クラシック音楽へのおさそい~Blue Sky Label~




Home|アンセルメ(Ernest Ansermet)|ビゼー:カルメン組曲

ビゼー:カルメン組曲

エルネスト・アンセルメ指揮 スイス・ロマンド管弦楽団 1958年5月録音



Bizet:Carmen Suite [1.Prelude Acte 1]

Bizet:Carmen Suite [2.Prelude Acte 4]

Bizet:Carmen Suite [3.Prelude Acte 3]

Bizet:Carmen Suite [4.Prelude Acte 2]

Bizet:Carmen Suite [5.Scene des contrebandiers Acte 3]

Bizet:Carmen Suite [6.Habanera Acte 1]

Bizet:Carmen Suite [7.Nocturne Acte 3]

Bizet:Carmen Suite [8.La Garde montante Acte 1]

Bizet:Carmen Suite [9.Danse boheme Acte 2]


ホフマン版カルメン組曲

カルメン組曲は、ビゼー自身が選曲をしたのではなく、ホフマンによって構成されたものです。
一般的には以下のような構成になっていて、厳密には「ホフマン版組曲」と呼ばれるものです。

第1組曲:前奏曲と間奏曲を中心に構成される。




  1. 前奏曲

  2. アラゴネーズ (第1幕への前奏曲の後半部分、第4幕への間奏曲)

  3. 間奏曲 (第3幕への間奏曲)

  4. セギディーリャ

  5. アルカラの竜騎兵 (第2幕への間奏曲)

  6. 終曲(闘牛士) (第1幕への前奏曲の前半部分)



第2組曲:アリアや合唱入りの曲をオーケストラ用に編曲した6曲で構成される。




  1. 密輸入者の行進

  2. ハバネラ

  3. 夜想曲 (ミカエラのアリア)

  4. 闘牛士の歌

  5. 衛兵の交代(子どもたちの合唱)

  6. ジプシーの踊り



しかしながら、この組曲はビゼー自身の手になるものではないと言うこともあって、この形のままで演奏されることは滅多にないようです。
指揮者によって、その順番が変えられたり幾つかの曲が削除されるのが一般的です。


地中海的な陽光に溢れた音楽であり、爽やかな乾いた風が吹き抜けていくような音楽でもあります

同じ顔ぶれによるビゼーの交響曲を紹介したときには「実にあっさりと、そしてサラッとした感じで仕上げています。よく言えばラテン的な明晰さに溢れていると言えますが、悪く言えばいささか素っ気なくも聞こえます。」と書きました。
それと比べるならば、この58年に録音されたカルメンとアルルの女の組曲はさらにラテン的な明晰さに溢れていて、それ故に素っ気ないと感じる場面もほとんどありません。

例えてみれば、それは地中海的な陽光に溢れた音楽であり、爽やかな乾いた風が吹き抜けていくような音楽でもあります。

それにしても、オーケストラのバランスを完璧にコントロールしていくアンセルメの手腕には驚かされます。
アンセルメと手兵のスイス・ロマンド管弦楽団が始めて来日したときには、録音で聞くことができた完璧なバランスとはほど遠いものだったので、あの絶妙なバランスは録音によるマジックだと言われたものです。しかしながら、「Decca」録音は基本的にワンポイント的なスタイルを守り続けていましたから、編集の段階でオーケストラの個々の楽器のバランスを手直しすることは不可能でした。

アンセルメは最後までマルチ・トラックによる録音を嫌いました。
何故ならば、スタジオ録音において、オーケストラのバランスを整えるのは録音エンジニアの仕事ではなくて指揮者の仕事だと考えていたからです。ですから、彼が録音スタッフに要求したことは、自分が作りあげたその完璧なバランスを出来る限り正確に拾い上げることだったのです。

実際、そのバランスに関するアンセルメの耳の良さは驚異的だったとカルショーも述懐しています。
若き時代に「バランスのセル」とまで言われたジョージ・セルと較べても劣る部分は全くなかっただけでなく、「Decca」の音の良さの最大の原因は「ffrr」などという録音技術によるだけでなく、何よりもアンセルメがつくり出す音の良さに負うところが大きかったとまで言い切っているのです。

アンセルメという指揮者は理知的な指揮者だと言われたのですが、おそらくはその理知的なことの良さが最大限に発揮されたのがこの二つの組曲でしょう。
それから、この二つの組曲の構成なのですが、カルメン組曲の方は一般的なスタイルとは少し変わっていて、いわゆる二つの組曲を合体させて何曲かを間引いています。アルルの女の組曲は二つの組曲を合体させてまとめた形で録音しています。
アルルの女の第1組曲以外はビゼー以外の人が勝手にまとめたものですから、それをどのように再構成しようと指揮者の勝手と言うことなのでしょう。

ビゼー:カルメン組曲


  1. 第1幕への前奏曲

  2. 第4幕への間奏曲(アラゴネーズ)

  3. 第3幕への間奏曲(間奏曲)

  4. 第2幕への間奏曲(アルカラの龍騎兵)

  5. 密輸入者の行進(第3幕)

  6. ハバネラ(第1幕)

  7. 夜想曲(第3幕:ミカエラのアリア)

  8. 衛兵の交代(第1幕:子供たちの行進)

