Home |
サヴァリッシュ(Wolfgang Sawallisch) |ベートーベン:交響曲第6番 ヘ長調 作品68「田園」
ベートーベン:交響曲第6番 ヘ長調 作品68「田園」
サヴァリッシュ指揮 ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団 1960年9月録音 Beethoven:Symphony No.6 in F major Op.68 "Pastoral" [1st movement]
Beethoven:Symphony No.6 in F major Op.68 "Pastoral" [2nd movement]
Beethoven:Symphony No.6 in F major Op.68 "Pastoral" [3rd movement]
Beethoven:Symphony No.6 in F major Op.68 "Pastoral" [4th movement]
Beethoven:Symphony No.6 in F major Op.68 "Pastoral" [5th movement]
標題付きの交響曲
よく知られているように、この作品にはベートーベン自身による標題がつけられています。
第1楽章:「田園に到着したときの朗らかな感情の目覚め」
第2楽章:「小川のほとりの情景」
第3楽章:「農民の楽しい集い」
第4楽章:「雷雨、雨」
第5楽章:「牧人の歌、嵐のあとの喜ばしい感謝の感情」
また、第3楽章以降は切れ目なしに演奏されるのも今までない趣向です。
これらの特徴は、このあとのロマン派の時代に引き継がれ大きな影響を与えることになります。
しかし、世間にはベートーベンの音楽をこのような標題で理解するのが我慢できない人が多くて、「そのような標題にとらわれることなく純粋に絶対的な音楽として理解するべきだ!」と宣っています。
このような人は何の論証も抜きに標題音楽は絶対音楽に劣る存在と思っているらしくて、偉大にして神聖なるベートーベンの音楽がレベルの低い「標題音楽」として理解されることが我慢できないようです。ご苦労さんな事です。
しかし、そういう頭でっかちな聴き方をしない普通の聞き手なら、ベートーベンが与えた標題が音楽の雰囲気を実にうまく表現していることに気づくはずです。
前作の5番で人間の内面的世界の劇的な葛藤を描いたベートーベンは、自然という外的世界を描いても一流であったと言うことです。同時期に全く正反対と思えるような作品を創作したのがベートーベンの特長であることはよく知られていますが、ここでもその特徴が発揮されたと言うことでしょう。
またあまり知られていないことですが、残されたスケッチから最終楽章に合唱を導入しようとしたことが指摘されています。
もしそれが実現していたならば、第五の「運命」との対比はよりはっきりした物になったでしょうし、年末がくれば第九ばかり聞かされると言う「苦行(^^;」を味わうこともなかったでしょう。
ちょっと残念なことです。
爽快で律儀なベートーベン
サヴァリッシュのベートーベンと言えば90年代にロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団との録音が有名ですが、個人的にはコンセルトヘボウの変貌(本音は「凋落」と言う言葉を使いたい)が感じ取れる録音だなぁといつも思っていました。そして、その変貌はサヴァリッシュの正確無比なバトンテクニックのおかげで私のような駄耳でも聞き取れるようにしてくれている感じがしたものです。
その後、シャイーの時代になったコンセルトヘボウの来日コンサートは私の人生における最悪の体験の一つになったものです。
それと比べれば、この60年に録音された田園から聞こえるコンセルトヘボウの響きはとても魅力的です。
サヴァリッシュと言えばN響との関係が深く、日本の聴衆にとってはあまりにもなじみが深かったために却って有り難みがなくて低い評価に甘んじた人でした。
これで演奏できなければ嘘だろう・・・と思うほどに正確無比な指揮ぶりも、この国では評価を下げることにつながっても上がることにはつながりませんでした。逆に、あれでどうして演奏できるんだろう・・・(^^;?と、いぶかしく思うようなマ○○ッチ先生なんかは巨匠と呼ばれたんですから不思議なものです。
ただ、残念に思うのは年を重ねても律儀さを失わず、我が儘にも傲慢にもならなかったこと。少しはヴァントを見習っていればと思うのですが、そう言うことこそ無い物ねだりというのでしょうね。
この演奏を評価してください。
よくないねー!(≧ヘ≦)ムス~>>>1~2
いまいちだね。( ̄ー ̄)ニヤリ>>>3~4
まあ。こんなもんでしょう。ハイヨ ( ^ - ^")/>>>5~6
なかなかいいですねo(*^^*)oわくわく>>>7~8
最高、これぞ歴史的名演(ξ^∇^ξ) ホホホホホホホホホ>>>9~10
2151 Rating: 5.1 /10 (141 votes cast)
よせられたコメント
【最近の更新(10件)】
[2025-10-14]
ワーグナー;神々の黄昏 第3幕(Wagner:Gotterdammerung Act3)
ゲオルグ・ショルティ指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 (S)ビルギット・ニルソン (T)ヴォルフガング・ヴィントガッセン他 ウィーン国立歌劇場合唱団 1964年5月、6月、10月、11月録音(Georg Solti:The Vienna Philharmonic Orchestra(S)Birgit Nilsson (T)Wolfgang Windgassen April May October November, 1964)
