クラシック音楽へのおさそい~Blue Sky Label~



AmazonでCDをさがすAmazonでヨッフムのCDをさがす
Home|ヨッフム|ブルックナー:交響曲第9番

ブルックナー:交響曲第9番

ヨッフム指揮 バイエルン放送交響楽団 1954年11月22〜28日録音




ブルックナーの絶筆となった作品です

しかし、「白鳥の歌」などという感傷的な表現を寄せ付けないような堂々たる作品となっています。ご存じのようにこの作品は第4楽章が完成されなかったので「未完成」の範疇にはいります。
もし最終楽章が完成されていたならば前作の第8番をしのぐ大作となったことは間違いがありません。

実は未完で終わった最終楽章は膨大な量のスケッチが残されています。専門家によると、それらを再構成すればコーダの直前までは十分に復元ができるそうです。
こういう補筆は多くの未完の作品で試みられていますが、どうもこのブルックナーの9番だけはうまくいかないようです。今日まで何種類かのチャレンジがあったのですが、前半の3楽章を支えきるにはどれもこれもあまりにもお粗末だったようで、今日では演奏される機会もほとんどないようです。

それは補筆にあたった人間が「無能」だったのではなく、逆にブルックナーの偉大さ特殊性を浮き彫りにする結果となったようです。

ブルックナー自身は最終楽章が未完に終わったときは「テ・デウム」を代用するように言い残したと言われています。その言葉に従って、前半の3楽章に続いて「テ・デウム」を演奏することはたまにあるようですが、これも聞いてみれば分かるように、性格的に調性的にもうまくつながるとは言えません。

かといって、一部で言われるように「この作品は第3楽章までで十分に完成している」と言う意見にも同意しかねます。
ブルックナー自身は明らかにこの作品を4楽章構成の交響曲として構想し創作をしたわけですから、3楽章までで完成しているというのは明らかに無理があります。

天国的と言われる第3楽章の集結部分を受けてどのようなフィナーレが本当は鳴り響いたのでしょうか?永遠にそれは聞くことのできない音楽だけに、無念は募ります。

若きヨッフムのブルックナー演奏


とあるサイトで「ブルックナーにおいては後期ロマン時代の官能的音楽が要求するような余りに大きいアッチェレランドやリタルダンドを私は戒めたいと思う。テンポの絶対的平均性のみがもたらしうる『ゆりうごく輪』をえがきつつ、ブルックナーの上昇は展開するのである。」と言うヨッフムの言葉が紹介されていました。
しかし、彼が70年代にシュターツカペレ・ドレスデンを率いて完成させた2度目の全集では、テンポを大きく動かし、アッチェレランドやリタルダンドも駆使して、神々しいまでのクライマックスを築き上げる人に変わっていました。
おそらく上記の言葉はヨッフムの若い頃の言葉なのではないでしょうか。なぜなら、1954年に録音されたこのブルックナー演奏では、まさに「テンポの絶対的平均性のみがもたらしうる『ゆりうごく輪』をえがきつつ、ブルックナーの上昇は展開する」からです。そして、この両者の中間に位置するのが60年代に手兵のバイエルン放送交響楽団を使って完成させた最初の全集と言うことになるのでしょうか。

この25年の間にどのような心変わりがあったのかは分かりません。しかし、その心変わりを良しと思わない人にはこの演奏はなかなかに興味深く聴けるのではないでしょうか。(ユング君は基本的にテンシュテットやフルトヴェングラーのブルックナーを聞いて涙する方ですから、この心変わりは大歓迎という人です。)
どちらにしても、20世紀を代表するブルックナー指揮者の原点を確認するという意味では貴重な音源です。


この演奏を評価してください。

  1. よくないねー!(≧ヘ≦)ムス~>>>1~2
  2. いまいちだね。( ̄ー ̄)ニヤリ>>>3~4
  3. まあ。こんなもんでしょう。ハイヨ ( ^ - ^")/>>>5~6
  4. なかなかいいですねo(*^^*)oわくわく>>>7~8
  5. 最高、これぞ歴史的名演(ξ^∇^ξ) ホホホホホホホホホ>>>9~10



674 Rating: 6.7/10 (156 votes cast)

この演奏に対するご意見や感想をおよせください。

  1. 件名は変更しないでください。
  2. お寄せいただいたご意見や感想は基本的に紹介させていただきますが、管理人の判断で紹介しないときもありますのでご理解ください
名前*
メールアドレス
件名
メッセージ*
サイト内での紹介

 

よせられたコメント

2008-06-05:フェスでBRU7を聴いた私


2008-07-21:ゴトゴト


【リスニングルームの更新履歴】

【最近の更新(10件)】

[2018-06-23]

ハイドン:ハイドン:交響曲第15番 ニ長調, Hob.I:15
マックス・ゴバーマン指揮 ウィーン国立歌劇場管弦楽団 1960年~1962年録音

[2018-06-23]

ベートーベン:ピアノ・ソナタ第25番 ト長調 Op.79
(P)クラウディオ・アラウ 1966年4月録音

[2018-06-22]

ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品77
(Vn)レオニード・コーガン:キリル・コンドラシン指揮 フィルハーモニア管弦楽団 1959年録音

[2018-06-21]

ハイドン:交響曲第94番 ト長調 Hob.I:94 「驚愕」
ヨーゼフ・クリップス指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 1957年9月録音

[2018-06-20]

ジョゼフ・カントルーブ:オーヴェルニュの歌
レオポルド・ストコフスキー指揮 (S)アンナ・モッフォ RCA Victor Symphony Orchestra 1964年4月10日~11日録音

[2018-06-19]

ドリーブ:バレエ音楽「コッペリア」
アンタル・ドラティ指揮 ミネアポリス交響楽団 1957年12月21日~22日録音

[2018-06-18]

シベリウス:交響曲第2番 ニ長調 Op.43
サー・ジョン・バルビローリ指揮 ハレ管弦楽団 1966年7月25日~26日録音

[2018-06-17]

バッハ:ピアノ(チェンバロ)協奏曲第7番 ト短調 BWV1058
(P)グレン・グールド ヴラディミール・ゴルシュマン指揮 コロンビア交響楽団 1967年5月4日録音

[2018-06-16]

ベートーベン:交響曲第9番 ニ短調 作品125「合唱」
カール・ベーム指揮 ウィーン交響楽団 ウィーン国立歌劇場合唱団 (S)テレサ・シュティッヒ・ランダル (A)ヒルデ・レッセル・マイダン (T)アントン・デルモータ (Bs)パウル・シェフラー 1957年6月20日~26日録音

[2018-06-15]

バッハ:2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV 1043
(Vn)レオニード・コーガン&エリザヴェータ・ギレリス:ルドルフ・バルシャイ指揮 モスクワ室内管弦楽団 1959年録音