AmazonでCDをさがすAmazonでオーマンディ(Eugene Ormandy)のCDをさがす
Home|
オーマンディ(Eugene Ormandy)|ビゼー:「カルメン」組曲第2番
ビゼー:「カルメン」組曲第2番
ユージン・オーマンディ指揮 フィラデルフィア管弦楽団 1958年1月26日録音
Bize:Carmen Suite No.2 [1.Marche Des Contrebandiers]
Bize:Carmen Suite No.2 [2.Habanera]
Bize:Carmen Suite No.2 [3.Nocturne (Micaela's Aria)]
Bize:Carmen Suite No.2 [4.La Garde Montante (Children's Chorus)]
Bize:Carmen Suite No.2 [5.Danse Boheme (Gipsy Song)]
ホフマン版カルメン組曲
カルメン組曲は、ビゼー自身が選曲をしたのではなく、ホフマンによって構成されたものです。
一般的には以下のような構成になっていて、厳密には「ホフマン版組曲」と呼ばれるものです。
第1組曲:前奏曲と間奏曲を中心に構成される。
- 前奏曲
- アラゴネーズ (第1幕への前奏曲の後半部分、第4幕への間奏曲)
- 間奏曲 (第3幕への間奏曲)
- セギディーリャ
- アルカラの竜騎兵 (第2幕への間奏曲)
- 終曲(闘牛士) (第1幕への前奏曲の前半部分)
第2組曲:アリアや合唱入りの曲をオーケストラ用に編曲した6曲で構成される。
- 密輸入者の行進
- ハバネラ
- 夜想曲 (ミカエラのアリア)
- 闘牛士の歌
- 衛兵の交代(子どもたちの合唱)
- ジプシーの踊り
しかしながら、この組曲はビゼー自身の手になるものではないと言うこともあって、この形のままで演奏されることは滅多にないようです。
指揮者によって、その順番が変えられたり幾つかの曲が削除されるのが一般的です。
音楽の楽しさと美しさにひたらせてくれる
最近の事ですが、何人かの方々と話し合う機会があり、その時に「名曲喫茶」のことが話題になりました。話題を提供されたのはかなりの年配の方なのですが、大学時代を京都で過ごされた方で、学生の街と言うことで幾つか有名な「名曲喫茶」があって、京大御用達とか同志社御用達みたいな雰囲気で棲み分けていたそうです。
その方の話によると、京大御用達の店のメインはバッハやベートーベンで、同志社御用達の店ではチャイコフスキーなどが人気があったそうです。
ただし、両者には共通点があって、どちらも雑談をしながら音楽を聞くなどと言うのは御法度で、誰もが無言で姿勢を正して音楽に聴き入ることが当然の約束事だったそうです。そして、何人かの年配の方も「そうそう、あの雰囲気は今から思えば懐かしいけれど、今から思えばちょっと滑稽ですよね」などと語っていました。
レコードが貴重品で、個人で購うには二の足を踏むような時代にあっては、クラシック音楽に身近にふれる場として「名曲喫茶」は貴重な存在だったようです。
しかし、そう言う名曲喫茶では人生の苦悩を全て引き受けたような佇まいで目を瞑って聞き入る学生が多くいたようで、おそらくはそう言う土壌がこの国におけるクラシック音画の受容のあり方に少なからず影響を与えたことは間違いないようです、
つまりは、クラシック音楽というのは楽しむものではなくて人間の奥深い精神性を高めるためのものだという受容のされ方です。
もちろん、それもまたクラシック音楽が持つ美点の一つであることは否定しませんが、その呪縛から抜け出すのは容易ではなかったようです。
言うまでもなく、クラシック音楽といえどもそれは音楽なのですから、まずは聞いて楽しめるエンターテイメント性が大前提です。修行のために音楽を聞きに行くわけではないのですから、まずは聞いて楽しいと言うことが必須条件であるはずです。
しかし、どうしても「聞いて楽しい」だけでは音楽に深みがないとか、精神性が足りないなどと言って、そう言うエンターテイメント性を前面に押し出す音楽家は一段も二段も低く評価されてきました。
おそらく、通のクラシック音楽ファンからオーマンディやカラヤンが低く見られてきた背景にはそういう事情があったことは否定出来ません。
しかし、音楽を楽しく、そして美しく聞かせるというのは意外と難しくて、高いスキルが必要だということに人は次第に気づいていきます。手兵のオケを極限まで鍛え上げることで作りあげたベルリンやフィラデルフィアの響きはそう容易く実現できるような代物ではなかったのです。
実は、このビゼーの作品をロジンスキーの録音後にこのオーマンディの指揮で聞いたのですが、やはりビゼーはこうでなくっちゃいけないよねと思ってしまいます。
どっぷりと音楽の楽しさと美しさにひたらせてくれるオーマンディのような存在はもう一度見直されるべきではないかと痛感した次第です。
なお、オーマンディは以下のような構成で組曲としています。
「カルメン」組曲 第1番
- 「カルメン」組曲 第1番 前奏曲
- 「カルメン」組曲 第1番 アンダンテ・モデラート
- 「カルメン」組曲 第1番 アラゴネーズ
- 「カルメン」組曲 第1番 間奏曲
- 「カルメン」組曲 第1番 アルカラの竜騎兵
「カルメン」組曲 第2番
- 「カルメン」組曲 第2番 密輸入者の行進
- 「カルメン」組曲 第2番 ハバネラ
- 「カルメン」組曲 第2番 ノクターン
