クラシック音楽へのおさそい~Blue Sky Label~




Home|フィードラー(Arthur Fiedler)|ガーシュイン:パリのアメリカ人

ガーシュイン:パリのアメリカ人

フィードラー指揮 ボストン・ポップス・オーケストラ 1959年5月14日録音



Getshwin:パリのアメリカ人


管弦楽化:ジョージ・ガーシュイン!!

作曲家としての名声を確立したあともガーシュインは自分に専門的知識が乏しいことに劣等感も感じていました。そのためある時、ガーシュインは意を決してフランスに渡りラヴェルの門をたたきます。しかし、ガーシュインの才能を高く評価していたラヴェルは、「君はすでに一流のガーシュインなのだから、何も二流のラヴェルになる必要はない」といって励ましたのは有名なエピソードです。
そんなラヴェルの励ましもあったためか、ガーシュインは自分の力だけでオーケストラ曲の作曲に取りかかります。
ご存じのように、この作品の前に、すでに彼は「ラプソディ・イン・ブルー」を世に送り出しているのですが、オーケストレーションはグローフェが行っています。ですから、この「パリのアメリカ人」が完成したときはスコアに「作曲および管弦楽化:ジョージ・ガーシュイン」と書き込んでいたそうです。

音楽の方は聞いてみればすぐに分かるように、この作品はガーシュインなりのアメリカとヨーロッパの融合だったようです。
音楽の素材は彼の血肉とも言うべきジャズやブルースを使いながら、それらの料理法はヨーロッパの伝統的な和声法で仕上げてようとしたようです。
ですから、彼はこの作品に「パリ見物に来たアメリカ人の情景と感情」と書き込みながら、標題音楽ではないと説明していたそうです。そのあたりにも、彼のなかに巣くっていた悲しいまでの劣等感がかいま見られるようですが、音楽の方はそんな彼の思いとは関係なく20世紀を代表する「交響詩」といえる素晴らしさを持っています。


この作品のスタンダードとも言うべき録音

こちらの方も、バーンスタインとフィードラーの録音はスタンダードといえるでしょう。
そして、その音楽の作りは、ラプソディ・イン・ブルーの時と同じです。

もちろん、クラシックの指揮者でこれほどジャズ風のノリを表現できる人はそんなにいないと思いますが、それでもフィードラーと比べればバーンスタインははるかに行儀がよいです。もっとも、録音のクオリティが全く違いますから、それは割り引いて聞いてあげないとだめです。
ほんとに、この時代のリビングステレオのクオリティには舌を巻きます。もちろん、バーンスタインを録音したCBSの方も悪くはないのですが、リビングステレオの音と比べればその差は歴然です。
その辺も勘定に入れると、やはりこの作品はフィードラーで聞きたいかなと思ってしまいます。

この演奏を評価してください。

  1. よくないねー!(≧ヘ≦)ムス~>>>1~2
  2. いまいちだね。( ̄ー ̄)ニヤリ>>>3~4
  3. まあ。こんなもんでしょう。ハイヨ ( ^ - ^")/>>>5~6
  4. なかなかいいですねo(*^^*)oわくわく>>>7~8
  5. 最高、これぞ歴史的名演(ξ^∇^ξ) ホホホホホホホホホ>>>9~10



1499 Rating: 4.8/10 (139 votes cast)

  1. 件名は変更しないでください。
  2. お寄せいただいたご意見や感想は基本的に紹介させていただきますが、管理人の判断で紹介しないときもありますのでご理解ください
名前*
メールアドレス
件名
メッセージ*
サイト内での紹介

 

よせられたコメント

2013-03-06:ヨシ様





【リスニングルームの更新履歴】

【最近の更新(10件)】



[2025-07-24]

コダーイ: ガランタ舞曲(Zoltan Kodaly:Dances of Galanta)
ユージン・オーマンディ指揮 フィラデルフィア管弦楽団 1962年12月9日録音(Eugene Ormandy:Philadelphis Orchestra Recorded on December 9, 1962)

[2025-07-22]

エルガー:行進曲「威風堂々」第2番(Elgar:Pomp And Circumstance Marches, Op. 39 [No. 2 in A Minor])
サー・ジョン・バルビローリ指揮 ニュー・フィルハーモニア管弦楽団 1966年7月14日~16日録音(Sir John Barbirolli:New Philharmonia Orchestra Recorded on July 14-16, 1966)

[2025-07-20]

ショパン:ポロネーズ第6番 変イ長調, Op.53「英雄」(管弦楽編曲)(Chopin:Polonaize in A flat major "Heroique", Op.53)
ルネ・レイボヴィッツ指揮 ロンドン新交響楽団 1961年録音(Rene Leibowitz:New Symphony Orchestra Of London Recorded 1961)

[2025-07-18]

バッハ:トッカータとフーガ ニ短調 BWV.565(Bach:Toccata and Fugue in D Minor, BWV 565)
(Organ)マリー=クレール・アラン:1959年11月2日~4日録音(Marie-Claire Alain:Recorded November 2-4, 1959)

[2025-07-16]

ワーグナー:ローエングリン第3幕への前奏曲(Wagner:Lohengrin Act3 Prelude)
ユージン・オーマンディ指揮 フィラデルフィア管弦楽団 1959年12月30日録音(Eugene Ormandy:Philadelphis Orchestra Recorded on December 30, 1959)

[2025-07-15]

ワーグナー:「タンホイザー」序曲(Wagner:Tannhauser Overture)
ユージン・オーマンディ指揮 フィラデルフィア管弦楽団 1964年12月7日録音(Eugene Ormandy:Philadelphis Orchestra Recorded on December 7, 1964)

[2025-07-11]

ベートーベン:交響曲第6番 ヘ長調 作品68 「田園」(Beethoven:Symphony No.6 in F major, Op.68 "Pastoral")
ヨーゼフ・カイルベルト指揮 バンベルク交響楽団 1960年録音(Joseph Keilberth:Bamberg Symphony Recorded on 1960)

[2025-07-09]

エルガー:行進曲「威風堂々」第1番(Elgar:Pomp And Circumstance Marches, Op. 39 [No. 1 In D Major])
サー・ジョン・バルビローリ指揮 フィルハーモニア管弦楽団 1962年8月28日~29日録音(Sir John Barbirolli:Philharmonia Orchestra Recorded on August 28-29, 1962)

[2025-07-07]

バッハ:幻想曲とフーガ ハ短調 BWV.537(J.S.Bach:Fantasia and Fugue in C minor, BWV 537)
(organ)マリー=クレール・アラン:1961年12月10日~12日録音(Marie-Claire Alain:Recorded December 10-12, 1961)

[2025-07-04]

メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調, Op.64(Mendelssohn:Violin Concerto in E minor Op.64)
(Vn)ヨーゼフ・シゲティ:トーマス・ビーチャム指揮 ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団 1933年録音(Joseph Szigeti:(Con)Sir Thomas Beecham London Philharmonic Orchestra Recoreded on 1933)