クラシック音楽へのおさそい~Blue Sky Label~



AmazonでCDをさがすAmazonでリッチ(Ruggiero Ricci)のCDをさがす
Home|リッチ(Ruggiero Ricci)|パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲第2番ロ短調 「ラ・カンパネラ」 Op.7

パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲第2番ロ短調 「ラ・カンパネラ」 Op.7

(Vn)ルジェーロ・リッチ:アンソニー・コリンズ指揮 ロンドン交響楽団 1955年2月18日録音



パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲第2番ロ短調「ラ・カンパネラ」 Op.7 「第1楽章」

パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲第2番ロ短調「ラ・カンパネラ」 Op.7 「第2楽章」

パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲第2番ロ短調「ラ・カンパネラ」 Op.7 「第3楽章」


ヴァイオリンの技巧の見本市

さて、これらパガニーニのコンチェルトをどう見るか?いわゆるクラシック音楽の通たちからは一段も二段も低く見られてきたことは間違いありません。そして、その事は決して現在だけでの話ではなく、パガニーニが活躍した19世紀においても事情はそれほど変わりません。
例えば、シューマン。
彼は、「私はヴィルトゥオーソのための協奏曲は書けない。」なんて言って、さらに「何か別のものを変えなければならない」などと呟くのです。古典派の時代でも、モーツァルトやベートーベンはソリストの名人芸を披露するだけの協奏曲には飽きたらず、彼らもまた様々なトライを繰り返していました。
ですから、そう言う時代背景の中にこのパガニーニの作品を置いてみると、あまりにも問題意識がなさ過ぎるように見えるのです。

しかし、音楽というのはまずはエンターテイメントだという現実に開き直ってみれば、これは実に「楽しい」作品であることは間違いありません。
ありとあらゆる「美食」を食いつくした果てに、お茶漬けと漬け物に行き着くのは決して否定しませんが、その価値観を全ての人に押しつけるはいかがなものでしょうか?

たまには難しい理屈は脇に置いて、極上の美食に舌鼓をうつのも悪くはないでしょう。

ちなみに、パガニーニには自筆楽譜というモノはほとんど残っていません。それは、彼が病的なまでに疑り深い人間であり、他人に自分の作品が盗用されることをおそれて、演奏会が終わるとパート譜などを全て回収した上に、パガニーニの死後も遺族がそれらの保存に全く無関心であったためにその大部分が散逸してしまったためです。
現在では、そう言う楽譜の存在が確認されているのはこれら6曲のコンチェルトとカプリースだけだと言われています。


この勢いがたまらない!

パガニーニと言えばルジェーロ・リッチという時代がありました。確かリッチはパガニーニのカプリースを10回前後録音しているのではないでしょうか?教育活動にも熱心で日本人の弟子もたくさんいるようです。
しかし、最近はそう言う熱心な教育活動のおかげなのか、若手の技術力は飛躍的に向上していて、そう言う馬鹿ウマの演奏を聞き慣れている今の聴衆からすればリッチの演奏はいささか荒っぽいなぁ・・・などと不遜なことをつぶやいてしまいます。。
しかし、最近の若手と違うところは、音楽に内在している勢いを大切にしていて迸るようなパッションが全体にみなぎっている事です。おそらくこれをライブで聞かされれば、ホントに取って食われそうな気がしたことでしょう。
パガニーニの演奏史を考える上では一度はきいておくべき演奏でしょう。

この演奏を評価してください。

  1. よくないねー!(≧ヘ≦)ムス~>>>1~2
  2. いまいちだね。( ̄ー ̄)ニヤリ>>>3~4
  3. まあ。こんなもんでしょう。ハイヨ ( ^ - ^")/>>>5~6
  4. なかなかいいですねo(*^^*)oわくわく>>>7~8
  5. 最高、これぞ歴史的名演(ξ^∇^ξ) ホホホホホホホホホ>>>9~10