  9. ジプシーの踊り(第2幕)



ビゼー:アルルの女組曲


  1. 第1組曲 第1曲: 前奏曲

  2. 第1組曲 第2曲: メヌエット

  3. 第1組曲 第3曲: アダージェット

  4. 第1組曲 第4曲: カリヨン(鐘)

  5. 第2組曲 第1曲: パストラール

  6. 第2組曲 第2曲: 間奏曲

  7. 第2組曲 第3曲: メヌエット

  8. 第2組曲 第4曲: ファランドール

この演奏を評価してください。

  1. よくないねー!(≧ヘ≦)ムス~>>>1~2
  2. いまいちだね。( ̄ー ̄)ニヤリ>>>3~4
  3. まあ。こんなもんでしょう。ハイヨ ( ^ - ^")/>>>5~6
  4. なかなかいいですねo(*^^*)oわくわく>>>7~8
  5. 最高、これぞ歴史的名演(ξ^∇^ξ) ホホホホホホホホホ>>>9~10



3795 Rating: 4.9/10 (63 votes cast)

  1. 件名は変更しないでください。
  2. お寄せいただいたご意見や感想は基本的に紹介させていただきますが、管理人の判断で紹介しないときもありますのでご理解ください
名前*
メールアドレス
件名
メッセージ*
サイト内での紹介

 

よせられたコメント




【リスニングルームの更新履歴】

【最近の更新(10件)】



[2024-11-24]

ブラームス:交響曲第4番 ホ短調, Op.98(Brahms:Symphony No.4 in E minor, Op.98)
アルトゥーロ・トスカニーニ指揮 フィルハーモニア管弦楽団 1952年9月29日&10月1日録音(Arturo Toscanini:The Philharmonia Orchestra Recorded on September 29&October 1, 1952)

[2024-11-21]

ショパン:ピアノ協奏曲 第1番 ホ短調, Op.11(Chopin:Piano Concerto No.1, Op.11)
(P)エドワード・キレニ:ディミトリ・ミトロプーロス指揮 ミネアポリス交響楽団 1941年12月6日録音((P)Edword Kilenyi:(Con)Dimitris Mitropoulos Minneapolis Symphony Orchestra Recorded on December 6, 1941)

[2024-11-19]

ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.77(Brahms:Violin Concerto in D major. Op.77)
(Vn)ジネット・ヌヴー:イサイ・ドヴローウェン指揮 フィルハーモニア管弦楽 1946年録音(Ginette Neveu:(Con)Issay Dobrowen Philharmonia Orchestra Recorded on 1946)

[2024-11-17]

フランク:ヴァイオリンソナタ イ長調(Franck:Sonata for Violin and Piano in A major)
(Vn)ミッシャ・エルマン:(P)ジョセフ・シーガー 1955年録音(Mischa Elman:Joseph Seger Recorded on 1955)

[2024-11-15]

モーツァルト:弦楽四重奏曲第17番「狩」 変ロ長調 K.458(Mozart:String Quartet No.17 in B-flat major, K.458 "Hunt")
パスカル弦楽四重奏団:1952年録音(Pascal String Quartet:Recorded on 1952)

[2024-11-13]

ショパン:「華麗なる大円舞曲」 変ホ長調, Op.18&3つの華麗なるワルツ(第2番~第4番.Op.34(Chopin:Waltzes No.1 In E-Flat, Op.18&Waltzes, Op.34)
(P)ギオマール・ノヴァエス:1953年発行(Guiomar Novaes:Published in 1953)

[2024-11-11]

ドヴォルザーク:ヴァイオリン協奏曲 イ短調, Op.53(Dvorak:Violin Concerto in A minor, Op.53)
(Vn)アイザック・スターン:ディミトリ・ミトロプーロス指揮 ニューヨーク・フィルハーモニー交響楽団 1951年3月4日録音(Isaac Stern:(Con)Dimitris Mitropoulos The New York Philharmonic Orchestra Recorded on March 4, 1951)

[2024-11-09]

ワーグナー:「神々の黄昏」夜明けとジークフリートの旅立ち&ジークフリートの葬送(Wagner:Dawn And Siegfried's Rhine Journey&Siegfried's Funeral Music From "Die Gotterdammerung")
アルトゥール・ロジンスキー指揮 ロイヤル・フィルハーモニ管弦楽団 1955年4月録音(Artur Rodzinski:Royal Philharmonic Orchestra Recorded on April, 1955)

[2024-11-07]

ベートーベン:ピアノ協奏曲第4番 ト長調 作品58(Beethoven:Piano Concerto No.4, Op.58)
(P)クララ・ハスキル:カルロ・ゼッキ指揮 ロンドン・フィルハーモニック管弦楽団 1947年6月録音(Clara Haskil:(Con)Carlo Zecchi London Philharmonic Orchestra Recorded om June, 1947)

[2024-11-04]

ブラームス:交響曲第3番 ヘ長調, Op.90(Brahms:Symphony No.3 in F major, Op.90)
アルトゥーロ・トスカニーニ指揮 フィルハーモニア管弦楽団 1952年9月29日&10月1日録音(Arturo Toscanini:The Philharmonia Orchestra Recorded on September 29&October 1, 1952)