クラシック音楽へのおさそい~Blue Sky Label~



AmazonでCDをさがすAmazonでギーゼキングのCDをさがす
Home|ギーゼキング|ドビュッシー:映像第1集

ドビュッシー:映像第1集

ギーゼキング 1953年8月12〜16日録音



Debussy:映像第1集「水の反映(Reflets dans l'eau)」

Debussy:映像第1集「ラモー礼讃(Hommage a` Rameau)」

Debussy:映像第1集「運動 (Mouvement)」


苦手な作品

正直に申し上げると、こういうドビュッシーの作品がどうにも苦手なのです。しかし、専門家の間ではこういう作品こそが「印象派」と呼ばれる彼の作風が最もよく発揮されたものとして評価されるのです。
タイトルの映像というのは、ピアノ作品では2集、管弦楽によるものが1集作られています。それ以外にも破棄されたピアノ音楽の作品が存在したらしく、全部で4集からなっていたようです。

この「映像」というのは、彼の目に映ったものを音楽的に写し取ったものなのですが、その仕方はいささか屈折していたようです。つまり、自分が目にした風景(映像)をそのまま音譜に写し取るのではなく、その目にした映像を自分の中にもともと存在する様々な思念によってもう一度再構成しなおしてから音符に移し替えるというものなのです。
つまり、二人の人間がいてそれぞれが同じ映像を見ていたとしても、お互いにその「映像」が「どの様に見えているのか」は知るよしもありません。ましてや、相手も自分と同じものが見えているはずだと思うことは「独善」以外の何ものでもありません。
しかし、ドビュッシーはその「見えている」ものを音楽的に表現し、それを他者に伝えようとしたのです。ですから、例えば「水に映る影」という映像は、水に映った影の正確な描写ではなくて、あくまでもドビュッシーが見た「水に映る影」として表現されているのです。ですから、きっとドビュッシーにとって自明なことはユング君にとっては自明ではないのでしょう。
ドビュッシーに見えている「映像」はますます茫漠として、輪郭線は果てしなくぼやけていきます。ピアノが醸し出す和声はますます稀薄になり実態を失っていくかのようです。そして、その様にして構成した「映像」に対してドビュッシーは「「和声という化学における最も新しい発見」として大変な満足を感じていたようです。
「 この3つの曲は,全体にうまくまとまっていると思います。自惚れからでなく,ピアノ音楽の歴史の中でこれらは(シュヴィヤールの言うように)シューマンの左にか,ショパンの右にか−どちらなりとお気に召すままですが〜席を占めることになるだろうと確信しています。」と言う言葉は彼の満々たる自信を表しています。

しかし、ユング君はどうしてもこの世界についけいけません、・・・正直に申し上げると・・・。しかし、「王様は裸だ!」と叫ぶ勇気もありません。つまらぬ理性が「王様は裸ではない」と主張するからです。
どうやら死ぬまで彼とは波長があわないようです。

映像 第一集 Première Série
1.水の反映 reflets dans l'eau
2.ラモーを讃えて hommage à Rameau
3.動き mouvement

映像 第二集 Deuxième Série
1.葉末をわたる鐘の音 cloches à travers les feuilles
2.かくて月は廃寺に落つ et la lune descend sur le temple qui fut
3.金色の魚 poissons d'or


レパートリーの広さ

ギーゼキングという人は本当にレパートリーの広い人でした。モーツァルトのオーソリティのように言われ、ベートーベン演奏でも数々の業績を残しながら、フランス近代の音楽に対しても高い適応能力を示したというのは信じがたい話です。
どちらかと言えば、ガツーンと言うごつい響きを主体とした独墺系の音楽と、軽いふわふわとした響きを主体としたフランス近代の音楽では南極と北極ほども隔たっています。
例えば、コルトーはショパンだけでなくフランス近代の音楽にすぐれた業績を残していますが、彼のベートーベンというのは想像できません。同じように、バックハウスのドビュッシーというのも、もしあれば聞いてみたいとは思いますが、これまたちょっと想像できません。ところが、ギーゼキングはその両者において高い評価を残しているのです。

