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シューベルト:交響曲第7(8)番 ロ短調 「未完成」 D759

セル指揮 クリーブランド管弦楽団 1960年3月12&19日録音

Schubert:Symphony No.7(8) in B

Schubert:Symphony No.7(8) in B


わが恋の終わらざるがごとく・・・

 この作品は1822年に作曲をされたと言われています。
 シューベルトは、自身も会員となっていたシュタインエルマルク音楽協会に前半の2楽章までの楽譜を提出しています。
 協会は残りの2楽章を待って演奏会を行う予定だったようですが、ご存知のようにそれは果たされることなく、そのうちに前半の2楽章もいつの間にか忘れ去られる運命をたどりました。

 この忘れ去られた2楽章が復活するのは、それから43年後の1965年で、ウィーンの指揮者ヨハン・ヘルベックによって歴史的な初演が行われました。

 その当時から、この作品が何故に未完成のままで放置されたのか、様々な説が展開されてきました。

 有名なのは映画「未完成交響楽」のキャッチコピー、「わが恋の終わらざるがごとく、この曲もまた終わらざるべし」という、シューベルトの失恋に結びつける説です。
 もちろんこれは全くの作り話ですが、こんな話を作り上げてみたくなるほどにロマンティックで謎に満ちた作品です。  

 前半の2楽章があまりにも素晴らしく、さすがのシューベルトも残りの2楽章を書き得なかった、と言うのが今日の一番有力な説のようです。しかし、シューベルトに匹敵する才能があって、それでこのように主張するなら分かるのですが、凡人がこんなことを勝手に言っていいのだろうか、と、ためらいを覚えてしまいます。

 そこで、ユング君ですが、おそらく「興味」を失ったんだろうという、それこそ色気も素っ気もない説が意外と真実に近いのではないかと思っています。
 この時期の交響曲は全て習作の域を出るものではありませんでした。
 彼にとっての第1番の交響曲は、現在第8番と呼ばれる「ザ・グレイト」であったことは事実です。
 その事を考えると、未完成と呼ばれるこの交響曲は、2楽章まで書いては見たものの、自分自身が考える交響曲のスタイルから言ってあまり上手くいったとは言えず、結果、続きを書いていく興味を失ったんだろうという説にはかなり納得がいきます。

 ただ、本人が興味を失った作品でも、後世の人間にとってはかけがえのない宝物となるあたりがシューベルトの凄さではあります。
 一般的には、本人は自信満々の作品であっても、そのほとんどが歴史の藻屑と消えていく過酷な現実と照らし合わせると、いつの時代も神は不公平なものだと再確認させてくれる事実ではあります。


光と影の世界

セルの録音はなかなか初発年が確定できずに困っていました。仕方がないので、古本屋をあさって入手した「洋楽レコード総目録」を使って国内での初発年を調べて、それをもとに音源をアップしていました。
たとえば、このシューベルトの未完成も録音は1960年に行われているのに、国内での初発年は1964年でした。おそらく、アメリカではもっと早い時期に発売されていると思うのですが、なかなか確認することが出来ませんでした。こういうサイトをやっていて、一番もどかしくもあり、困難を感じる問題です。

しかし、最近になって、Googleが「Billboard誌」をデジタル化してくれていて、検索も出来ることを発見しました。ですから、そのページで「Szell Schubert」でも検索すれば、この録音に関する記事が「1962年4月28日」に発売された「Billboard誌」に掲載されていることがすぐに分かります。と言うことは、初発年は間違いなく1962年であり、2013年には間違いなくパブリックドメインと鳴っていたことが確認できます。

これは実に便利です。

さて、このセルによる「未完成」ですが、ワルターの演奏とは対極にあるような演奏です。しかし、半音階転調を繰り返して光と影が微妙に交錯するシューベルト的な世界をこれほど緻密に描き出している演奏は滅多にありません。今もって、素晴らしい演奏の一つだと言えます。

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