィク大聖堂合唱団 (Br)ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ (S)エリーザベト・グリュンマー 1955年録音

東日本大震災の時に、被災地の方から「今夜はこのサイトで音楽を聴いて過ごそうと思います。」という書き込みを頂いて、音楽の力を思い出させてくれのが、このケンプのドイツレクイエムでした。
クランペラーのような完璧な巨大さはありません。しかし、これほど素朴にしみじみと人の心に入り込んでくる演奏はそうあるものではありません。とりわけ、聖ヘトヴィク大聖堂合唱団の素晴らしさは特筆すべきものです。


シェーンベルク:ピアノ組曲 Op.25

(P)グレン・グールド 1965年11月16日&18日録音

古典派からロマン派の作品を中心に聞いてきた耳には、シェーンベルクのピアノ作品は聞きやすい音楽とは言えません。
しかし、グールドのピアノは、一つ一つの音の境界線がホールトーンによって抱きすくめられています。結果として、一つ一つの音はそれほどの強い自己主張をすることもなく、言ってみれば「一つの雰囲気」として存在しています。
その意味では、明らかにロマン派小品の延長線上に位置するようなグールドのピアノはシェーンベルクへのファーストコンタクトとしては相応しいかもしれません。


ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」

(P)ウラディミール・ホロヴィッツ:1947年11月7日&12月22日録音

ピアノという楽器はかくも容易く軽々と演奏できるものなのかという驚き、そして自由奔放に弾きこなしているだけなのにそこから紡ぎ出される音楽はたとえようもなく美しい。
何よりも、その音楽から発散される爽快感と開放感は他のどのピアニストからも感じ取れないものです。
まさに、ホロヴィッツ全盛期の録音と演奏です。


モーツァルト:交響曲第40番 ト短調 k.550

ジョージ・セル指揮 クリーブランド管弦楽団 1967年8月25日録音

おそらく、モダン楽器を使ってここまで精緻にモーツァルトの世界を描き出した演奏は他には思い当たりません。それどころか、逆説的に言えば、モダン楽器でここまでの精度と透明感で演奏されてしまったがゆえに、ピリオド楽器による演奏という方法論に多くの人を追いやったのではないかとすら思えるのです。

吉田秀和はセルの演奏を宋時代の白磁にたとえましたが、その喩えがもっとも相応しいのがモーツァルトの録音であり、そのモーツァルト録音の中でももっとも硬質な透明感に貫かれているのはこのト短調シンフォニーの録音です。
まさに、ここには一点の卑俗なところもない、極度に純化された透明感に貫かれた美しいモーツァルトが存在しています。


シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調, Op.47

(Vn)ダヴィッド・オイストラフ:ユージン・オーマンディ指揮 フィラデルフィア管弦楽団 1959年12月21日,24日録音

オーマンディの伴奏も悪くないと思うのですが、どうもオケの音色に違和感があります。つまり、この演奏からはシベリウスには絶対必要だと思われる、「ヒンヤリ感」みたいなものは皆無です。
しかし、そう言う面はありながらも、オイストラフのヴァイオリンには幻想性の向こうに何とも言えない寂しさのようなものが見事に表現されています。まさにヴァイオリンという楽器の可能性を思い知らされ録音音と演奏だと言えます。


All-Time Popular Favourites

ハンス・クナッパーツブッシュ指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 1960年2月15日~17日録音

音楽を大づかみにして誰にも真似の出来ない音楽に仕上げています。
おそらくは、基本的に好きではなかったスタジオ録音なのですが、この時は奇跡的に全てが機嫌良く進んだようなのです。
「ウィンザーの陽気な女房だち」の最後で大きく盛り上がっていくところ等を聞かされると流石はクナッパーツブッシュと思わせられるのですが、同時に「音楽って楽しいぜ!!」というクナ自身の声も聞こえてきそうな気がするのです。


フォーレ:レクイエム 作品48

アンドレ・クリュイタンス指揮 パリ音楽院管弦楽団 エリザベート・ブラッスール合唱団 (S)ヴィクトリア・デ・ロス・アンヘレス (BR)ディートリッヒ・フィッシャー=ディースカウ (Org)アンリエット・ピュイ・ロジェ 1962年2月4~5日 & 5月25~26日録音

曲がりなりにもこの録音は、フォーレのレクイエムに関しては歴史的名演として決定盤とも言うべき地位にあったのですから、「取り上げないのは忘れているんじゃないの?」と言うことにもなります。
しかし、取り上げれば一言二言、何かを言わざるを得なくなるので困ってしまうのです。
気に入らなければ「取り上げない」というのがもっとも正しいスタンスだとは・・・思うのですが、最終的な判断は聞き手にゆだねるしかないでしょう。


フランク:ヴァイオリンソナタ イ長調

(Vn)ヤッシャ・ハイフェッツ (P)アルトゥール・ルービンシュタイン 1937年4月3日録音録音

寸分の狂いもみせない端然たるハイフェッツのヴァイオリンが素晴らしいのはいつものことですが、それと十分に対抗しているルービンシュタインのピアノもなかなかのものです。この二人のアンサンブルの精度の高さは耳の至福です。
たまにはこういう古き良き時代の録音に身を浸すのもいいものだとは思いませんか。録音もまたSP盤の真価を知らしめるには十分すぎるほどのクオリティです。


