クラシック音楽へのおさそい~Blue Sky Label~




Home|リッチ(Ruggiero Ricci)|パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲第1番ニ長調 Op.6

パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲第1番ニ長調 Op.6

(Vn)ルジェーロ・リッチ:アンソニー・コリンズ指揮 ロンドン交響楽団 1955年2月14日録音



パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲第1番ニ長調 Op.6 「第1楽章」

パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲第1番ニ長調 Op.6 「第2楽章」

パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲第1番ニ長調 Op.6 「第3楽章」


ヴァイオリンの技巧の見本市

さて、これらパガニーニのコンチェルトをどう見るか?いわゆるクラシック音楽の通たちからは一段も二段も低く見られてきたことは間違いありません。そして、その事は決して現在だけでの話ではなく、パガニーニが活躍した19世紀においても事情はそれほど変わりません。
例えば、シューマン。
彼は、「私はヴィルトゥオーソのための協奏曲は書けない。」なんて言って、さらに「何か別のものを変えなければならない」などと呟くのです。古典派の時代でも、モーツァルトやベートーベンはソリストの名人芸を披露するだけの協奏曲には飽きたらず、彼らもまた様々なトライを繰り返していました。
ですから、そう言う時代背景の中にこのパガニーニの作品を置いてみると、あまりにも問題意識がなさ過ぎるように見えるのです。

しかし、音楽というのはまずはエンターテイメントだという現実に開き直ってみれば、これは実に「楽しい」作品であることは間違いありません。
ありとあらゆる「美食」を食いつくした果てに、お茶漬けと漬け物に行き着くのは決して否定しませんが、その価値観を全ての人に押しつけるはいかがなものでしょうか?

たまには難しい理屈は脇に置いて、極上の美食に舌鼓をうつのも悪くはないでしょう。

ちなみに、パガニーニには自筆楽譜というモノはほとんど残っていません。それは、彼が病的なまでに疑り深い人間であり、他人に自分の作品が盗用されることをおそれて、演奏会が終わるとパート譜などを全て回収した上に、パガニーニの死後も遺族がそれらの保存に全く無関心であったためにその大部分が散逸してしまったためです。
現在では、そう言う楽譜の存在が確認されているのはこれら6曲のコンチェルトとカプリースだけだと言われています。


この勢いがたまらない!

パガニーニと言えばルジェーロ・リッチという時代がありました。確かリッチはパガニーニのカプリースを10回前後録音しているのではないでしょうか?教育活動にも熱心で日本人の弟子もたくさんいるようです。
しかし、最近はそう言う熱心な教育活動のおかげなのか、若手の技術力は飛躍的に向上していて、そう言う馬鹿ウマの演奏を聞き慣れている今の聴衆からすればリッチの演奏はいささか荒っぽいなぁ・・・などと不遜なことをつぶやいてしまいます。。
しかし、最近の若手と違うところは、音楽に内在している勢いを大切にしていて迸るようなパッションが全体にみなぎっている事です。おそらくこれをライブで聞かされれば、ホントに取って食われそうな気がしたことでしょう。
パガニーニの演奏史を考える上では一度はきいておくべき演奏でしょう。

この演奏を評価してください。

  1. よくないねー!(≧ヘ≦)ムス~>>>1~2
  2. いまいちだね。( ̄ー ̄)ニヤリ>>>3~4
  3. まあ。こんなもんでしょう。ハイヨ ( ^ - ^")/>>>5~6
  4. なかなかいいですねo(*^^*)oわくわく>>>7~8
  5. 最高、これぞ歴史的名演(ξ^∇^ξ) ホホホホホホホホホ>>>9~10



853 Rating: 5.2/10 (200 votes cast)

  1. 件名は変更しないでください。
  2. お寄せいただいたご意見や感想は基本的に紹介させていただきますが、管理人の判断で紹介しないときもありますのでご理解ください
名前*
メールアドレス
件名
メッセージ*
サイト内での紹介

 

よせられたコメント

2009-01-24:かなパパ


2012-07-30:oTetsudai





【リスニングルームの更新履歴】

【最近の更新(10件)】



[2025-06-11]

ベートーベン:交響曲第4番 変ロ長調 作品60(Beethoven:Symphony No.4 in Bflat major ,Op.60)
ヨーゼフ・カイルベルト指揮 ハンブルク・フィルハーモニー管弦楽楽団 1959年録音(Joseph Keilberth:Hamburg Philharmonic Orchestra Recorded on 1959)

[2025-06-08]

ラロ:スペイン交響曲 ニ短調, Op21(Lalo:Symphonie espagnole, for violin and orchestra in D minor, Op. 21)
(Vn)アルフレード・カンポーリ:エドゥアルド・ヴァン・ベイヌム指揮 ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団 1953年3月3日~4日録音(Alfredo Campoli:(Con)Eduard van Beinum The London Philharmonic Orchestra Recorded on March 3-4, 1953)

[2025-06-04]

エルガー:交響曲第2番変ホ長調Op.63(Elgar:Symphony No.2 in E-flat major, Op.63)
サー・ジョン・バルビローリ指揮 ハレ管弦楽団 1954年6月日~9日録音(Sir John Barbirolli:Philharmonic Hall Recorded on June 8-9, 1954)

[2025-06-01]

ベートーベン:交響曲第2番 ニ長調 作品36(Beethoven:Symphony No.2 in D major)
ヨーゼフ・カイルベルト指揮 バンベルク交響楽団 1959年録音(Joseph Keilberth:Bamberg Symphony Recorded on 1959)

[2025-05-29]

ラヴェル:組曲「クープランの墓(管弦楽版)」(Ravel:Le Tombeau de Couperin)
ユージン・オーマンディ指揮 フィラデルフィア管弦楽団 1958年11月16日録音(Eugene Ormandy:Philadelphis Orchestra Recorded on November 16, 1958)

[2025-05-26]

チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調, Op.35(Tchaikovsky:Violin Concerto in D major Op.35)
(Vn)アルフレード・カンポーリ:アタウルフォ・アルヘンタ指揮 ロンドン交響楽団 1956年12月27日~28日録音(Alfredo Campoli:(Cin)Ataulfo Argenta London Symphony Orchestra Recorded on December 27-28, 1955)

[2025-05-22]

ベートーベン:交響曲第1番 ハ長調 作品21(Beethoven:Symphony No.1 in C major , Op.21)
ヨーゼフ・カイルベルト指揮 バンベルク交響楽団 1959年録音(Joseph Keilberth:Bamberg Symphony Recorded on 1959)

[2025-05-18]

ラヴェル:スペイン狂詩曲(Ravel:Rhapsodie espagnole)
ユージン・オーマンディ指揮 フィラデルフィア管弦楽団 1963年2月24日録音(Eugene Ormandy:Philadelphis Orchestra Recorded on February 24, 1963)

[2025-05-15]

エルガー:ヴァイオリン協奏曲 ロ短調, Op.61(Elgar:Violin Concerto in B minor, Op.61)
(Vn)アルフレード・カンポーリ:サー・エードリアン・ボールト指揮 ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団 1954年10月28日~29日録音(Alfredo Campoli:(Con)Sir Adrian Boult The London Philharmonic Orchestra Recorded on October 28-29, 1954)

[2025-05-12]

ラヴェル:舞踏詩「ラ・ヴァルス」(Ravel:La valse)
ユージン・オーマンディ指揮 フィラデルフィア管弦楽団 1963年1月30日録音(Eugene Ormandy:Philadelphis Orchestra Recorded on January 30, 1963)