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スカルラッティ:ソナタ集

(P)メイエル 1954年11月録音



Scarlatti:ソナタ KK.478

Scarlatti:ソナタ KK.492

Scarlatti:ソナタ KK.380

Scarlatti:ソナタ KK.27

Scarlatti:ソナタ KK.245

Scarlatti:ソナタ KK.87

Scarlatti:ソナタ KK.64

Scarlatti:ソナタ KK.432

Scarlatti:ソナタ KK.450

Scarlatti:ソナタ KK.69

Scarlatti:ソナタ KK.114

Scarlatti:ソナタ KK.9

Scarlatti:ソナタ KK.119

Scarlatti:ソナタ KK.32

Scarlatti:ソナタ KK.175

Scarlatti:ソナタ KK.279

Scarlatti:ソナタ KK.96

Scarlatti:ソナタ KK.430

Scarlatti:ソナタ KK.427

Scarlatti:ソナタ KK.13

Scarlatti:ソナタ KK.519

Scarlatti:ソナタ KK.17

Scarlatti:ソナタ KK.30

Scarlatti:ソナタ KK.29

Scarlatti:ソナタ KK.377

Scarlatti:ソナタ KK.523

Scarlatti:ソナタ KK.446

Scarlatti:ソナタ KK.159

Scarlatti:ソナタ KK.474

Scarlatti:ソナタ KK.125

Scarlatti:ソナタ KK.533


近代的鍵盤楽器奏法の父

スカルラッティはほとんど独力で新しい鍵盤技法を作り出したと言われ、「近代的鍵盤楽器奏法の父」と呼ばれています。
彼はナポリで生まれた生粋のイタリア人であり、1715年には教皇庁のサン・ピエトロ大聖堂にあるジュリア礼拝堂の楽長と言うローマ・カトリックの音楽家としては最高の地位に上りつめています。ところが、1719年に突然その職を辞して活躍の場をイベリア半島に移します。

辞任の理由は今日に至るも謎に包まれていますが、1719年の終わり頃にはポルトガルのジョアン5世に仕えるためにリスボンに赴いて、ポルトガル王家の宮廷楽長として活躍しています。そして、彼がチェンバロを教えていた王女マリア・バルバラが1729年にスペイン王子フェルナンド(後のフェルナンド6世)のもとに嫁ぐと、スカルラッティもそれに随伴してマドリードに赴き、1757年に彼自身が亡くなるまで王家のチェンバロ教師としてスペインで生涯を終えています。

つまり、スカルラッティという人はイタリアで活躍した前半生と、ポルトガルやスペインというイベリア半島で活躍した後半生とに二分割されるのです。作品的に見ると、イタリアとポルトガル時代は宮廷楽長として教会音楽やオペラ、室内カンタータが創作の中心でしたが、後半生のマドリッド時代はチェンバロ音楽が中心となっています。そして、スカルラッティにとって真に素晴らしい業績がこの後半生のチェンバロによるソナタ作品にあったことは今さら言うまでもないことです。

ラルフ・カークパトリックによって555曲に整理された彼のソナタ作品は、今日的感覚のソナタ作品とは全く異なります。一部の例外はありますが、そのほとんどが単一楽章の二部構成という極めてシンプルな形式です。しかし、楽想は驚くほどの多様さを持っていて、イベリア半島ならではのアラブの音楽やスペイン・ポルトガル特有の民族色の濃いリズムや旋律があちこちにこだましています。
また、演奏技法の点でも、両手の交差やアルペッジョ、さらにはチェンバロを打楽器的に扱ってみたり、今までにないような大きな音程の跳躍を用いるなど様々なテクニックを駆使してます。 スカルラッティ自身が「これらの作品のうちに深刻な動機でなく、技術的な工夫をこそ見て欲しい」と記しているように、その事は結果として鍵盤楽器の演奏に必要な近代的な技法が全て網羅されていると言っても過言ではありません。

同時代を生きたJ.S.バッハの平均律などとは全く性格を異にした作品群ではありますが、これはこれで、バッハと比肩できるほどのバロック鍵盤音楽の傑作だといえます。


明るく肯定的な演奏が素敵です

ずいぶん前ですが、ハスキルの演奏を取り上げてこんな事を書いたことがあります。

「ロスの演奏を聞いて伝わってくるのは地中海の太陽と乾いた風の匂いです。そして、その雰囲気はスカルラッティのソナタにとても相応しく思えます。さて、ハスキルですが、こちらの風の匂いはすこぶる湿っぽいです。
ロスの演奏が地中海の光と風を満喫するリゾートだとするなら、ハスキルの方は湖畔のキャンプ場という雰囲気です。」

何とも荒っぽい言い方ですが、この二分法を使うならメイエルの演奏は明らかにロスに近いもので、ラテンの血を感じさせてくれます。常に人生を肯定的にとらえ、明るく歌い上げながら、それでいて聴き進んでいくうちに何だか人生に対する深い思いに満たされてきて、己の精神が浄化されていくような演奏です。(褒めすぎかな・・・?)とにかく一つ一つの音の粒立ちが素晴らしくて、これで録音のクオリティがもっと高ければどれほど素晴らしいことかと思われます。
そう言えば、彼女のスカルラッティやラモーのLP初期盤は市場では30万〜40万前後で取引されています。こういう初期盤は何も骨董品としての価値があるからそんなとんでもない価格になるのではなくて、マスターテープの経年劣化によって、保存状態のよい初期盤が音質的にはベストになってしまっているからそんな価格になるのです。
もちろん、そう言う「モノ」に大枚をはたく「趣味」は私にはありませんが、この演奏を、もっと粒立ちのはっきりとした音で聞くことができるならばと思う人の気持ちは分からないではありません。

「フランス六人組の女神(巫女?)」と称えられたメイエルですが、こういう演奏を聴かされると、彼女の真骨頂はバッハ以前の作曲家達、特に、スカルラッティやラモー、クープランあたりにあったのだと確信させられます。

<収録作品>
Scarlatti:ソナタ KK.478
Scarlatti:ソナタ KK.492
Scarlatti:ソナタ KK.380
Scarlatti:ソナタ KK.27
Scarlatti:ソナタ KK.245
Scarlatti:ソナタ KK.87
Scarlatti:ソナタ KK.64
Scarlatti:ソナタ KK.432
Scarlatti:ソナタ KK.450
Scarlatti:ソナタ KK.69
Scarlatti:ソナタ KK.114
Scarlatti:ソナタ KK.9
Scarlatti:ソナタ KK.119
Scarlatti:ソナタ KK.32
Scarlatti:ソナタ KK.175
Scarlatti:ソナタ KK.279
Scarlatti:ソナタ KK.96
Scarlatti:ソナタ KK.430
Scarlatti:ソナタ KK.427
Scarlatti:ソナタ KK.13
Scarlatti:ソナタ KK.519
Scarlatti:ソナタ KK.17
Scarlatti:ソナタ KK.30
Scarlatti:ソナタ KK.29
Scarlatti:ソナタ KK.377
Scarlatti:ソナタ KK.523
Scarlatti:ソナタ KK.446
Scarlatti:ソナタ KK.159
Scarlatti:ソナタ KK.474
Scarlatti:ソナタ KK.125
Scarlatti:ソナタ KK.533

なお、演奏順はLPに収録されたときの順に従っています。

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