クラシック音楽へのおさそい~Blue Sky Label~



AmazonでCDをさがすAmazonでワルターのCDをさがす
Home|ワルター|モーツァルト:交響曲第41番「ジュピター」

モーツァルト:交響曲第41番「ジュピター」

ワルター指揮 ニューヨークフィル 1945年録音




これもまた、交響曲史上の奇跡でしょうか。

モーツァルトはお金に困っていました。1778年のモーツァルトは、どうしようもないほどお金に困っていました。
1788年という年はモーツァルトにとっては「フィガロの結婚」「ドン・ジョヴァンニ」を完成させた年ですから、作曲家としての活動がピークにあった時期だと言えます。ところが生活はそれとは裏腹に困窮の極みにありました。
原因はコンスタンツェの病気治療のためとか、彼女の浪費のためとかいろいろ言われていますが、どうもモーツァルト自身のギャンブル狂いが一番大きな原因だったとという説も最近は有力です。

そして、この困窮の中でモーツァルトはフリーメーソンの仲間であり裕福な商人であったブーホベルクに何度も借金の手紙を書いています。
余談ですが、モーツァルトは亡くなる年までにおよそ20回ほども無心の手紙を送っていて、ブーホベルクが工面した金額は総計で1500フローリン程度になります。当時は1000フローリンで一年間を裕福に暮らせましたから結構な金額です。さらに余談になりますが、このお金はモーツァルトの死後に再婚をして裕福になった妻のコンスタンツェが全額返済をしています。コンスタンツェを悪妻といったのではあまりにも可哀想です。
そして、真偽に関しては諸説がありますが、この困窮からの一発大逆転の脱出をねらって予約演奏会を計画し、そのための作品として驚くべき短期間で3つの交響曲を書き上げたと言われています。
それが、いわゆる、後期三大交響曲と呼ばれる39番〜41番の3作品です。

完成された日付を調べると、39番が6月26日、40番が7月25日、そして41番「ジュピター」が8月10日となっています。つまり、わずか2ヶ月の間にモーツァルトは3つの交響曲を書き上げたことになります。
これをもって音楽史上の奇跡と呼ぶ人もいますが、それ以上に信じがたい事は、スタイルも異なれば性格も異なるこの3つの交響曲がそれぞれに驚くほど完成度が高いと言うことです。
39番の明るく明晰で流麗な音楽は他に変わるものはありませんし、40番の「疾走する哀しみ」も唯一無二のものです。そして最も驚くべき事は、この41番「ジュピター」の精緻さと壮大さの結合した構築物の巨大さです。
40番という傑作を完成させたあと、そのわずか2週間後にこのジュピターを完成させたなど、とても人間のなし得る業とは思えません。とりわけ最終楽章の複雑で精緻きわまるような音楽は考え出すととてつもなく時間がかかっても不思議ではありません。
モーツァルトという人はある作品に没頭していると、それとはまったく関係ない楽想が鼻歌のように溢れてきたといわれています。おそらくは、39番や40番に取り組んでいるときに41番の骨組みは鼻歌混じりに(!)完成をしていたのでしょう。
我々凡人には想像もできないようなことではありますが。

少し中途半端な印象は残りますが・・・。


ワルターのモーツァルトは50年代にニューヨークフィルと録音した一連の演奏がベストということになっています。まあ妥当なところでしょう。
残念ながら著作権が未だ消滅していませんので、さてどうしようかと思ったのですが、38年のSP盤はそれなりに有名だということで、いささか変化球にすぎるかもしれませんが45年の録音を選びました。

ただし聴いてみると、いささかどっちつかずの中途半端な印象は拭い切れません。50年代のリズムを明確にとった男性的な演奏の片鱗は伺われますが、どこかに30年代のウィーン情緒も払拭しきれません。ただし、この一連の演奏を並べて聴いてみるとそれなりに興味深いかもしれません。


この演奏を評価してください。

  1. よくないねー!(≧ヘ≦)ムス~>>>1~2
  2. いまいちだね。( ̄ー ̄)ニヤリ>>>3~4
  3. まあ。こんなもんでしょう。ハイヨ ( ^ - ^")/>>>5~6
  4. なかなかいいですねo(*^^*)oわくわく>>>7~8
  5. 最高、これぞ歴史的名演(ξ^∇^ξ) ホホホホホホホホホ>>>9~10



44 Rating: 5.2/10 (151 votes cast)

この演奏に対するご意見や感想をおよせください。

  1. 件名は変更しないでください。
  2. お寄せいただいたご意見や感想は基本的に紹介させていただきますが、管理人の判断で紹介しないときもありますのでご理解ください
名前*
メールアドレス
件名
メッセージ*
サイト内での紹介

 

よせられたコメント

【リスニングルームの更新履歴】

【最近の更新(10件)】

[2018-04-20]

チャイコフスキー:序曲「1812年」変ホ長調 作品49(合唱付き)
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 ドン・コサック合唱団 966年10月13日&12月29日録音

[2018-04-20]

ベートーベン:チェロソナタ第5番 ニ長調 Op.102-2
(Cello)エンリコ・マイナルデ(P)カルロ・ゼッキ 1957年録音

[2018-04-19]

ハイドン:交響曲第83番 ト短調「めんどり」, Hob.I:83
レナード・バーンスタイン指揮 ニューヨーク・フィルハーモニー交響楽団 1962年4月9日録音

[2018-04-18]

ベートーベン:チェロソナタ第4番 ハ長調 Op.102-1
(Cello)エンリコ・マイナルデ(P)カルロ・ゼッキ 1957年録音

[2018-04-18]

ベートーベン:ピアノ・ソナタ第17番「テンペスト」 ニ短調 Op.31-2
(P)クラウディオ・アラウ 1965年5月録音

[2018-04-17]

リヒャルト・シュトラウス:ヴァイオリンソナタ 変ホ長調 作品18
(Vn)ルッジェーロ・リッチ (P)カルロ・ブソッティ 1953年6月録音

[2018-04-16]

フォーレ:レクイエム 作品48
アンドレ・クリュイタンス指揮 サントゥスタシュ合唱団&管弦楽団 (S)マルタ・アンジェリシ (BR)ルイ・ノグェラ (Org)モーリス・デュリュフレ 1950年9月14日&16日~17日録音

[2018-04-15]

モーツァルト:ディヴェルティメント 第11番 ニ長調 K.251「ナンネル・セプテット」
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 1966年8月21日~22日録音

[2018-04-14]

モーツァルト:ディヴェルティメント 第10番 ヘ長調 K.247 「第1ロドロン・セレナーデ」
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 1966年8月21日~22日録音

[2018-04-13]

ハイドン:交響曲第20番 ハ長調 Hob.I:20
マックス・ゴバーマン指揮 ウィーン国立歌劇場管弦楽団 1960年~1962年録音