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Home|アルトゥル・シュナーベル(Artur Schnabel)|ベートーベン:ピアノソナタ第29番「ハンマークラヴィーア」

ベートーベン:ピアノソナタ第29番「ハンマークラヴィーア」

シュナーベル 1935年11月3&4日録音



Beethoven:ピアノソナタ第29番「第1楽章」

Beethoven:ピアノソナタ第29番「第2楽章」

Beethoven:ピアノソナタ第29番「第3楽章」

Beethoven:ピアノソナタ第29番「第4楽章」


後期の頂点へと駆け上がっていく作品

後にも先にも、これほども巨大なソナタを書くことはありませんでした。その意味では、ピアノソナタの最高傑作と言うよりは「異形の作品」というイメージの方が強いようです。

特に、作品57の熱情ソナタ以降は、どちらかと言えばこぢんまりとしたソナタを書いてきただけに、突然に表れたこの作品の異形ぶりは際だちます。

そして驚くべきは、この作品は生活面において大変な困難を抱えている時期に作曲されたと言うことです。
当時のベートーベンは、思うように作曲の筆が進まずに売るべき新作もなく、またナポレオン戦争とその後の混乱の中でパトロンからの支援も途絶えていました。
そのために、新作ができるたびにあちこちにそれを売り込んでいます。
この異形のソナタもそのようにして売り込まれた一つでした。

ベートーベンは手紙の中で次のように述べています。
「もし、このソナタがロンドンに向かないとしたら、別のをお送り出来るとよいのですが、或いは終楽章でラルゴは外して、フーガのところから直ぐ始めてもよろしい。
 または、第一楽章、次がアダジオ、その後に第三楽章としてスケルツォ、そして第四楽章のラルゴとアレグロ・リゾルート(フーガ)を含めて全体的にカットしてしまう、というのでも良いのです。それとも、まず第一楽章で、その次にスケルツォが来る、というだけで良い。2楽章で全ソナタを形付けるのです。
 このソナタは押しつめられた状況下で書かれました。」

ベートーベンは生活のためにこの偉大なソナタの切り売りさえ辞さなかったのです。
しかし、このソナタを生み出すことによって彼は一つの壁をうち破ったことは事実です。そして、堰を切ったように後期の傑作群をこれに続くように生み出されていきます。

まさに、後期の頂点へと駆け上がっていくきっかけとなった作品であることは間違いありません。


ピアノソナタ29番「ハンマークラヴィーア」 Op.106 変ロ長調

第1楽章
 アレグロ 変ロ長調 2分の2拍子 ソナタ形式
第2楽章
 アッサイ・ヴィヴァーチェ 変ロ長調 4分の3拍子 スケルツォ
第3楽章
アダージョ・ソステヌート 嬰ヘ単調 8分の6拍子 ソナタ形式
おそらくはピアノ音楽というジャンルにおいてもっとも人の心を打つ音楽の一つです。ウイルヘルム・フォン・レンツは、このアダージョについて、「全世界のすべての苦悩の霊廟」と評しました。

第4楽章
 ラルゴーアレグロ・リゾルート 変ロ長調 4分の4拍子ー4分の3拍子 フーガ

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