- 「カルメン」組曲 第2番 衛兵の交代
- 「カルメン」組曲 第2番 ジプシーの踊り
この演奏を評価してください。
- よくないねー!(≧ヘ≦)ムス~>>>1~2
- いまいちだね。( ̄ー ̄)ニヤリ>>>3~4
- まあ。こんなもんでしょう。ハイヨ ( ^ - ^")/>>>5~6
- なかなかいいですねo(*^^*)oわくわく>>>7~8
- 最高、これぞ歴史的名演(ξ^∇^ξ) ホホホホホホホホホ>>>9~10
5204 Rating: 6.2/10 (66 votes cast)
よせられたコメント
【最近の更新(10件)】
[2024-04-18]
エルガー:チェロ協奏曲 ホ短調, Op.85(Elgar:Cello Concerto in E minor, Op.38)
(Cello)アンドレ・ナヴァラ:サー・ジョン・バルビローリ指揮 ハレ管弦楽団 1957年録音(Andre Navarra:(Con)Sir John Barbirolli:Halle Orchestra Recorded on 1957)
[2024-04-16]
フランク:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ イ長調(Franck:Sonata for Violin and Piano in A major)
(P)ロベール・カサドシュ:(Vn)ジノ・フランチェスカッティ 1947年5月7日録音(Robert Casadesus:(Vn)Zino Francescatti Recorded on May 7, 1947)
[2024-04-14]
ベートーヴェン:序曲「コリオラン」, Op.62(Beethoven:Coriolan, Op.62)
アルトゥーロ・トスカニーニ指揮 NBC交響楽団 1945年6月1日録音(Arturo Toscanini:NBC Symphony Orchestra Recorded on June 1, 1945)
[2024-04-12]
モーツァルト:弦楽四重奏曲 第3番 ト長調 K.156/134b(Mozart:String Quartet No. 3 in G Major, K. 156)
パスカル弦楽四重奏団:1952年録音(Pascal String Quartet:Recorded on 1952)
[2024-04-10]
ハイドン:弦楽四重奏曲第1番 変ロ長調「狩」,Op. 1, No. 1, Hob.III:1(Haydn:String Quartet No.1 in B-Flat Major, Op. 1, No.1, Hob.3:1, "La chasse" )
プロ・アルテ弦楽四重奏団:1938年6月5日録音(Pro Arte String Quartet:Recorded on June 5, 1938)
[2024-04-08]
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 作品18(Rachmaninov:Piano Concerto No.2 in C minor, Op.18)
(P)ジェルジ・シャーンドル:アルトゥール・ロジンスキ指揮 ニューヨーク・フィルハーモニック 1946年1月2日録音(Gyorgy Sandor:(Con)Artur Rodzinski New York Philharmonic Recorded on January 2, 1946)
[2024-04-06]
シベリウス:交響的幻想曲「ポヒョラの娘」(Sibelius:Pohjola's Daughter - Symphonic Fantasy Op.49)
カレル・アンチェル指揮:チェコ・フィルハーモニー管弦楽団 1962年6月7日~8日録音(Karel Ancerl:The Czech Philharmonic Orchestra Recorded on June 7-8, 1962)
[2024-04-04]
ベートーヴェン:ロマンス 第2番 ヘ長調, Op.50(Beethoven:Romance for Violin and Orchestra No.2 in F major, Op.50)
(Vn)ジノ・フランチェスカッティ:ジャン・モレル指揮 コロンビア交響楽団 1952年4月23日録音(Zino Francescatti:(Con)Jean Morel Columbia Symphony Orchestra Recorded on April 23, 1952)
[2024-04-02]
バルトーク:弦楽四重奏曲第6番, Sz.114(Bartok:String Quartet No.6, Sz.114)
ヴェーグ弦楽四重奏団:1954年7月録音(Quatuor Vegh:Recorded on July, 1954)
[2024-03-31]
ベートーヴェン:ロマンス 第1番 ト長調, Op.40(Beethoven:Romance for Violin and Orchestra No.1 in G major, Op.40)
(Vn)ジノ・フランチェスカッティ:ジャン・モレル指揮 コロンビア交響楽団 1952年4月23日録音(Zino Francescatti:(Con)Jean Morel Columbia Symphony Orchestra Recorded on April 23, 1952)