AmazonでCDをさがす![](http://ir-jp.amazon-adsystem.com/e/ir?t=blueskylabel-22&l=ur2&o=9)
Amazonでカザルス(Pablo Casals)のCDをさがす
Home|
カザルス(Pablo Casals)|バッハ:管弦楽組曲 第2番
バッハ:管弦楽組曲 第2番
カザルス指揮 プラド音楽祭管弦楽団 1950年録音
ブランデンブルグ協奏曲と双璧をなすバッハの代表的なオーケストラ作品
![](../Jacket_record/No_Image.jpg)
ブランデンブルグ協奏曲はヴィヴァルディに代表されるイタリア風の協奏曲に影響されながらも、そこにドイツ的なポリフォニーの技術が巧みに融合された作品であるとするならば、管弦楽組曲は、フランスの宮廷作曲家リュリを始祖とする「フランス風序曲」に、ドイツの伝統的な舞踏音楽を融合させたものです。
そのことは、ともすれば虚飾に陥りがちな宮廷音楽に民衆の中で発展してきた舞踏音楽を取り入れることで新たな生命力をそそぎ込み、同時に民衆レベルの舞踏音楽にも芸術的洗練をもたらしました。同様に、ブランデンブルグ協奏曲においても、ともすればワンパターンに陥りがちなイタリア風の協奏曲に、様々な楽器編成と精緻きわまるポリフォニーの技術を駆使することで驚くべき多様性をもたらしています。
ヨーロッパにおける様々な音楽潮流がバッハという一人の人間のもとに流れ込み、そこで新たな生命力と形式を付加されて再び外へ流れ出していく様を、この二つのオーケストラ作品は私たちにハッキリと見せてくれます。
ただし、自筆のスコアが残っているブランデンブルグ協奏曲に対して、この管弦楽組曲の方は全て失われているため、どういう目的で作曲されたのかも、いつ頃作曲されたのかも明確なことは分かっていません。それどころか、本当にバッハの作品なのか?という疑問が提出されたりもしてバッハ全集においてもいささか混乱が見られます。
疑問が提出されているのは、第1番と第5番ですが、新バッハ全集では、1番は疑いもなくバッハの作品、5番は他人の作品と断定し、今日ではバッハの管弦楽組曲といえば1番から4番までの4曲ということになっています。
第1番:荘厳で華麗な典型的なフランス風序曲に続いて、この上もなく躍動的な舞曲が続きます。
第2番:パセティックな雰囲気が支配する序曲と、フルート協奏曲といっていいような後半部分から成り立ちます。終曲は「冗談」という標題が示すように民衆のバカ騒ぎを思わせる底抜けの明るさで作品を閉じます。
第3番:この序曲に「着飾った人々の行列が広い階段を下りてくる姿が目に浮かぶようだ」と語ったのがゲーテです。また、第2曲の「エア」はバッハの全作品の中でも最も有名なものの一つでしょう。
第4番:序曲はトランペットのファンファーレで開始されます。後半部分は弦楽合奏をバックに木管群が自由に掛け合いをするような、コンチェルト・グロッソのような形式を持っています。
プラド音楽祭における貴重な記録
フランコ政権への抗議として南仏の田舎町であるプラドに引きこもったカザルスのもとへ、多くの音楽家が結集して行われた音楽祭がプラド音楽祭です。
この企画の中心になったのは、ブダペスト弦楽四重奏団のセカンド・ヴァイオリンを担当していたアレクサンダー・シュナイダーです。バッハの没後200年を記念するこの音楽祭はオール・バッハのプログラムで構成され、その演奏記録はアメリカ・コロンビア社が録音して開発まもないLPで発売することになりました。
おかげで、その貴重な演奏の大部分を良質な音質で聞くことができるのです。
カザルスの指揮技術はかなり未熟だったようで、棒だけで自らの意志を伝え、短時間で効率的に音楽を仕上げるというようなことはできなかったようです。しかし、技術はなくても彼の中には確固たるバッハの音楽が存在していました。
そのバッハの姿を、彼はリハーサルの中でプラドに集った若き音楽家たちに手間暇をかけてたたき込みました。プレーヤーたちもそういうカザルスのバッハを必死に理解し、それを音に変えていきました。
プラド音楽祭では、そういう指揮者とオーケストラの最も幸福で贅沢な関係が保証されていました。そして、そういう幸福な環境の中でもたらされた素晴らしい果実をこのようにして味わうことができるのは何という幸せでしょうか。
