クラシック音楽 | リスニングルーム | シューベルト:交響曲第7(8)番 「未完成」

クラシック音楽へのおさそい~Blue Sky Label~



AmazonでCDをさがすAmazonでワルターのCDをさがす
Home|ワルター|シューベルト:交響曲第7(8)番 「未完成」

シューベルト:交響曲第7(8)番 「未完成」

ブルーノ・ワルター指揮 ウィーンフィル 1936年録音

Schubert:Symphony No.8 in B Minor, D.759 "Unfinished"[1.Allegro moderato]

Schubert:Symphony No.8 in B Minor, D.759 "Unfinished"[2.Andante con moto]




わが恋の終わらざるがごとく・・・

 この作品は1822年に作曲をされたと言われています。
 シューベルトは、自身も会員となっていたシュタインエルマルク音楽協会に前半の2楽章までの楽譜を提出しています。
 協会は残りの2楽章を待って演奏会を行う予定だったようですが、ご存知のようにそれは果たされることなく、そのうちに前半の2楽章もいつの間にか忘れ去られる運命をたどりました。

 この忘れ去られた2楽章が復活するのは、それから43年後の1965年で、ウィーンの指揮者ヨハン・ヘルベックによって歴史的な初演が行われました。

 その当時から、この作品が何故に未完成のままで放置されたのか、様々な説が展開されてきました。

 有名なのは映画「未完成交響楽」のキャッチコピー、「わが恋の終わらざるがごとく、この曲もまた終わらざるべし」という、シューベルトの失恋に結びつける説です。
 もちろんこれは全くの作り話ですが、こんな話を作り上げてみたくなるほどにロマンティックで謎に満ちた作品です。  

 前半の2楽章があまりにも素晴らしく、さすがのシューベルトも残りの2楽章を書き得なかった、と言うのが今日の一番有力な説のようです。しかし、シューベルトに匹敵する才能があって、それでこのように主張するなら分かるのですが、凡人がこんなことを勝手に言っていいのだろうか、と、ためらいを覚えてしまいます。

 そこで、ユング君ですが、おそらく「興味」を失ったんだろうという、それこそ色気も素っ気もない説が意外と真実に近いのではないかと思っています。
 この時期の交響曲は全て習作の域を出るものではありませんでした。
 彼にとっての第1番の交響曲は、現在第8番と呼ばれる「ザ・グレイト」であったことは事実です。
 その事を考えると、未完成と呼ばれるこの交響曲は、2楽章まで書いては見たものの、自分自身が考える交響曲のスタイルから言ってあまり上手くいったとは言えず、結果、続きを書いていく興味を失ったんだろうという説にはかなり納得がいきます。

 ただ、本人が興味を失った作品でも、後世の人間にとってはかけがえのない宝物となるあたりがシューベルトの凄さではあります。
 一般的には、本人は自信満々の作品であっても、そのほとんどが歴史の藻屑と消えていく過酷な現実と照らし合わせると、いつの時代も神は不公平なものだと再確認させてくれる事実ではあります。

ワルターの未完成 〜 いわゆるウィーン風?


 ウィーン風という言葉を安直に使うのはためらわれますが、この何とも言えず崩れた雰囲気は、思わずそういう言葉を使わせてしまう魅力を持っています。
 アメリカに亡命をしてから、ニューヨークフィルとの演奏がたくさん録音されていますが、こういう雰囲気のある演奏は全く聴けませんから、当時のウィーンの社会とウィーンフィルの影響が前面にでた演奏なのかもしれません。

 それから、これは全くの受け売りですが、シューベルトはアクセントを長めに書く癖があったそうです。そのため、後世の人はこのアクセントを何とディミヌエンドと解釈をして演奏してしまったというのです。アクセントとディミヌエンドでは、角を立てるところが全部丸め込まれてしまうんですから、音楽の雰囲気は全く別物になってしまいます。
 
 ワルターは当時の常識に従って(?)、全てのアクセントをディミヌエンドとして演奏してます。それが何と言えない崩れた雰囲気を醸し出しだす要因となっているようです。
 今日では、当然アクセントはアクセントとして演奏されますので(-_-;) 「おいおい」、ここで聞けるような未完成は滅びてしまいました。
 そんなわけで、今日的常識に照らし合わせてみると、これは全くの勘違いの演奏です。
 それでは全くつまらない演奏なのかと聞かれれば、これがいわゆる「正しい演奏」よりはずっと素晴らしい音楽になっているのが困りものです。(^^;
 このあたりが音楽という営みの難しさ、面白さと言うしかありません。

Youtubeチャンネル登録

ここで紹介している以外の音源をYoutubeで毎日アップしています。
古い録音が中心ですが是非チャンネル登録してください。→チャンネル登録って何ですか?



この演奏を評価してください。

  1. よくないねー!(≧ヘ≦)ムス~>>>1~2
  2. いまいちだね。( ̄ー ̄)ニヤリ>>>3~4
  3. まあ。こんなもんでしょう。ハイヨ ( ^ - ^")/>>>5~6
  4. なかなかいいですねo(*^^*)oわくわく>>>7~8
  5. 最高、これぞ歴史的名演(ξ^∇^ξ) ホホホホホホホホホ>>>9~10



180 Rating: 7.5/10 (171 votes cast)

この演奏に対するご意見や感想をおよせください。

  1. 件名は変更しないでください。
  2. お寄せいただいたご意見や感想は基本的に紹介させていただきますが、管理人の判断で紹介しないときもありますのでご理解ください
名前*
メールアドレス
件名
メッセージ*
サイト内での紹介

 

よせられたコメント

2009-09-22:カンソウ人


【リスニングルームの更新履歴】

【最近の更新(10件)】

[2018-08-21]

ベートーベン:交響曲第7番 イ長調 作品92
ゲオルク・ショルティ指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 1958年10月録音

[2018-08-20]

シューマンピアノ三重奏曲第1番 ニ短調 作品63
(P)エミール・ギレリス (Vn)レオニード・コーガン (Cello)ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ 1958年録音

[2018-08-19]

ワーグナー:「ワルキューレ」より「ヴォータンの別れと魔の炎の音楽」
ハンス・クナッパーツブッシュ指揮 (Br)ジョージ・ロンドン ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 1958年6月9日~11日録音

[2018-08-18]

ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ
カルロ・マリア・ジュリーニ指揮 フィルハーモニア管弦楽団1966年5月17日-18日録音

[2018-08-17]

モーツァルト:ディヴェルティメント 第17番 ニ長調 K.334 「ロビニッヒ・ディヴェルティメント」
フリッツ・ライナー指揮シカゴ交響楽団 1955年4月23日&26日録音

[2018-08-16]

ベートーベン:チェロソナタ第1番 ヘ長調 Op.5-1
(Cell)アントニオ・ヤニグロ (P)イェルク・デムス 1964年録音

[2018-08-15]

ベートーベン:ピアノ協奏曲第1番 ハ長調 作品15
(P)クリストフ・エッシェンバッハ:ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 1966年11月30日~12月1日録音

[2018-08-14]

ベートーベン:交響曲第3番変ホ長調 作品55「英雄」
ゲオルク・ショルティ指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 1959年5月録音

[2018-08-13]

ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲 作品43
フェレンツ・フリッチャイ指揮 (P)マルグリット・ウェーバー ベルリン放送交響楽団 1960年6月3日~6日録音

[2018-08-12]

モーツァルト:交響曲第36番 ハ長調「リンツ」 K.425
フリッツ・ライナー指揮シカゴ交響楽団 1954年4月26日録音