AmazonでCDをさがす![](http://ir-jp.amazon-adsystem.com/e/ir?t=blueskylabel-22&l=ur2&o=9)
Amazonでカラヤン(Herbert von Karajan)のCDをさがす
Home|
カラヤン(Herbert von Karajan)|バルトーク:管弦楽のための協奏曲 Sz.116
バルトーク:管弦楽のための協奏曲 Sz.116
カラヤン指揮 フィルハーモニア管弦楽団 1953年7月録音
Bartok:管弦楽のための協奏曲「Introduzione(序章)」
Bartok:管弦楽のための協奏曲「Giuoco delle coppie(対の遊び)」
Bartok:管弦楽のための協奏曲「Elegia(悲歌)」
Bartok:管弦楽のための協奏曲「Intermezzo interrotto(中断された間奏曲)」
Bartok:管弦楽のための協奏曲「Finale(終曲)」
ハンガリーの大平原に沈む真っ赤な夕陽
![](../Jacket_record/No_Image.jpg)
この管弦楽のための協奏曲の第3曲「エレジー」を聞くと、ハンガリーの大平原に沈む真っ赤な夕陽を思い出すと言ったのは誰だったでしょうか?それも、涙でにじんだ真っ赤な夕陽だと書いていたような気がします。
上手いことを言うものです。音楽を言葉で語るというのは難しいものですが、このように、あまりにも上手く言い当てた言葉と出会うとうれしくなってしまいます。そして、この第4曲「中断された間奏曲」もラプソディックな雰囲気を漂わせながらも、同時に何とも言えない苦い遊びとなっています。ユング君はこの音楽にも同じような光景が目に浮かびます。
バルトークが亡命したアメリカはシェーンベルグに代表されるような無調の音楽がもてはやされているときで、民族主義的な彼の音楽は時代遅れの音楽と思われていました。そのため、彼が手にした仕事は生きていくのも精一杯というもので、ヨーロッパ時代の彼の名声を知るものには信じがたいほどの冷遇で、その生活は貧窮を極めました。
そんなバルトークに援助の手をさしのべたのがボストン交響楽団の指揮者だったクーセヴィツキーでした。もちろんお金を援助するのでは、バルトークがそれを拒絶するのは明らかでしたから、作品を依頼するという形で援助の手をさしのべました。
そのおかげで、私たちは20世紀を代表するこの傑作「管弦楽のための協奏曲」を手にすることができました。(クーセヴィツキーに感謝!!)
一般的にアメリカに亡命してから作曲されたバルトークの作品は、ヨーロッパ時代のものと比べればはっきりと一線を画しています。その変化を専門家の中には「後退」ととらえる人もいて、ヨーロッパ時代の作品を持ってバルトークの頂点と主張します。確かにその気持ちは分からないではありませんが、ユング君は分かりやすくて、人の心の琴線にまっすぐ触れてくるようなアメリカ時代の作品が大好きです。
また、その様な変化はアメリカへの亡命で一層はっきりしたものとなってはいますが、亡命直前に書かれた「弦楽四重奏曲第6番」や「弦楽のためのディヴェルティメント」なども、それ以前の作品と比べればある種の分かりやすさを感じます。そして、聞こうとする意志と耳さえあれば、ロマン的な心情さえも十分に聞き取ることもできます。
亡命が一つのきっかけとなったことは確かでしょうが、その様な作品の変化は突然に訪れたものではなく、彼の作品の今までの延長線上にあるような気がするのですが、いかがなものでしょうか。
後期ロマン派のような・・・
53年の録音ですから、作曲されてから10年ほどしか経過していません。その意味ではまさにバリバリの現代の音楽だったのですが、聞こえてくる音楽は後期ロマン派のような重厚で濃厚な雰囲気があふれています。
最近の指揮者ならもっと精緻に演奏することを選ぶでしょうから、全体としてはもっと研ぎ澄まされたシャープな雰囲気になるのが普通です。そうなると、個々のプレーヤーは全体を構成するパーツとして組み込まれるので、「管弦楽のための協奏曲」と題されながらも、いわゆる協奏曲的雰囲気は後退しているのが一般的です。
例えば、ショルティとシカゴ響との演奏などを聴いてみれば分かるのですが、そこでは協奏曲としての丁々発止のやりとりではなく、精緻にくみ上げられた管弦楽曲として全体が構成されています。
しかし、この若きカラヤンの演奏を聴いてみると、締めるところは締めているようですが、それでも基本的には個々のプレーヤーの自主性にまかせている部分が大きいように聞こえます。ですから、今の耳から聞けば随分と大雑把な感じのするオケコンになっています。しかし、「そうだバルトークはこの作品を協奏曲と名付けたんだ!!」と言うことに気づかされる演奏でもあります。
それにしても、人の心の琴線に触れるような素敵なフレーズを見つけると、それを実に艶やかに歌い上げる手際は本当に見事なものです。マーラーやR.シュトラウスなどを聞き慣れた耳なら、何の抵抗もなく耳に入ってくる演奏だと言えます。
この演奏を評価してください。
- よくないねー!(≧ヘ≦)ムス~>>>1~2
- いまいちだね。( ̄ー ̄)ニヤリ>>>3~4
- まあ。こんなもんでしょう。ハイヨ ( ^ - ^")/>>>5~6
- なかなかいいですねo(*^^*)oわくわく>>>7~8
- 最高、これぞ歴史的名演(ξ^∇^ξ) ホホホホホホホホホ>>>9~10
832 Rating: 5.2/10 (164 votes cast)
よせられたコメント
【最近の更新(10件)】
[2024-07-24]
![](../Jacket_record/Andre_Navarra/Navarra_Dvorak_Cello_Concerto_Op104_58.jpg)
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調, Op.104(Dvorak:Cello Concerto in B Minor, Op.104)
