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VPO木管グループ(Vienna Philharmonic Wind Group) |ベートーヴェン:管楽三重奏曲 ハ長調, Op.87(Beethoven:Trio in C major, Op.87)
ベートーヴェン:管楽三重奏曲 ハ長調, Op.87(Beethoven:Trio in C major, Op.87)
ウィーン・フィルハーモニー木管グループ:1949年録音(Vienna Philharmonic Wind Group:Recorded on 1949) Beethoven:Trio in C major, Op.87 [1.Allegro]
Beethoven:Trio in C major, Op.87 [2.Adagio]
Beethoven:Trio in C major, Op.87 [3.Minuet. Allegro molto. Scherzo - Trio]
Beethoven:Trio in C major, Op.87 [4.Finale. Presto]
若き日の姿が垣間見られる
「管楽三重奏曲 ハ長調, Op.87」は正確に書くと「2本のオーボエとイングリッシュホルンのための三重奏曲」となります。2本のオーボエとイングリッシュホルンのために作曲されました。
しかし、この作品は非常に人気があったのか、2本のヴァイオリンとヴィオラのための弦楽三重奏版や、他の様々な楽器編成(フルート三重奏、クラリネット三重奏、ファゴット三重奏など)への編曲版も出版されました。ちなみに弦楽三重奏版はベートーベン自身の手になる編曲ですが、それ以外の編曲版はベートーベン公認による編曲と出版だったようです。
作品番号は87なのですが、作曲されたのはベートーベンがウィーンに進出して間もなくの1795年頃だったと思われます。
この時期のベートーベンは貴族の流行に合わせるという面も持っていました。もう少し正確に言うと、内心ではつまらないと思いながらもサロンで演奏されることを想定した作品を書くことにも積極的だったようです。
ですから、1800年以降になると、こういう作品への興味は急速に失われてしまいます。そんな中で、この作品だけは弦楽三重奏に編曲していますので、ある程度は愛着があったのかもしれません。
典型的な古典様式の作品で、第1楽章は優雅なソナタ、第2楽章は抒情的で美しい旋律のカンタービレ、第3楽章は躍動感のあるメヌエット、最後の第4楽章は軽快なロンドで締めくくられます。
古典派の様式を必死で学んでいた若き時代のベートーベンの作品です。
ウィーン・フィルの黄金時代をささえた木管グループ
現在においてもウィーン・フィルは世界を代表するオーケストラではありますが、その実力の低下を多くの人が嘆いています。
もっとも、こういう物言いは、「昔はよかった」という年寄りの愚痴のような「根拠」に乏しいものが多いのです。しかし、昨今のウィーン・フィルの地盤沈下は残念ながら否定しようのない事実のようです。
では、今が落ち目ならいつがベストだったのかという話になるのですが、それもまた50年代から60年代の初め頃までと言うのがこれもまた定説のようになっています。
しかし、それもまたどこか「昔はよかった」という愚痴の域を出ないのかもしれません。聞き手は常に気楽で身勝手なものです。
しかし、その時代のウィーン・フィルを支えていたのが空前絶後と言っていいほどの木管グループだったことは事実です。
彼らが支えたウィーン・フィルは未だに田舎の名門オケであり、その土着の香りをふんだんに残していた時代の演奏が二度とよみがえらない事は事実です。
そして、多くの年寄りから見ればそのようなウィーンフィルこそが「The Best」となるのですが、客観的に冷めた目で見れば「One of the Best」なのでしょう。
とはいえ「Best」であることもまた事実です。
そして、そのウィーン・フィルを支えた木管奏者が集合してウェストミンスターに多くの録音を残したのがこの「 ウィーン・フィルハーモニー木管グループ」です。
いや、こんな持って回った言い方をしなくても、そこに結集したメンバーを見ただけでこのグループの凄さは分かります。
(オーボエ)ハンス・カメシュ、カール・スヴォボダ
(クラリネット)レオポルド・ウラッハ、フランツ・バルトシェック
(ホルン)ゴットフリート・フォン・フライベルク、レオポルド・カインツ
(ファゴット)カール・エーベルガー、ルドルフ・ハンツル
(イングリッシュ・ホルン)カール・マイヤーホッファー、ブルーノ・デールシュミット
ウェストミンスターに残した録音では演奏メンバーはほぼ変わらないのですが、フルトヴェングラーという偉大な個性によって統率された演奏があれば、指揮者というものが存在しない演奏もあります。
指揮者のいない時には、よく言えば演奏者の自発性にしたがった寛いだものになっているのですが、悪く言えば暗黙の了解にしたがった定型的な演奏になってしまっています。
それでも、これだけのメンバーがそろえば、寛いだ伸びやかな雰囲気のほうが勝っているようです。
指揮者をおかない室内オケとしてオルフェウス室内管弦楽団という組織がありました。
作品の解釈はプレーヤーの合議によって決められ、作品ごとにコンサートマスターも選ぶという「民主的」な組織というふれこみでした。
今も活動は続いているようですからそれなりに評価はされているのでしょう。
しかし、彼らの録音を聞くと、音楽には「民主主義」は似合わないと思ってしまいます。
「 ウィーン・フィルハーモニー木管グループ」の寛いだ雰囲気は「民主主義」などではない、ウィーンという町の体温が生み出したもののようです。
ただし、その体温は温かそうに見えて、その裏には世の中の裏表を知り尽くした「擦れっ枯らし」が潜んでいます。それもまたウィーンという町に対する誉め言葉と思ってください。
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