Home|
ビーチャム(Thomas Beecham)|モーツァルト:モーツァルト:フルートとハープのための協奏曲 ハ長調 K.299
モーツァルト:モーツァルト:フルートとハープのための協奏曲 ハ長調 K.299
(Fl.)ルネ・ル・ロワ (Harp.)リリー・ラスキーヌ トーマス・ビーチャム指揮 ロイヤルフィル 1947年録音
Mozart:Flute and Harp Concerto in C major, K.299/297c [1st movement]
Mozart:Flute and Harp Concerto in C major, K.299/297c [2nd movement]
Mozart:Flute and Harp Concerto in C major, K.299/297c [3rd movement]
モーツァルトのメロディーは美しい。しかし、それはため息のように短い。

冒頭の序奏をうけて歌いだすフルートの旋律は、そんなモーツァルトの特長がもっともよく出ています。短くはあっても、一度聞けば決して忘れないメロディーです。
この旋律がもっとも効果的に使われたのが、映画「アマデウス」です。
サリエリがはっきりとモーツァルトに対する殺意を固める場面です。
またこの場面は、サリエリの口を通してこの上もなく素晴らしいモーツァルトへの賛辞が聞ける場面でもあります。
コンスタンツェが夫モーツァルトの作品を持ってサリエリを訪れるところからこの場面は始まります。
皇帝の姪であるエリザベートの音楽教師の職にありつくために、夫に内緒で作品を持ち込んだのです。
サリエリは作品をおいていくように仕向けますが、コンスタンツェは断ります。
コンスタンツェ
「主人に知れたら叱られます。オリジナルですから。」
サリエリ
「これはオリジナルですか?」
コンスタンツェ
「えぇ、写しは作りません」
サリエリ
「これは本当にオリジナルですか?」
そう言って、思わず立ち上がってサリエリは譜面を見つめます。
すると、そこにこの「フルートとハープのための協奏曲」の第2楽章冒頭のメロディーが流れます。
そして、この音楽をバックに晩年のサリエリが語りだします。
「仰天した。とても信じられなかった。 曲想がうかぶまま書いたオリジナルが、どこにも書き直しがない。
どれも直前に完成しているのだ、頭の中で。 どのページも写したように整っている。」
「その音楽は見事なまでにかんぺきだった。
音符一つ変えるだけで破綻が生じ、楽句一つで音楽がこわれる。」
「私は思い知った。・・・それは神の声による響きなのだ。
五線紙に閉じこめられた小さな音符の彼方に、私は至上の美を見た。」
そして、打ちのめされたサリエリは部屋に閉じこもり、初めて神を冒涜する言葉を口にして、十字架を火の中に投じます。
「もうあなたは、敵だ。憎い敵だ。
あなたは、神の賛美を歌う役目に、好色で、下劣で、幼稚なあの若造を選んだ。」
「そして私には彼の天分を見抜く能力だけ。あなたは不公平で、理不尽で、冷酷だ。」
「あんたの思い通りにはさせない。あんたの創造物であるあいつを、傷つけ、打ち砕く。あんたの化身であるあいつを滅ぼす。」
しかし、そんなサリエリの苦悩のバックに流れるモーツァルトの音楽の美しいこと。
やはり、いつの世も神は不公平なものです。
20世紀最高のハーピスト リリー・ラスキーヌ
おそらく彼女なくして現在のハープ音楽を語ることはできないでしょう。今は、ハーピストの登竜門とも言うべきコンクールにもその名を残しています。そう言えば、昨今大変な人気を誇っている竹松舞も「リリー・ラスキーヌ国際コンクール・ジュニア部門第3位入賞」と言うのがキャリアのスタートだったのではないでしょうか。
どちらかと言えば地味な楽器だけに忘れ去られそうな人ですが、もう一度この演奏を聴いて記憶にとどめてください。
ちなみに、ルネ・ル・ロワというのは、往年のフランスの名フルーティストと言うことなのですが、それ以上の情報は持ち合わせていません。しかし、ラスキーヌに負けることなくしっかりと渡り合っていますから大したものです。(もしかしたら、当時はこの人の方が格が上だったのかもしれませんが・・・、と思って調べてみるとラスキーヌの方が年上でした。^^)
とってもロマンティックなモーツァルト堪能できる演奏です。
この演奏を評価してください。
- よくないねー!(≧ヘ≦)ムス~>>>1~2
- いまいちだね。( ̄ー ̄)ニヤリ>>>3~4
- まあ。こんなもんでしょう。ハイヨ ( ^ - ^")/>>>5~6
- なかなかいいですねo(*^^*)oわくわく>>>7~8
- 最高、これぞ歴史的名演(ξ^∇^ξ) ホホホホホホホホホ>>>9~10
129 Rating: 5.4/10 (257 votes cast)
よせられたコメント
2009-12-06:あんひろ
- この曲は初でした。
モーツアルトは基本的にほとんど聴きません。自分的に軽すぎるという思いが大きかったからです。
しかしこのサイトで紹介して下さっているのでと思って市販のクラッシックの名曲ガイドを手にモーツアルトにも手を出しています。
そんな経緯で聴いてみたところ曲がとても良かったです。録音状態も1947年にしてはかなりいいですね〜。パソコンで普通に再生しているというのもあるのかもしれませんが・・・。演奏も満足できるレベルにあります。
基本的に暗く重いドラマのある曲が好きなのですが、ときにはそれに疲れてしまって、違う傾向の曲が聴きたいとなったときに、家にあるものの中から選ぼうとすると、明るい曲がないということを何度か経験してきました。
このサイトにはそれがありました。まだ聴いたことのない曲や、様々な演奏家の演奏をこれからもこのサイトを通して知ることができればと思っています。
【最近の更新(10件)】
[2026-01-10]

