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シューベルト

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経歴


1797年1月31日、ウィーンに生まれる。小学校長をしていた父親は幼いときから彼に教育をほどこしていたために成績はいつも優秀で、音楽だけでなく一般教養でも優れた才能を発揮した。
 1808年、ウィーン宮廷少年団の試験に合格して寄宿学校に(コンヴィクト)に入学する。この学校は皇帝から奨学金が出ているために無償であり、ここから一般のギムナジウムにも通うことが出来た。また、このコンヴィクトは合唱団のメンバー以外にも私費で通う大学生などもいたために、シューベルトはここで多くのよき友人に恵まれる。
 またこの学校の管弦楽団は優秀であったが、入学してすぐに第1ヴァイオリンのトップを受け持ち、時には指揮を任されることもあった。作曲活動もこのころから行うようになり、終生の友人となったシュパウンは彼のために五線紙を工面するようになる。
 変声期を迎えてコンヴィクトを去ったシューベルトは父親の希望で教員養成学校に通い、1814年、小学校の助教員となる。この時期に最初の傑作となる「糸を紡ぐグレートヘン」を作曲していた彼は、次々とすぐれた歌曲を生み出す。
 特に有名な「魔王」や「野ばら」はこの時期の作品であり、いくつかの交響曲やミサ曲、弦楽四重奏曲なども生み出されていた。
 1817年には当時すでに49才であった有名な宮廷歌手フォーゲルと知り合う。後に彼を通して多くのよき友人と出会うようにもなり、また近年翌演奏される多くのピアノソナタが作曲された年でもあり、シューベルトの人生においても特筆に値する年となる。
 1818年、教職を去った彼は(一年の休暇だったらしいがその後再び教職には戻らなかった)エステルハージ伯爵の二人の娘の音楽教師としてツェレスに向かう。また、先年知り合ったフォーゲルの伴奏者として各地で演奏会を行うようにもなる。
 この頃から、シューベルティアーゼとよばれる友人たちの集まりがしばしば開かれるようになり、その間彼は多くの友人たちの許に同居して生活するようになる。
 しかし、1822年にはそれまで同居していたショーバーの許を離れて父の家に帰る。この時期に美しき水車小屋の娘やロ短調交響曲(未完成)が生み出されている。
 1824年、一時害していた健康がかなり回復したために再びエステルハージ伯爵の招きでツェレスに向かう。
 1827年、ベートーベンが亡くなったときは墓地に向かう36人の松明保持者の一人として遺骸を見送る。
 同年、冬の旅を作曲したが、その暗さに友人たち一同は驚きの声を上げる。翌年3月、シューベルトの作品のみの公開演奏会がはじめて行われ、最後の3つのピアノソナタなどの傑作が生まれる。
 9月からは兄と同居するようになるが、11月19日、生まれ育ったウィーンにおいてわずか31年の生涯を閉じる。死因については諸説があるが、一般的にはチフスだったと言われている。

ユング君の一言


これほど友人に恵まれた人も珍しいのではないでしょうか。
 定職を持たなかった彼を居候させ、シューベルティアーゼとよばれる私的な集まりで彼の作品を演奏して、彼の創作活動を励まし続けたのは多くの友人たちでした。
 おそらく彼らなしにはシューベルトという音楽家は存在しえなかったでしょう。

 ただ、残念に思うのはあまりにも早かった彼の死です。夭逝の作曲家としてはモーツァルトが代名詞みたいな存在ですが、シューベルトはそれよりもうんと若い31才でその生涯を閉じています。
 そして、さらに残念に思うのは、プロの作曲家としていよいよ本格的に活動を開始しようというときに亡くなってしまったことです。
 もちろん、その短い生涯に生み出された膨大な作品は素晴らしいものですが、形態としてはアマチュアとしての活動の域を出ないものでした。作品も友人たちの集まりで演奏されることを前提としたものが多かっただけに歌曲や室内楽が多数を占めています。
 シューベルトを歌曲のみの作曲家ととらえる誤解もこんなところから生まれてきました。

 しかし、彼自身はプロの作曲家として交響曲やオペラの作曲に情熱を燃やしていました。
 そんな彼にとって最後の交響曲となったハ長調のシンフォニーは、いよいよプロとして本格的に活動していこうという意欲に満ちあふれたものでした。それまでにもロ短調の交響曲など本当にすぐれた作品を生みだしていましたが、彼自身はそれらは習作の域を出ないものと考えていたようです。
 もし、せめて10年の時間の余裕が与えられていたならば、私たちはどれほどのすぐれた作品を享受できたことでしょう。こんな事は考えても詮無きことなのは分かっているのですが、思わずそう言う「IF」を考えてみたくなるほどのおしみてあまりあるシューベルトの夭逝です。

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