(Cello)アンドレ・ナヴァラ:ルドルフ・シュワルツ指揮 ナショナル交響楽団 1954年録音(Andre Navarra:(Con)Rudolf Schwarz The New Symphony Orchestra Recorded on, 1954)
[2024-07-22]
![](../Jacket_record/Clara_Haskil/Haskil_Beethoven_Piano_Sonata_No17_18_60.jpg)
ベートーベン:ピアノ・ソナタ第18番 変ホ長調 Op.31-3(Beethoven:Piano Sonata No.18 In E Flat, Op.31 No.3 "The Hunt")
(P)クララ・ハスキル:1960年9月録音(Clara Haskil:Recorded on September, 1960)
[2024-07-20]
![](../Jacket_record/Pascal_String_Quartet/Pascal_String_Quartet_Mozart_String_Quartet_No2-6_52.jpg)
モーツァルト:弦楽四重奏曲第9番 イ長調 K.169(Mozart:String Quartet No.9 in A major, K.169)
パスカル弦楽四重奏団:1952年録音(Pascal String Quartet:Recorded on 1952)
[2024-07-18]
![](../Jacket_record/Vasa_Prihoda/Prihoda_Vieuxtemps_Violin_Concerto_No4_Op31_54.jpg)
ヴュータン:ヴァイオリン協奏曲第4番 ニ短調 作品31(Vieuxtemps:Violin Concerto No.4 in D minor, Op.3)
(Vn)ヴァーシャ・プシホダ:フランツ・マルスツァレク指揮 ケルン放送交響楽団 1954年録音(Vasa Prihoda:(Con)Franz Marszalek Kolner Rundfunk-Sinfonie-Orchester Recorded on 1954)
[2024-07-16]
![](../Jacket_record/Gaspar_Cassado/Cassado_Saint-Saens_Cello_Concerto_No1_Op33_60.jpg)
サン=サーンス:チェロ協奏曲第1番 イ短調, Op.33(Saint-Saens:Cello Concerto No.1 in A Minor, Op.33)
(Cello)ガスパール・カサド:イオネル・ペルレア指揮 バンベルク交響楽団 1960年5月録音(Gaspar Cassado:(Con)Ionel Perlea Bamberg Symphony Orchestra Recorded on May, 1960)
[2024-07-14]
![](../Jacket_record/Jascha_Horenstein/Horenstein_J_Strauss_62.jpg)
ヨハン・シュトラウス:ワルツ「芸術家の生活」, Op.316(Johann Strauss II:Artists Life Op.316)
ヤッシャ・ホーレンシュタイン指揮 ウィーン国立歌劇場管弦楽団 1962年録音(Jascha Horenstein:Vienna State Opera Orchestra Recorded on December, 1962)
[2024-07-12]
![](../Jacket_record/Zino_Francescatti/Francescatti_Lalo_Symphonie_espagnole_Op21_46.jpg)
ラロ:スペイン交響曲 ニ短調, Op21(Lalo:Symphonie espagnole, for violin and orchestra in D minor, Op. 21)
(Vn)ジノ・フランチェスカッティ:アンドレ・クリュイタンス指揮 パリ・コロンビア交響楽団 1946年11月16日録音(Zino Francescatti:(Con)Andre Cluytens La Grand Orchestra Symphonique Colombia Recorded on November 16, 1946)
[2024-07-10]
![](../Jacket_record/Leonid_Kogan/Kogan_Bach_Violin_Concerto_BWV1042_Barshai_59.jpg)
J.S.バッハ:ヴァイオリン協奏曲 ホ長調 BWV1042(Bach:Violin Concerto No.2 in E major, BWV 1042)
(Vn)レオニード・コーガンエ:ルドルフ・バルシャイ指揮 モスクワ室内管弦楽団 1959年録音(Leonid Kogan:(Con)Rudolf Barshai Moscow Chamber Orchestra Recorded on 1959)
[2024-07-08]
![](../Jacket_record/Clara_Haskil/Haskil_Beethoven_Piano_Sonata_No17_18_60.jpg)
ベートーベン:ピアノ・ソナタ第17番「テンペスト」 ニ短調 Op.31-2(Beethoven:Piano Sonata No.17 In D Minor, Op.31 No.2 "Tempest")
(P)クララ・ハスキル:1960年9月録音(Clara Haskil:Recorded on September, 1960)
[2024-07-06]
![](../Jacket_record/Pascal_String_Quartet/Pascal_String_Quartet_Mozart_String_Quartet_No2-6_52.jpg)
モーツァルト:弦楽四重奏曲第8番 ヘ長調 K.168(Mozart:String Quartet No.8 in F major, K.168)
パスカル弦楽四重奏団:1952年録音(Pascal String Quartet:Recorded on 1952)