854 Rating: 6.0/10 (229 votes cast)

  1. 件名は変更しないでください。
  2. お寄せいただいたご意見や感想は基本的に紹介させていただきますが、管理人の判断で紹介しないときもありますのでご理解ください
名前*
メールアドレス
件名
メッセージ*
サイト内での紹介

 

よせられたコメント

2008-12-09:パガニーニ好き


2009-01-24:かなパパ


2012-09-08:oTetsudai


2013-01-20:丹羽 幹雄





【リスニングルームの更新履歴】

【最近の更新(10件)】



[2024-03-29]

ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ(Ravel:Pavane pour une infante defunte)
アンドレ・クリュイタンス指揮 フランス国立放送管弦楽団 1954年5月14日録音(Andre Cluytens:Orchestre National de l'ORTF Recorded on May 14, 1954)

[2024-03-27]

ベートーヴェン:劇音楽「エグモント」序曲, Op.84(Beethoven:Egmont, Op.84)
アルトゥーロ・トスカニーニ指揮 NBC交響楽団 1939年11月18日録音(Arturo Toscanini:NBC Symphony Orchestra Recorded on November 18, 1939)

[2024-03-25]

モーツァルト:弦楽四重奏曲第2番 ニ長調 K.155/134a(Mozart:String Quartet No.2 in D major, K.155/134a)
パスカル弦楽四重奏団:1952年録音(Pascal String Quartet:Recorded on 1952)

[2024-03-23]

ベートーヴェン:ディアベリ変奏曲, Op.120(Beethoven:Variations Diabelli in C major, Op.120)
(P)ジュリアス・カッチェン 1960年録音(Julius Katchen:Recorded on 1960)

[2024-03-21]

バルトーク:弦楽四重奏曲第5番, Sz.102(Bartok:String Quartet No.5, Sz.102)
ヴェーグ弦楽四重奏団:1954年7月録音(Quatuor Vegh:Recorded on July, 1954)

[2024-03-19]

パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲第1番 ニ長調, Op.6(Paganini:Violin Concerto No.1 in D major, Op.6)
(Vn)ジノ・フランチェスカッティ:ユージン・オーマンディ指揮 フィラデルフィア管弦楽団 1950年1月15日録音(Zino Francescatti:(Con)Eugene Ormandy The Philadelphia Orchestra January 15, 1950)

[2024-03-17]

チャイコフスキー:交響曲第2番 ハ短調 作品17 「小ロシア」(Tchaikovsky:Symphony No.2 in C minor Op.17 "Little Russian")
ディミトリ・ミトロプーロス指揮 ミネアポリス交響楽団 1946年3月10日~11日録音(Dimitris Mitropoulos:Minneapolis Symphony Orchestra Recorded on March 10-11, 1946)

[2024-03-15]

ハイドン:チェロ協奏曲第2番 ニ長調 Hob.VIIb:2(Haydn:Cello Concerto No.2 in D major, Hob.VIIb:2)
(Cello)アンドレ・ナヴァラ:ベルンハルト・パウムガルトナー指揮 ザルツブルク・モーツァルテウム・カメラータ・アカデミカ 1958年録音(Andre Navarra:(Con)Bernhard Paumgartner Camerata Academica des Mozarteums Salzburg Recorded on, 1958 )

[2024-03-13]

ベートーヴェン:「レオノーレ」序曲第3番, Op.72b(Beethoven:Leonora Overture No.3 in C major, Op.72b)
アルトゥーロ・トスカニーニ指揮 NBC交響楽団 1945年6月1日録音(Arturo Toscanini:NBC Symphony Orchestra Recorded on June 1, 1945)

[2024-03-11]

ラロ:スペイン交響曲 ニ短調, Op21(Lalo:Symphonie espagnole, for violin and orchestra in D minor, Op. 21)
(Vn)ジノ・フランチェスカッティ:ディミトリ・ミトロプーロス指揮 ニューヨーク・フィルハーモニック 1957年4月22日録音(Zino Francescatti:(Con)Dimitris Mitropoulos New York Philharmonic Recorded on April 22, 1957)