AmazonでCDをさがす AmazonでオーマンディのCDをさがす
Home |
オーマンディ |ヴィヴァルディ:2つのヴァイオリンのための協奏曲 ト短調 RV517
ヴィヴァルディ:2つのヴァイオリンのための協奏曲 ト短調 RV517
(Vn)オイストラフ&スターン オーマンディ指揮 フィラデルフィア管弦楽団 1959年12月31日録音 Vivaldi:Concerto for 2 Violin , Strings ando Continuo in G minor RV517 [1st movement]
Vivaldi:Concerto for 2 Violin , Strings ando Continuo in G minor RV517 [2nd movement]
Vivaldi:Concerto for 2 Violin , Strings ando Continuo in G minor RV517 [3rd movement]
協奏曲のスタイルを確立した作曲家
ヴィヴァルディと言えば「四季」しか思い浮かばない人が多いと思いますが、実は多作な作曲家でした。
私の手もとにも全集のボックス盤があるのですが、結構な重量物です。
そして、その大半を占めるのが「協奏曲」のジャンルです。楽譜が残されているものだけでも500曲を超えます。
後世との関係でいえば、ヴィヴァルディの最大の功績はこの「協奏曲」というジャンルをコレッリなどから引き継いで完成させたことが挙げられます。
コレッリの時代に「協奏曲」といえば基本は「合奏協奏曲」でした。
「合奏協奏曲」とは聞き慣れない言葉ですが、独奏楽器群(コンチェルティーノ)とオーケストラの総奏(リピエーノ)に分かれ、2群が交代しながら演奏する楽曲のことです。
ヴィヴァルディも最初はこのスタイルで作品を書き始めるのですが、やがて一人の独奏楽器の奏者にオーケストラの総奏が対峙するスタイルに変化していきます。そして、3楽章構成を基本として「急ー緩ー急」という「ヴィヴァルディ・タイプ」を確立しました。
この基本スタイルに大きな影響を受けたのがバッハでした。
そして、この偉大なバッハに影響を与えた作曲家、と言う文脈で20世紀に入ってから再発見されたのがヴィヴァルディだったわけです。
ヴィヴァルディが「合奏協奏曲」のスタイルを捨てて「独奏協奏曲」のスタイルで書いた作品は300曲を超えるといわれています。そして、その大半がヴァイオリンのための協奏曲でした。
その事は、彼自身がヴァイオリンの名手であり、興行主としてお金儲けに熱心だったことが関係しています。
そして、その膨大なヴァイオリン協奏曲の他に二つの独奏ヴァイオリンのための協奏曲も25曲ほど残されています。「RV(リオム番号)」でいえば「RV505」から「RV530」までです。
このスタイルが「合奏協奏曲」から「独奏協奏曲」への過渡期の作品なのか、それとも「独奏協奏曲」の発展形なのかは資料を調べた限りではよく分かりませんでした。しかし、独奏楽器の名人性ということでは控えめな感じがするので、雰囲気としては「過渡期」の作品と見るのが妥当なのかもしれません。
2つのヴァイオリンのための協奏曲 ハ短調 RV509
2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ長調 RV512
2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 RV514
2つのヴァイオリンのための協奏曲 ト短調 RV517
売れ筋を狙ったのでしょうか?
ヴァイオリンの独奏者にオイストラフとスターンを招き、バックにオーマンディ&フィラデルフィア管弦楽団を配するという豪華な顔ぶれで、どうしてこのような作品を録音しようという話になったのかがどうしても理解できません。
そこに、なにかの「芸術的価値」もしくは「芸術的興味」があったとはどうしても思えません。
確かにヴィヴァルディは協奏曲というスタイルを確立するという「いい仕事」を成し遂げた人ですが、しかし個々の作品を見てみれば「「同じ協奏曲を書き換えただけのものだ」との酷評にも何となく納得してしまう部分があるのも事実です。耳あたりの良い、そして発止とした音楽を書いたことは否定しませんが、何を聴いてもみんな同じように聞こえることも事実です。
となると、これは、やはりレーベル側が持ちかけた「おいしい仕事」だったのかな?と思わざるを得ません。
時は、イ・ムジチの仕掛けた「四季」でバロック音楽はブームになっていました。ですから、そのブームに乗って、このビッグネームで一儲けを狙ったと見ても、それほど穿った見方とは言えないでしょう。
ただ、これを聴いて面白いなと思ったのは、「四季」の時には独奏者が身内のコン・マスだったので弦楽器オケは好き勝手に弾きまくっていましたが、さすがに独奏者にオイストラフとスターンを招くとそう言うわけにはいかなかったようです。
妙に、行儀良くバランスをとってしまっているのが実に残念です。
願わくば、このオイストラフとスターンに喧嘩を仕掛けるような爆走をしてくれて、それにこの両巨頭が突っかかってくれたならば、それこそ一期一会の演奏が聴けたはずです。
どうせやるなら、そこまでやってほしかったです、オーマンディさん!!
