Home|
フラグスタート(Kirsten Flagstad)|ブラームス:歌曲集
ブラームス:歌曲集
(S)キルステン・フラグスタート (P)エドウィン・マッカーサー 1956年11月22日,23日,26日&27日録音
Brahms:Treue Liebe, Op. 7 No. 1
Brahms:Am sonntag Morgen, Op. 49 No. 1
Brahms:Auf dem Kirchhofe, Op. 105, No. 4
Brahms:Wie Melodien zieht es mir, Op. 105, No. 1
Brahms:Alte Liebe, Op. 72, No. 1
Brahms:Bei dir sind meine Gedanken, Op. 95, No. 2
Brahms:Wir wandelten, Op. 96, No. 2
Brahms:Dein blaues Auge, Op. 59, No. 8
ブラームス「歌曲集」
- 忠実な恋人 Op.7-1
フェラントの詩による6曲の歌曲からなる作品7の1曲です。ブラームスの初期の作品であり、民謡風の「美しい旋律」だそうです。
- 日曜日の朝 Op.49-1
パウル・ハイゼの「イタリアの歌の本」の詩による5つの歌曲から作品49の1曲です。ハイゼの作品は南欧的な情熱に溢れているので、この作品もまたブラームスにしては珍しくイタリア的な明るさを具えているそうです。
- 教会の墓地で Op.105-4
調べのように Op.105-1
晩年を迎えつつあったブラームスが高く評価していたアルト歌手、ヘルミーネ・フォン・シュピースのために書かれたのが5曲の歌曲からなる作品105でした。
第4番の「教会の墓地で」などと言うタイトルを見ると面白おかしくもないブラームスを想像してしまうのですが、シュピースを想定して書かれた音楽だけに聴き応えという点では素晴らしいものを持っています。
なお、「調べのように」はクラウス・グオード、「教会の墓地で」はリリエンクロンの詩が用いられています。
- 古き恋 Op.72-1
40歳を超えたブラームス円熟期の作品です。5曲からなる作品72の中の1曲で、カンディドゥスの詩による作品です。分散和音を演奏しているだけのように見えるピアノなのですが、それが歌の表情にあわせて変化していく手腕は見事なものです。
もちろん、歌の旋律も美しくて幻想的な雰囲気にふてていて魅力的です。
- 私の思いはあなたの許へ Op.95-2
作品95は7つの歌曲からなり、その中では第6番の「乙女の歌」が有名です。
「乙女の歌」は「日曜日の朝」を書いたパウル・ハイゼの詩によるものですが、この「私の思いはあなたの許へ」はフリードリッヒ・ハルムの詩による作品です。
これもまた柔和な表情に満ちた美しい作品です。
- 二人はさまよい歩いた Op.96-2
若い恋人が幸せそうにさまよい歩いたときの様子を歌ったもので、ブラームスの歌曲の中でも最も有名なものの一つです。
歌詞はダウマーのものとされているのですが、もとはマジャールに伝わる古い詩です。
ブラームスにしては珍しく幸福感に満ちた(^^;歌に、さまよい歩く二人をあらわすかのようにピアノの旋律が対位法的に絡み合っていきます。これは文句なしに美しい!!
- 汝が青き瞳 Op.59-8
8曲の歌曲からなる作品59の1曲で、グロートの詩による作品です。
ピアノによる前奏が魅力的で、歌もまた深い感情と美しさを兼ね備えていて、これは私のようなものであっても魅力的だと思えます。
ブラームスの音楽に秘められているロマン主義的な感性のようなものを実に上手く引き出してる
フラグスタートが「Decca」からのオファーで「引退」を撤回してスタジオに戻ってきたのが1956年の3月でした。そこでは、得意とするワーグナーから始めて、グリーグの連作歌曲などを録音しています。
カルショーはワーグナーは別格として、一連の歌曲に関してはそれほど上手くいってはいないと述べています。しかし、自分に残された力と作品との間の距離感を慎重に計りながら録音をすすめていくフラグスタートの姿勢は極めてクレバーだとも感じていたようです。
フラグスタートの魅力は、まずは「最高級の真珠」とたたえられたほどの美声にありました。そして、その様な「美声」でもって覆い被さってくるオーケストラの響きを突き抜けていくだけの強靱さと、この上もなくドラマティックな表現力を持っていたことでした。
そう言うことを考えると、このブラームスという男の「歌曲」はそれほど相性がいいとは思えません。
私の偏見かと思うのですが、ブラームスの歌曲と言えば渋くて晦渋というイメージがあります。そのような音楽に対して、「美声」や「ドラマティックな表現力」はそれほど役に立つとも思えないのです。
ところが、実際に聞いてみると、ブラームスの音楽に秘められているロマン主義的な感性のようなものを実に上手く引き出していて、「歌曲」というものにそれほど強いシンパシーを感じない人にも面白く聞かせてしまうのです。
と言うことは、もしかしたら、歌曲というものにシンパシーを感じる人にとっては大仰に過ぎるのかもしれません。
私はまだ聞いてはいないのですが、1953年にパリのシャンゼリゼ劇場で行われた「歌曲リサイタル」のライブ録音というものが残っているそうです。
そこでは、ブラームスの歌曲を中心とした渋いプログラムだったにも関わらず、最初から聴衆はフラグスタートの歌声に酔いしれて大変な興奮状態に陥っているそうなのです。