ベートーベン:ピアノソナタ第32番 ハ短調 作品111

(P)バックハウス 1961年11月録音

今さらという感じの一枚ですが、個人的には彼が残した晩年のステレオ録音の全集の中ではこれが一番好きかもしれません。世間では彼のゴツゴツとした響きがベートーベンに相応しいなどと言われるのですが、それは明らかに誤解です。彼の響きはゴツゴツしてるどころか非常に美しいと思うのですがいかがなものでしょうか。
そして、大袈裟な身振りなどは一切排除しながら、ベートーベンがこの作品に託した人生への肯定をこれほど強く感じさせてくれる演奏は滅多に出会うことが出来ません。


バッハ:管弦楽組曲第3番 ニ長調 BWV1068

エドゥアルト・ファン・ベイヌム指揮 アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団 1956年4月3日録音

今の耳からすればあまりにも鈍重なバッハに聞こえるかもしれません。しかし、いわゆるピリオド演奏なるものに違和感を感じる人にとっては幸福な時代の古き良きバッハがここにはあります。
細かい学問的考証などにとらわれることなく、自信を持って自分の信じるバッハの姿を歌い上げる事が出来た幸福な時代のバッハです。
そして、ベイヌムが信じたバッハの姿はこの上もなくノーブルで上品でした。そんなベイヌムを支えるコンセルトヘボウの響きの美しさも秀逸です。


マーラー:交響曲第1番 ニ長調「巨人」

ワルター指揮 コロンビア交響楽団 1961年1月14、21日&2月4、6日録音

ワルターは、この新しい時代を感じさせる響きを作り出す若者たち(きっと、このオケのメンバーの多くは若者だと思います・・・何の根拠もありませんが^^;)に、次第に深い愛着を感じていったのかもしれません。そして、最後は自らの「遺言」とも言うべき音楽への「思い」をこの若者たちに託したのではないでしょうか。
このミスマッチとも思える「老人と若者(だと思うのですが・・・)の出会い」が、言葉をかえれば、「ワルターの伝統的な美意識とオケの現在的な感覚との絶妙なる融合」によって、実に希有な音楽が出来上がりました。
そう言う希有な世界を楽しむのも、また楽しからずや・・・です。


J.S.バッハ:パルティータ 第6番 ホ短調 BWV830

(P)グレン・グールド:1957年7月29日&31日録音

グールドが残したバッハの鍵盤楽器の作品はどれも素晴らしいものですが、個人的には一連のパルティータ、とりわけ第6番の美しさにはこの上もない魅力を感じます。
いわゆる組曲でありながらもかなり自由な形式を持ったこのパルティータを、グールドはさらに新鮮な感覚で蘇らせています。その絶妙の呼吸と美しい響きこそがグールドならではの音楽を生み出しています。


ハイドン:交響曲第104番ニ長調「ロンドン」

オットー・クレンペラー指揮 ニュー・フィルハーモニア管弦楽団 1964年10月録音

時代様式を考えれば、これは「勘違い」以外の何ものでもないのかもしれません。しかし、ハイドンが、自らが書いた交響曲をクレンペラーという頑固爺の手によってまるでベートーベンのように再現されるのを聞けば、大いに気をよくして感謝の意を表したのではないかと想像するのです。
まあ、感謝はしなくても、少なくともニヤリとして腹をたてたりはしなかったはずです。





[2021-04-14]

チャイコフスキー:幻想序曲「ロメオとジュリエット」(第3稿)
ユージン・オーマンディ指揮 フィラデルフィア管弦楽団 1964年4月14日録音

[2021-04-13]

チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調, Op.35
(Vn)ヤッシャ・ハイフェッツ:ヴァルター・ジュスキント指揮 フィルハーモニア管弦楽団 1950年6月19日~20日録音

[2021-04-12]

ヘンデル:組曲第3番(第1巻) ニ短調 HWV 428
(P)エリック・ハイドシェック:1957年9月30日&10月1日~2日録音

[2021-04-11]

ベートーベン:ピアノ・ソナタ第5番 ハ短調 Op.10-1
(P)フリードリヒ・グルダ 1953年10月15日~16日録音

[2021-04-10]

モーツァルト:ピアノソナタ第13番 変ロ長調, K.333/315c
(P)ジュリアス・カッチェン 1954年9月27日^29日録音

[2021-04-09]

ラヴェル:組曲「ダフニスとクロエ」
ウィレム・ヴァン・オッテルロー指揮 ハーグ・レジデンティ管弦楽団 1953年5月4日~5日録音

[2021-04-08]

ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品61
(Vn)ゲオルク・クーレンカンプ:ハンス・シュミット=イッセルシュテット指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 1936年録音

[2021-04-07]

シューマン:チェロ協奏曲 イ短調 作品129
(Cello)レナード・ローズ レナード・バーンスタイン指揮 ニューヨーク・フィルハーモニック 1960年1960年10月24日録音

[2021-04-06]

モーツァルト:交響曲第41番ハ長調K.551「ジュピター」
アルトゥーロ・トスカニーニ指揮 NBC交響楽団 1945年6月22日&1946年3月11日録音

[2021-04-05]

バッハ:ブランデンブルク協奏曲第4番ト長調 BWV1049
シャルル・ミュンシュ指揮:ボストン交響楽団 (Vn)リチャード・バージン (Hl)ジェームズ・バッポートサキス&ドゥリオ・アントニー・ドワイヤー 1957年7月8日録音