バッハ:前奏曲とフーガ ロ短調 BWV.544(J.S.Bach:Prelude and Fugue in B minor, BWV 544)
(Organ)マリー=クレール・アラン:1961年12月10日~12日録音(Marie-Claire Alain:Recorded December 5-8, 1961)
[2026-01-07]

ハイドン:弦楽四重奏曲第57番 ハ長調, Op.54, No.2, Hob.3:57(Haydn:String Quartet No.57 in C major, Op.54, No.2, Hob.3:57)
プロ・アルテ弦楽四重奏団:1932年12月6日録音(Pro Arte String Quartet]Recorded on December 6, 1932)
[2026-01-05]

ベートーベン:ピアノ・ソナタ第24番「テレーゼ」 嬰ヘ長調 Op.78(Beethoven:Piano Sonata No.24 in F-sharp major, Op.78 "A Therese")
(P)ハンス・リヒター=ハーザー 1958年5月録音(Hans Richter-Haaser:Recorded on May, 1958)
[2026-01-03]

フォーレ:夜想曲第10番 ホ短調 作品99(Faure:Nocturne No.10 in E minor, Op.99)
(P)エリック・ハイドシェック:1960年10月21~22日録音(Eric Heidsieck:Recorded 0n October 21-22, 1960)
[2025-12-31]

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第14番嬰ハ短調, Op.131(Beethoven:String Quartet No.14 in C Sharp minor Op.131)
ハリウッド弦楽四重奏団1957年6月15日,22日&29日録音(The Hollywood String Quartet:Recorded on June 15, 22 & 29, 1957)
[2025-12-29]

ドビュッシー:ピアノのために(Debussy:Pour le Piano)
(P)ジーナ・バッカウアー:1964年6月録音(Gina Bachauer:Recorded on June, 1964)
[2025-12-26]

ハイドン:弦楽四重奏曲第58番 ト長調, Op.54, No.1, Hob.3:58(Haydn:String Quartet No.58 in G major, Op.54, No.1, Hob.3:58)
プロ・アルテ弦楽四重奏団:1932年12月6日録音(Pro Arte String Quartet]Recorded on December 6, 1932)
[2025-12-24]

フォーレ:夜想曲第8番 変ニ長調 作品84-8(Faure:Nocturne No.8 in D-flat major, Op.84 No.8)
(P)エリック・ハイドシェック:1960年10月21~22日録音(Eric Heidsieck:Recorded 0n October 21-22, 1960)
[2025-12-24]

フォーレ:夜想曲第9番 ロ短調 作品97(Faure:Nocturne No.9 in B minor, Op.97)
(P)エリック・ハイドシェック:1960年10月21~22日録音(Eric Heidsieck:Recorded 0n October 21-22, 1960)
[2025-12-21]

ベルリオーズ:幻想交響曲 作品14(Berlioz:Symphonie fantastique in C minor, Op.14)
コンスタンティン・シルヴェストリ指揮 パリ音楽院管弦楽団 1961年2月6日~8日&11日録音(Constantin Silvestri:Orchestre De La Societe Des Concerts Du Conservatoire Recorded on June 6-8&11, 1961)