おそらく、この高い適応は、ギーゼキングは「師」というものを必要としなかったからでしょう。彼は、何でも自分だけで出来た人でした。
5歳の時に自分の力で読み書きが出来ることを「発見」した彼は、一度も学校と言うところに通いませんでした。おまけに、人並み外れた記憶力を持っていたギーゼキングは一度見た楽譜は死ぬまで忘れなかったと言います。そして、覚えた楽譜をピアノで再現することは彼にとっては何の困難もなかったのです。
彼は、自らの興味のままに面白いと思える音楽を片っ端から自分のレパートリーにしていったのではないでしょうか。
ただし、最初に覚えたときに間違って覚えた箇所は死ぬまでなおらなかったそうですから、天才と努力型、どちらがいいのかは難しいですね。

Youtubeチャンネル登録

古い録音が中心ですがYoutubeでもアップしていますので、是非チャンネル登録してください。

関連記事(一部広告含む)

この演奏を評価してください。

  1. よくないねー!(≧ヘ≦)ムス~>>>1~2
  2. いまいちだね。( ̄ー ̄)ニヤリ>>>3~4
  3. まあ。こんなもんでしょう。ハイヨ ( ^ - ^")/>>>5~6
  4. なかなかいいですねo(*^^*)oわくわく>>>7~8
  5. 最高、これぞ歴史的名演(ξ^∇^ξ) ホホホホホホホホホ>>>9~10



887 Rating: 5.6/10 (153 votes cast)

  1. 件名は変更しないでください。
  2. お寄せいただいたご意見や感想は基本的に紹介させていただきますが、管理人の判断で紹介しないときもありますのでご理解ください
名前*
メールアドレス
件名
メッセージ*
サイト内での紹介

 

よせられたコメント

2009-10-05:ナルサス





【リスニングルームの更新履歴】

【最近の更新(10件)】



[2019-12-14]

サン=サーンス:交響詩「死の舞踏」op.40
ルネ・レイボヴィッツ指揮 パリ・コンセール・サンフォニーク協会管弦楽団 1960年録音

[2019-12-13]

モーツァルト:ピアノ協奏曲第6番変ロ長調 , K.238
(P)リリー・クラウス:スティーヴン・サイモン指揮 ウィーン音楽祭管弦楽団 1965年12月6日,8日,9日&12日録音

[2019-12-12]

ハイドン:交響曲第34番 ニ短調 Hob.I:34
マックス・ゴバーマン指揮 ウィーン国立歌劇場管弦楽団 1960年~1962年録音

[2019-12-10]

シューマン:交響曲第3番 変ホ長調 「ライン」 作品97
ルネ・レイボヴィッツ指揮 インターナショナル交響楽団 1960年録音

[2019-12-09]

J.S.バッハ:ヴァイオリン協奏曲第2番ホ長調 BWV.1042
(Vn)ジョコンダ・デ・ヴィート:アンソニー・バーナード指揮 ロンドン室内管弦楽団 1949年2月17日~18日録音

[2019-12-08]

J.S.バッハ:ヴァイオリン協奏曲第2番ホ長調 BWV.1042
(Vn)ジョコンダ・デ・ヴィート:ラファエル・クーベリック指揮 ロンドン室内管弦楽団 1959年6月24日~25日録音

[2019-12-07]

ベートーベン:ピアノ三重奏曲 変ホ長調 Op.44(第10番)
ボザール・トリオ 1964年録音

[2019-12-06]

メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64
(Vn)ジョコンダ・デ・ヴィート:サー・マルコム・サージェント指揮 ロンドン交響楽団 1951年11月5日&8日録音

[2019-12-05]

グリーグ:弦楽のための「2つの悲しき旋律」Op.34
ウィレム・ヴァン・オッテルロー指揮 ハーグ・レジデンティ管弦楽団 1951年6月4日録音

[2019-12-04]

ベートーベン:弦楽四重奏曲第16番 ヘ長調 Op.135
ブダペスト弦楽四重奏団 1940年9月9日~10日録音