ブラームスの歌曲を歌って聴衆を熱狂させるとは、さすがは「神のごとき」と言われた歌い手だけのことはあります。
この演奏を評価してください。
- よくないねー!(≧ヘ≦)ムス~>>>1~2
- いまいちだね。( ̄ー ̄)ニヤリ>>>3~4
- まあ。こんなもんでしょう。ハイヨ ( ^ - ^")/>>>5~6
- なかなかいいですねo(*^^*)oわくわく>>>7~8
- 最高、これぞ歴史的名演(ξ^∇^ξ) ホホホホホホホホホ>>>9~10
3796 Rating: 4.9/10 (92 votes cast)
よせられたコメント
【最近の更新(10件)】
[2024-11-21]
ショパン:ピアノ協奏曲 第1番 ホ短調, Op.11(Chopin:Piano Concerto No.1, Op.11)
(P)エドワード・キレニ:ディミトリ・ミトロプーロス指揮 ミネアポリス交響楽団 1941年12月6日録音((P)Edword Kilenyi:(Con)Dimitris Mitropoulos Minneapolis Symphony Orchestra Recorded on December 6, 1941)
[2024-11-19]
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.77(Brahms:Violin Concerto in D major. Op.77)
(Vn)ジネット・ヌヴー:イサイ・ドヴローウェン指揮 フィルハーモニア管弦楽 1946年録音(Ginette Neveu:(Con)Issay Dobrowen Philharmonia Orchestra Recorded on 1946)
[2024-11-17]
フランク:ヴァイオリンソナタ イ長調(Franck:Sonata for Violin and Piano in A major)
(Vn)ミッシャ・エルマン:(P)ジョセフ・シーガー 1955年録音(Mischa Elman:Joseph Seger Recorded on 1955)
[2024-11-15]
モーツァルト:弦楽四重奏曲第17番「狩」 変ロ長調 K.458(Mozart:String Quartet No.17 in B-flat major, K.458 "Hunt")
パスカル弦楽四重奏団:1952年録音(Pascal String Quartet:Recorded on 1952)
[2024-11-13]
ショパン:「華麗なる大円舞曲」 変ホ長調, Op.18&3つの華麗なるワルツ(第2番~第4番.Op.34(Chopin:Waltzes No.1 In E-Flat, Op.18&Waltzes, Op.34)
(P)ギオマール・ノヴァエス:1953年発行(Guiomar Novaes:Published in 1953)
[2024-11-11]
ドヴォルザーク:ヴァイオリン協奏曲 イ短調, Op.53(Dvorak:Violin Concerto in A minor, Op.53)
(Vn)アイザック・スターン:ディミトリ・ミトロプーロス指揮 ニューヨーク・フィルハーモニー交響楽団 1951年3月4日録音(Isaac Stern:(Con)Dimitris Mitropoulos The New York Philharmonic Orchestra Recorded on March 4, 1951)
[2024-11-09]
ワーグナー:「神々の黄昏」夜明けとジークフリートの旅立ち&ジークフリートの葬送(Wagner:Dawn And Siegfried's Rhine Journey&Siegfried's Funeral Music From "Die Gotterdammerung")
アルトゥール・ロジンスキー指揮 ロイヤル・フィルハーモニ管弦楽団 1955年4月録音(Artur Rodzinski:Royal Philharmonic Orchestra Recorded on April, 1955)
[2024-11-07]
ベートーベン:ピアノ協奏曲第4番 ト長調 作品58(Beethoven:Piano Concerto No.4, Op.58)
(P)クララ・ハスキル:カルロ・ゼッキ指揮 ロンドン・フィルハーモニック管弦楽団 1947年6月録音(Clara Haskil:(Con)Carlo Zecchi London Philharmonic Orchestra Recorded om June, 1947)
[2024-11-04]
ブラームス:交響曲第3番 ヘ長調, Op.90(Brahms:Symphony No.3 in F major, Op.90)
アルトゥーロ・トスカニーニ指揮 フィルハーモニア管弦楽団 1952年9月29日&10月1日録音(Arturo Toscanini:The Philharmonia Orchestra Recorded on September 29&October 1, 1952)
[2024-11-01]
ハイドン:弦楽四重奏曲 変ホ長調「冗談」, Op.33, No.2,Hob.3:38(Haydn:String Quartet No.30 in E flat major "Joke", Op.33, No.2, Hob.3:38)
プロ・アルテ弦楽四重奏団:1933年12月11日録音(Pro Arte String Quartet]Recorded on December 11, 1933)