[2025-10-13]
ワーグナー;神々の黄昏 第2幕(Wagner:Gotterdammerung Act2)
ゲオルグ・ショルティ指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 (S)ビルギット・ニルソン (T)ヴォルフガング・ヴィントガッセン他 ウィーン国立歌劇場合唱団 1964年5月、6月、10月、11月録音(Georg Solti:The Vienna Philharmonic Orchestra(S)Birgit Nilsson (T)Wolfgang Windgassen April May October November, 1964)
[2025-10-12]
ワーグナー;神々の黄昏 第1幕(Wagner:Gotterdammerung Act1)
ゲオルグ・ショルティ指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 (S)ビルギット・ニルソン (T)ヴォルフガング・ヴィントガッセン他 ウィーン国立歌劇場合唱団 1964年5月、6月、10月、11月録音(Georg Solti:The Vienna Philharmonic Orchestra(S)Birgit Nilsson (T)Wolfgang Windgassen April May October November, 1964)
[2025-10-11]
ワーグナー;神々の黄昏 プロローグ(Wagner:Gotterdammerung Prologue )
ゲオルグ・ショルティ指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 (S)ビルギット・ニルソン (T)ヴォルフガング・ヴィントガッセン他 ウィーン国立歌劇場合唱団 1964年5月、6月、10月、11月録音(Georg Solti:The Vienna Philharmonic Orchestra(S)Birgit Nilsson (T)Wolfgang Windgassen April May October November, 1964)
[2025-10-08]
ベートーベン:交響曲第5番 ハ短調 「運命」 作品67(Beethoven:Symphony No.5 in C minor, Op.67)
ジョルジュ・ジョルジェスク指揮 ブカレスト・ジョルジェ・エネスク・フィルハーモニー管弦楽団 1961年8月録音(George Georgescu:Bucharest George Enescu Philharmonic Orchestra Recorded on August, 1961)
[2025-10-06]
エルガー:交響的習作「フォルスタッフ」, Op.68(Elgar:Falstaff Symphonic Study, Op.66)
サー・ジョン・バルビローリ指揮 ハレ管弦楽団 1964年6月1日録音(Sir John Barbirolli:Halle Orchestra Recorded on June 1, 1964)
[2025-10-04]
ブラームス:弦楽四重奏曲 第3番 変ロ長調 Op.67(Brahms:String Quartet No.3 in B-flat major, Op.67)
アマデウス弦楽四重奏団 1957年4月11日録音(Amadeus String Quartet:Recorde in April 11, 1957)
[2025-10-02]
J.S.バッハ:幻想曲 ハ短調 BWV.562(Bach:Fantasia and Fugue in C minor, BWV 562)
(Organ)マリー=クレール・アラン:1959年11月2日~4日録音(Marie-Claire Alain:Recorded November 2-4, 1959)
[2025-09-30]
ベートーベン:合唱幻想曲 ハ短調 Op.80(Beethoven:Fantasia in C minor for Piano, Chorus and Orchestra, Op.80)
(P)ハンス・リヒター=ハーザー カール・ベーム指揮 ウィーン交響楽団 ウィーン国立歌劇場合唱団 (S)テレサ・シュティヒ=ランダル (A)ヒルデ・レッセル=マイダン (T)アントン・デルモータ (Br)パウル・シェフラ 1957年6月録音(Hans Richter-Haaser:(Con)Karl Bohm Wiener Wiener Symphoniker Staatsopernchor (S)Teresa Stich-Randall (A)Hilde Rossel-Majdan (T)Anton Dermota (Br)Paul Schoffler Recorded on June, 1957)
[2025-09-28]
エルガー:コケイン序曲 Op.40(Elgar:Cockaigne Overture, Op.40)
サー・ジョン・バルビローリ指揮 フィルハーモニア管弦楽団 1962年5月9日&8月27日録音(Sir John Barbirolli:The Philharmonia Orchestra Recorded on May 9&August 27, 1962)