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ROSSINI

<イタリア:1792〜1868>

経歴


1792年2月29日(そう、とっても珍しい誕生日です。彼はまだ52才です)、ペーザロに生まれる。
 1802年に一家はルーゴの町に移り、ロッシーニはここで専門的な音楽教育を受ける。その後ボローニャに移り住んでさらに勉学を続け、14才で歌手として楽友教会への入会を認められる。
 1809年にははじめてのオペラを作曲し、翌10年にはヴェネティアの劇場からの委嘱で一幕物のオペラ・ブッファを作曲して劇場の世界に登場する。
 1812年にはミラノ・スカラ座でも成功をおさめ、その後はイタリア各地の劇場で次々とオペラを上演する。
 そして、1816年、ローマのアルジェンティーナ劇場で「セビリャの理髪師」を成功させてその名声を不動のものとする。

 1824年にはパリに移り住んで歌劇場の指揮活動を行い、いくつかのフランス語によるオペラを作曲するが、それ以後は新しいオペラの作曲は行わず、また1836年には歌劇場の活動からも身を引きボローニャに帰る。
 その後は音楽学校の顧問なども行ったが目立った音楽活動は行わず、1855年には再びパリに移り住んで、1868年11月13日、パリ近郊のパシにある別荘で恵まれた一生を終える。

ユング君の一言


こういう人を人生の達人というのでしょうか。
 人生の前半は売れっ子のオペラ作曲家としてばりばり働き、十分に稼いだあとはそんな名声などには何の未練も残さずにあっさりと足を洗って悠々自適の人生を送りました。
 あまりご存知ない方もおられると思いますが、ロッシーニは音楽界でも有名人ですが、料理の世界でも大変な有名人で、オペラの世界から足を洗ったロッシーニがその後半生をかけた道楽が料理でした。
 聞くところによると、ロッシーニの名を冠した料理もあるそうですから、ロッシーニにとって料理は片手間の余技などではなく、音楽と同じほどに重要性をもった対象であったようです。
 音楽家としてこういう人生を送った人はちょっと他には思い当たりません。

 その理由として当然料理への愛好もあったでしょうが、それ以外に彼の音楽のあり方が次第に時代とあわなくなってきたことも重要な一因ではなかったかと考えます。
 ロッシーニが生きた時代はロマン派の時代ですが、彼の音楽は基本的には古典派的なものです。
 例えば、一連のオペラ序曲に聞くことが出来る「この上もなく明るく弾むような音楽」はロマン派的なものとはあまりにもかけ離れているように思います。いかがなものでしょうか?(^^)
 もしそのような「自分の本質」と「時代の流れ」を冷静に見きってこのような選択をしたのなら、実にもう大したものです。
 そして、数は少ないですがいくつかの宗教音楽に聞くことの出来る深い祈りに接すると、決してエンターテーメントだけの人でなかったことも明らかです。
 いろんな意味で、それこそ人生の達人と言わなければなりません。

【リスニングルームの更新履歴】

【最近の更新(10件)】



[2024-11-21]

ショパン:ピアノ協奏曲 第1番 ホ短調, Op.11(Chopin:Piano Concerto No.1, Op.11)
(P)エドワード・キレニ:ディミトリ・ミトロプーロス指揮 ミネアポリス交響楽団 1941年12月6日録音((P)Edword Kilenyi:(Con)Dimitris Mitropoulos Minneapolis Symphony Orchestra Recorded on December 6, 1941)

[2024-11-19]

ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.77(Brahms:Violin Concerto in D major. Op.77)
(Vn)ジネット・ヌヴー:イサイ・ドヴローウェン指揮 フィルハーモニア管弦楽 1946年録音(Ginette Neveu:(Con)Issay Dobrowen Philharmonia Orchestra Recorded on 1946)

[2024-11-17]

フランク:ヴァイオリンソナタ イ長調(Franck:Sonata for Violin and Piano in A major)
(Vn)ミッシャ・エルマン:(P)ジョセフ・シーガー 1955年録音(Mischa Elman:Joseph Seger Recorded on 1955)

[2024-11-15]

モーツァルト:弦楽四重奏曲第17番「狩」 変ロ長調 K.458(Mozart:String Quartet No.17 in B-flat major, K.458 "Hunt")
パスカル弦楽四重奏団:1952年録音(Pascal String Quartet:Recorded on 1952)

[2024-11-13]

ショパン:「華麗なる大円舞曲」 変ホ長調, Op.18&3つの華麗なるワルツ(第2番~第4番.Op.34(Chopin:Waltzes No.1 In E-Flat, Op.18&Waltzes, Op.34)
(P)ギオマール・ノヴァエス:1953年発行(Guiomar Novaes:Published in 1953)

[2024-11-11]

ドヴォルザーク:ヴァイオリン協奏曲 イ短調, Op.53(Dvorak:Violin Concerto in A minor, Op.53)
(Vn)アイザック・スターン:ディミトリ・ミトロプーロス指揮 ニューヨーク・フィルハーモニー交響楽団 1951年3月4日録音(Isaac Stern:(Con)Dimitris Mitropoulos The New York Philharmonic Orchestra Recorded on March 4, 1951)

[2024-11-09]

ワーグナー:「神々の黄昏」夜明けとジークフリートの旅立ち&ジークフリートの葬送(Wagner:Dawn And Siegfried's Rhine Journey&Siegfried's Funeral Music From "Die Gotterdammerung")
アルトゥール・ロジンスキー指揮 ロイヤル・フィルハーモニ管弦楽団 1955年4月録音(Artur Rodzinski:Royal Philharmonic Orchestra Recorded on April, 1955)

[2024-11-07]

ベートーベン:ピアノ協奏曲第4番 ト長調 作品58(Beethoven:Piano Concerto No.4, Op.58)
(P)クララ・ハスキル:カルロ・ゼッキ指揮 ロンドン・フィルハーモニック管弦楽団 1947年6月録音(Clara Haskil:(Con)Carlo Zecchi London Philharmonic Orchestra Recorded om June, 1947)

[2024-11-04]

ブラームス:交響曲第3番 ヘ長調, Op.90(Brahms:Symphony No.3 in F major, Op.90)
アルトゥーロ・トスカニーニ指揮 フィルハーモニア管弦楽団 1952年9月29日&10月1日録音(Arturo Toscanini:The Philharmonia Orchestra Recorded on September 29&October 1, 1952)

[2024-11-01]

ハイドン:弦楽四重奏曲 変ホ長調「冗談」, Op.33, No.2,Hob.3:38(Haydn:String Quartet No.30 in E flat major "Joke", Op.33, No.2, Hob.3:38)
プロ・アルテ弦楽四重奏団:1933年12月11日録音(Pro Arte String Quartet]Recorded on December 11, 1933)