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Home|ケンペ(Rudolf Kempe)|メンデルスゾーン:交響曲第3番 イ短調 作品56 「スコットランド」

メンデルスゾーン:交響曲第3番 イ短調 作品56 「スコットランド」

ルドルフ・ケンペ指揮 ドレスデン国立歌劇場管弦楽団 1952年7月15日録



Mendelssohn:交響曲第3番「スコットランド」 第1楽章

Mendelssohn:交響曲第3番「スコットランド」 第2楽章

Mendelssohn:交響曲第3番「スコットランド」 第3楽章

Mendelssohn:交響曲第3番「スコットランド」 第4楽章


標題をつけるのが好きだったみたいです(^^)

3番には「スコットランド」、4番には「イタリア」と副題がついています。
 あまりポピュラーではありませんが、5番には「宗教改革」、2番にも「賛歌」と言う副題がついています。

 そして、絶対音楽の象徴みたいに言われるシンフォニーですが、何故か副題がついている方が人気がでます。
 もちろん、シンフォニーでなくても、副題がついている方がうんと人気がでます。もっとも、その副題も作曲者自身がつけたものもあれば、あとの時代で別人が勝手につけたものもあります。
 中には、人気曲なのに名無しでは可哀想だと思ったのか、全く訳の分からない副題がついているものもあります。

 あまりひどいものは次第に使われなくなって消えていくようですが、それなりに的を射ているものは結構通用しています。

 そう言えば、すてきなメロディーを耳にしたときに、「この曲なんて言うの?」なんて聞かれることがよくあります。(よくあるわけないよな(^^;、時々あるほどでもないけれど、でも、たまーにこういう状況があることはあります。)
 そんなときに知ったかぶりをして、「あーっ、これはね『ロッシーニの弦楽のためのソナタ』 第1番から第2楽章ですよ、いい曲でしょう!」等と答えようものなら、せっかくの和んだ空気が一瞬にして硬直していくのが分かります。

 ああ、つまらぬ事を言うんじゃなかったと思っても、後の祭りです。
 でも、そんなときでも、その作品にしゃれた副題がついていると状況は一変します。

 「あーっ、これはねショパンの革命ですよ。祖国を失った悲しみと怒りをピアノにたたきつけたんですね、ふふふっ!」と言えば、実にかっこいいのである。
 ところが、全く同じ事を言っているのに、「あーっ、これはねショパンのエチュードから第12番ハ短調、作品番号10の12です、祖国を失った悲しみと怒りをピアノにたたきつけたんですね、ふふふっ!」と答えれば、これは馬鹿である。

 クラシック愛好家がこのような現実をいかに理不尽であると怒っても、それは受け入れざるを得ない現実です。
 流行歌の世界でも、「ウタダの待望の新作「作品番号12の3 変ホ長調!」なんていった日には売れるものも売れなくなります。
もっともっと素敵な標題をみんなでつけましょう(^^)
そして、クラシック音楽にいささかいかがわしい副題がついていても目くじらをたてるのはやめましょう。
 中には、そう言うことは音楽の絶対性を損なうといって「僕は許せない!」と言うピューリタン的禁欲主義者のかたもおられるでしょうが、そう言う方は「クラシック音楽修道院」にでも入って世俗との交流を絶たれればすむ話です。
 いや、私たちは逆にどんどんすてきな副題をつけるべきかもしれません。

 だって、今流れているこの音楽にしても、メンデルスゾーンの「交響曲第3番 イ短調 作品番号56」、と言うよりは、メンデルスゾーンの「スコットランド」と言う方がずっと素敵だと思いませんか。
 それにしても、メンデルスゾーンは偉い、1番をのぞけば全て副題をつけています。有名なヴァイオリンコンチェルトも今では「メンコン」で通じますから大したもです。(うーん、でもこれが通じるのは一部の人間だけか、それに付け方があまりにも安直だ、チャイコン、ブラコンあたりまでは許せても、ベトコンとなると誤解が生じる。)
 ピアノ曲集「無言歌」のネーミングなんかも立派なものです。
 「夢」「別れ」「エレジー」あたりは月並みですが、「「眠れぬ夜に」「安らぎもなく」、「失われた幸福」と「失われた幻影」に「眠れぬままに」「朝の歌」と来れば、立派なものだと思いませんか。


ケンペ、40歳過ぎの演奏です。

実に優雅にして堂々たるシンフォニーに仕上がっています。晩年のケンペと言えば、ドレスデンのオケの音色もあって、「燻銀」というイメージが定着しています。
とりわけ晩年(と言っても、彼は65歳で亡くなったのですが・・・)に手兵とも言うべきドレスデンのオケと録音したR.シュトラウスの管弦楽曲集やミュンヘンフィルとのベートーベンの交響曲全集などは、まさにドイツ音楽の正統なる継承者としてのイメージを確固たるものにしています。

そのイメージからすると、この演奏は実に優美です。これほどまでにゆったりと、そして堂々たるテンポで演奏されたスコットランドはクレンペラー盤以外には思いつきません。あのクレンペラーの演奏はその結実として仰ぎ見るような巨大な構築物を作り上げたのですが、このケンペの演奏はどこまでもたおやかです。
ケンペ、40歳過ぎの演奏です。

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2008-06-04:クラ☆おた





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