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クレメンス・クラウス(Clemens Krauss)|J.シュトラウス:ワルツ集(52年録音)
J.シュトラウス:ワルツ集(52年録音)
クレメンス・クラウス指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 1952年1月録音
J_Strauss:ワルツ「我が人生は愛と喜び」 Op.263
J_Strauss:ポルカ・マズルカ「赤とんぼ」 Op.204
J_Strauss:ポルカ 「騎手」 O
J_Strauss:「ウィーンの森の物
J_Strauss:こうもり序曲
J_Strauss:ポルカ「クラップフェンの森で」 Op.336
J_Strauss:ポルカ「ハンガリー万歳!」 Op.332
J_Strauss:ピチカートポルカ
J_Strauss:「エジプト行進曲」
J_Strauss:ポルカ「観光列車」
社交の音楽から芸術作品へ

父は音楽家のヨハン・シュトラウスで、音楽家の厳しさを知る彼は、息子が音楽家になることを強く反対したことは有名なエピソードです。そして、そんなシュトラウスにこっそりと音楽の勉強が出来るように手助けをしたのが母のアンナだと言われています。後年、彼が作曲したアンネンポルカはそんな母に対する感謝と愛情の表れでした。
やがて、父も彼が音楽家となることを渋々認めるのですが、彼が1844年からは15人からなる自らの楽団を組織して好評を博するようになると父の楽団と競合するようになり再び不和となります。しかし、それも46年には和解し、さらに49年の父の死後は二つの楽団を合併させてヨーロッパ各地へ演奏活動を展開するようになる。
彼の膨大なワルツやポルカはその様な演奏活動の中で生み出されたものでした。そんな彼におくられた称号が「ワルツ王」です。
たんなる社交場の音楽にしかすぎなかったワルツを、素晴らしい表現力を兼ね備えた音楽へと成長させた功績は偉大なものがあります。
ウィーンフィルのニューイヤーコンサート
今さら何の説明も必要がないほどに有名なコンサートです。このコンサートが初めて行われたのは、オーストリアという国がドイツに併合されて世界地図から消えた翌年の1939年の大晦日ことでした。そう、実はニューイヤーコンサートはジルヴェスターコンサートとしてスタートしたのです。そのコンサートもただ単に「特別コンサート」と名付けられただけのものでしたが、シュトラウス一家の作品だけで構成されるコンサートは、母国オーストリアへの思いをひそかに表現したものでした。
このコンサートを指揮したのが、クレメンス・クラウスで、彼はその後もこのコンサートを降り続けることになります。第2回のコンサートが1941年に行われて、初めてニューイヤーコンサートがニューイヤーに行われるようになるのですが、それでも名称は「ヨハン・シュトラウス・コンサート」であり続けました。戦争中の困難な時期もこの特別なコンサートは行われ続け、その指揮はクレメンス・クラウスが担当し続けました。
そして、戦争が終わると、クレメンス・クラウスはナチスへの協力が疑われて音楽活動が禁止されます。そのため、1946年と47年のコンサートはクリップスが変わりに指揮を行うことになり、この46年からこのコンサートは「ニューイヤーコンサート」と呼ばれるようになります。そして、48年からは2年間の指揮活動禁止の措置が解除されて、再びクレメンス・クラウスが指揮台に立つことになります。
クレメンス・クラウスはその後亡くなる1954年までニューイヤーコンサートを指揮し続け、今や世界でもっとも有名なコンサートといえる「ニューイヤーコンサート」の礎を築くことになります。
そのため、クレメンス・クラウス=ニューイヤーコンサートというイメージがあるのですが、彼がもっとも得意ととしたのはR.シュトラウスでした。特に、「サロメ」や「バラの騎士」などは今もその録音は多くの人に愛されていますし、彼の美質がもっともよくあらわれています。しかし、いわゆる「ウィーン風」と評される演奏を存分に堪能できるのは間違いなく彼の手になるシュトラウスファミリーの作品です。あの有名な上品で軽やかなワルツのリズムだけでなく、どこか野外での音楽会を思わせるような活きの良さも魅力的です。
なお、ここで紹介している録音はニューイヤーコンサートのものではなくて、その後スタジオで録音されたものです。しかし、その音楽からただよう雰囲気は疑いもなくニューイヤーコンサートを思わせる寛いだ雰囲気の中に華やぎのある素晴らしいものです。
J_Strauss:ワルツ「我が人生は愛と喜び」 Op.263
J_Strauss:ポルカ・マズルカ「赤とんぼ」 Op.204
J_Strauss:ポルカ 「騎手」 Op.278
J_Strauss:「ウィーンの森の物語」 Op.325
J_Strauss:こうもり序曲
J_Strauss:ポルカ「クラップフェンの森で」 Op.336
J_Strauss:ポルカ「ハンガリー万歳!」 Op.332
J_Strauss:ピチカートポルカ
J_Strauss:「エジプト行進曲」 Op.335
J_Strauss:ポルカ「観光列車」 Op.281
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よせられたコメント
2020-07-29:joshua
- 見つけました!
おそらくこのサイトで唯一のポルカ・マズルカ「とんぼ」、
オトマール・ズイトナーもこれを得意としてましたね。それに、最近もラジオから、そう「音楽の泉」です。4月に最終回を終えてそれに合わせたかのように皆川達夫さん93歳の遷化でした。日曜8時になると、NHK第1にラジオを合わせてしまう私です。解説者は変わりましたがね。つい3日前でしたが、カルロスクライバーがNYコンサート1989年だったか、ベルリンの壁崩壊も知らずに弾いて吹いてた演奏です。「とんぼ」が聞こえてきました。短い曲だけど、こんなにトンボという生き物を見事に音で克明に表現した例は無いんじゃないでしょうか。還暦そこそこにメキシコで客死したクレメンス・クラウスの演奏で、再び「トンボ」です。いかにも貴族然とした風貌のクラウス。そうかと思うと、ライナー60年録音のシュトラウスがいまアップしていただいてますが、怖い顔ですね。それで、晩年のN響やシュタツカペレを振る何とも困惑に満ちたズイトナーの顔を思い出しました。ズイトナーはその息子が製作したドキュメンタリーで、東西ドイツに一人ずつ奥さんと3人で語らう場面が何とも印象的でした。そんなエピソードもズイトナーが「とんぼ」のテンポを上手に操るのと重なってきて、人間の不思議な可笑しさを思ってしましました。ライナーだって、先鋭な曲ばかりじゃなく、61年の心臓発作後の指揮台復帰はベートーヴェンの「田園」だったんですねえ。生国ハンガリー=ドナウの中流に思いを馳せるワルツも近い思いだったんじゃないでしょうか。前年ではありますが。ハイドンが最終録音だったのも、ハンガリーのエステルハージ大地主に仕えたハイドンだったからでしょうかね。アメリカのオケの手綱を締めながら、こころは故郷を駆け巡ってた、ということでしょうか。
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