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作曲家で選ぶ | MONTEVERDI
MONTEVERDI
<イタリア:1567〜1643>
経歴

1567年5月15日、理髪外科医の長男としてクレモナに生まれる。母を9才で失った彼は、インジェリーニというクレモナ聖堂の楽長から音楽教育を受け、15才の時にはすでに多くの作品を生み出すようになる。
89年にはミラノの大聖堂に職をもとめるも失敗し、翌90年、マントヴァの宮廷に弦楽器奏者として雇われる。
マントヴァでは本職の弦楽器奏者以外にマドリガーレの作曲も行ったようで、1592年にはマドリガーレ集第3巻を出版している。やがて、宮廷内でも指導的な役割を担うようななった彼は、主君に従ってオーストリアやハンガリーに遠征し、1601年、ついに宮廷の楽長へと昇進する。
そして1607年には最初のオペラ「オルフェア」が上演される。しかし、同年9月には妻が病死し、翌08年のオペラ「アリアンナ」の大成功にもかかわらずその打撃は癒えることなく、精神的、肉体的に疲れ切ったモンティヴェルディは一年以上にもわたってクレモナに戻ってしまう。12年には主君ヴェンチェンツォ一世が亡くなると跡を継いだ息子のフランチェスコによって解雇されてしまう。
しかし、1613年にはヴェネツィアのサン・マルコ大聖堂から合唱隊の立て直しを依頼されて楽長に就任する。彼はここでメンバーを質量ともに充実させるとともに、礼拝用の楽譜を買い集め、足りない部分は自ら作曲をしたりして短時日でかつての水準を取り戻した。
教会の仕事が安定すると、再びオペラとマドリガーレに取り組み、マドリガーレ集第6、7、8巻と出版し、オペラも各地の宮廷からの依頼で作曲を行った。
その後、皇帝軍によるマントヴァの略奪や、ヴェネツィアにおける疫病の流行など困難な時代が続くが、1637年、ヴェネツィアにおいて公開のオペラ劇場が開かれ、宮廷だけのものであったオペラがはじめて一般の市民の前に登場するようになった。
すでにモンティヴェルディは70才をこえていたが、この劇場のために4つのオペラを作曲したと言われている。現存するのは「ユリシーズの帰郷」と「ポッペアの戴冠」だけであるが、宮廷のために書かれた「オルフェア」などとは一線を画す、愛と権力への生々しい葛藤を描く作品に仕上がっている。
その後彼は生まれ故郷のクレモナとマントヴァを訪れた後、1643年11月29日にヴェネツィアで没する。
ユング君の一言
おそらく、モンティヴェルディは、今日も広く聞き続けられる作曲家の中ではもっとも古い時代の人物です。彼が没してすでに350年以上の月日が流れているのですが、それでも彼の作品は現在の私たちを強く感動させます。
ユング君がはじめて彼の作品に接したのは「聖母マリアの夕べの祈り」でした。ずいぶんと規模の大きな作品で、あまり馴染みのない名前だったので、購入するときは少しためらいもあったのですが、針をおろして最初の音が鳴り出すやいなや、耳は釘付けになり一気に最後まで聞き通してしまいました。
「この世の中にこんなにも美しい音楽があったのか」というのが率直な感想で、その瞬間からユング君の中でモンティヴェルディというのは無くてはならない存在となりました。
その後彼の膨大なマドリガーレの一端にも触れるようになると、次のような彼の言葉の重みに気づかされました。
ドリガーレ集第5巻の序文に彼はこのように書いています。
「言葉は音楽の主人であって召使いではない」
人間の声の美しさ、そこで歌われる言葉の響きの美しさ、そしてそこに寄り添う過不足のない楽器の響き、それらが一体となってモンティヴェルディの世界が築かれます。この事を忘れて、分厚い楽器の響きで人間の声が背景に押しやられているような演奏を聞くとがっくりときます。そして、こういう透明感に満ちた響きはその後の時代には失われていくものだけに、彼の存在はいつまでも貴重だといえます。
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