Youtubeチャンネル登録
古い録音が中心ですがYoutubeでもアップしていますので、是非チャンネル登録してください。
関連コンテンツ
この演奏を評価してください。
よくないねー!(≧ヘ≦)ムス~>>>1~2
いまいちだね。( ̄ー ̄)ニヤリ>>>3~4
まあ。こんなもんでしょう。ハイヨ ( ^ - ^")/>>>5~6
なかなかいいですねo(*^^*)oわくわく>>>7~8
最高、これぞ歴史的名演(ξ^∇^ξ) ホホホホホホホホホ>>>9~10
2194 Rating: 5.0 /10 (84 votes cast)
よせられたコメント 2015-02-23:nakamoto やはり、二つのヴァイオリンの美しさは、素晴らしいです。ユング君さんが、アップしてくれなかったら、聴く機会も無かったかもしれません。ピリオド楽器を聴きなれていると、重い感じがしてしまいますし、モダン楽器を聴きなれていると、ピリオド楽器が、深みと旨味が足らない気がしてしまいます。なかなか、両者を聴き分ける事は、難しさを伴います。でも、バロック音楽を聴こうとすると、どうしたって、ピリオド演奏を無視できないです。両方とも素晴らしいのですが、なかなか切り替えが難しい物です。伴奏もセルだったらとは思います。ちょっと前にユング君さんがアップしてくれた、セルの一連の協奏曲は、全部何故か昔買っていたんです。セルだったら、外れ無し、という思いで買った記憶があります。昔の自分にアッパレと感じています。セルは、ヴィヴァルディになんか興味ないのかもしれませんが・・・私としては、ガンガン録音して欲しかったです・・・。
【最近の更新(10件)】
[2023-03-26]
シューマン:3つのロマンス, Op.94(Schumann:Drei Romanzen. Op.94)
(Cello)モーリス・ジャンドロン (P)ジャン・フランセ 1952年8月18日録音(Maurice Gendron:(P)Jean Francaix Recorded on August 18, 1952)
[2023-03-25]
ブゾーニ:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調, Op. 35a(Busoni:Violin Concerto in D major, Op 35a)
(Vn)ジークフリート・ボリース:セルジュ・チェリビダッケ指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 1949年9月4日録音(Siegfried Borries:(Con)Sergiu Celibidache:the Berlin Philharmonic Orchestra Recorded on September 4, 1949)
[2023-03-24]
ファリャ:恋は魔術師(Falla:El amor brujo)
アタウルフォ・アルヘンタ指揮 スイス・ロマンド管弦楽団 1957年8月29日ライブ録音(Ataulfo Argenta:Orchestre de la Suisse Romande Recorded on August 29, 1957)
[2023-03-23]
スーク:交響詩「人生の実り」Op.34(Suk:The Ripening Op.34)
ヴァーツラフ・ターリヒ指揮:チェコ・フィルハーモニー管弦楽団 1954年9月7日録音録音(Vaclav Talich:Czech Philharmonic Recorded on September 7, 1954)
[2023-03-22]
ヨハン・シュトラウス II:ワルツ「春の声」 Op.410(Johann Strauss II:Voices of Spring, Op.410)
ユージン・オーマンディ指揮 フィラデルフィア管弦楽団 1959年12月27日録音(Eugene Ormandy:Philadelphis Orchestra Recorded on December 27, 1959}
[2023-03-21]
ベートーベン:弦楽四重奏曲第15番 イ短調 Op.132(Beethoven:String Quartet No.15 in A minor Op.132)
ウィーン・コンツェルトハウス四重奏団 1951年録音(Wiener Konzerthaus Quartett:Recorded on 1951)
[2023-03-20]
シューマン:チェロ協奏曲 イ短調, Op.129(Schumann:Cello Concerto in A minor, Op.129)
(Cell)ザラ・ネルソヴァ:ゲオルク・ルートヴィヒ・ヨッフム指揮、ベルリン放送交響楽団 1960年2月1日~2日録音(Zara Nelsova:(Con)Georg Ludwig Jochum Berlin Radio Symphony Orchestra Recorded on February 1-2, 1960)
[2023-03-19]
テレマン:ターフェルムジーク 第3集 四重奏曲 ホ短調(フルート、ヴァイオリン、チェロと通奏低音のための) (Telemann:Sonata a 4, TWV 43:e2)
(Vn)ヤープ・シュレーダー (Flut)フランス・ヴェスター (Vn)ヤープ・シュレーダー (Cello)アンナー・バイルスマ (Harpsichord)グスタフ・レオンハルトt (Cello)アンナー・バイルスマ 1964年録音((Violin)Jaap Schroder (Flut)Frans Vester (Vn)Jaap Schroder (Cello)Anner Bijlsma (Harpsichord)Gustav Leonhardt Recorded on 1964)
[2023-03-18]
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第8番 ハ短調, Op.13「悲愴」(Beethoven: Piano Sonata No.8 In C Minor, Op.13 "Pathetique" )
(P)サンソン・フランソワ:1963年4月12日録音(Samson Francois: Recorded on April 12, 1963)
[2023-03-17]
ベルリオーズ:幻想交響曲 作品14(Berlioz:Symphonie fantastique in C minor, H 48)
ピエール・モントゥー指揮 サンフランシスコ交響楽団 1945年2月27日~28日録音(Pierre Monteux:San Francisco Symphony Orchestra Recorded on February 27-28, 1945)