この演奏を評価してください。
- よくないねー!(≧ヘ≦)ムス~>>>1~2
- いまいちだね。( ̄ー ̄)ニヤリ>>>3~4
- まあ。こんなもんでしょう。ハイヨ ( ^ - ^")/>>>5~6
- なかなかいいですねo(*^^*)oわくわく>>>7~8
- 最高、これぞ歴史的名演(ξ^∇^ξ) ホホホホホホホホホ>>>9~10
109 Rating: 5.9/10 (221 votes cast)
よせられたコメント
2009-10-10:カンソウ人
- カザルスの演奏を聴いて感じることは次の3つである。
バッハの管弦楽組曲が現代の大オーケストラの定期で演奏されなくなって長いと思う。室内管弦楽団か、古楽器合奏団か古楽器オーケストラで主に演奏される。ハイドンのロンドンセットやモーツアルトの39番〜41番あたりが境目か、それとももっと後かも知れない。
この曲のフランス風序曲(付点リズム、或いは複付点リズムを特徴とする)の構成は前半の遅い部分(グラーヴェ)が2分の1、アレグロのフーガ風の部分が4分の1、最後の遅い部分が4分の1が良いのではないか(あくまで仮説だが)。前半のグラ―ヴェは繰り返されるから、カザルスのテンポでは前半のグラ―ヴェが長すぎるのではないか。
独奏フルートがオーケストラの全合奏の時に、埋没する。序曲のほとんどの部分で意味をなさない。独奏フルートをはっきり聞こえさせるためには弦楽器の音色がうすいものでなければならにのではないか。フルートを2本にするか、弦楽器を減らすか、弦楽器の音色を羽毛のように軽いものにするか。
2010-01-27:RS
- バディネリは良いですね。
やっぱりバロックの音楽の良さは飛び跳ねてるような疾走感ですね。
【最近の更新(10件)】
[2024-07-24]
![](../Jacket_record/Andre_Navarra/Navarra_Dvorak_Cello_Concerto_Op104_58.jpg)
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調, Op.104(Dvorak:Cello Concerto in B Minor, Op.104)
(Cello)アンドレ・ナヴァラ:ルドルフ・シュワルツ指揮 ナショナル交響楽団 1954年録音(Andre Navarra:(Con)Rudolf Schwarz The New Symphony Orchestra Recorded on, 1954)
[2024-07-22]
![](../Jacket_record/Clara_Haskil/Haskil_Beethoven_Piano_Sonata_No17_18_60.jpg)
ベートーベン:ピアノ・ソナタ第18番 変ホ長調 Op.31-3(Beethoven:Piano Sonata No.18 In E Flat, Op.31 No.3 "The Hunt")
(P)クララ・ハスキル:1960年9月録音(Clara Haskil:Recorded on September, 1960)
[2024-07-20]
![](../Jacket_record/Pascal_String_Quartet/Pascal_String_Quartet_Mozart_String_Quartet_No2-6_52.jpg)
モーツァルト:弦楽四重奏曲第9番 イ長調 K.169(Mozart:String Quartet No.9 in A major, K.169)
パスカル弦楽四重奏団:1952年録音(Pascal String Quartet:Recorded on 1952)
[2024-07-18]
![](../Jacket_record/Vasa_Prihoda/Prihoda_Vieuxtemps_Violin_Concerto_No4_Op31_54.jpg)
ヴュータン:ヴァイオリン協奏曲第4番 ニ短調 作品31(Vieuxtemps:Violin Concerto No.4 in D minor, Op.3)
(Vn)ヴァーシャ・プシホダ:フランツ・マルスツァレク指揮 ケルン放送交響楽団 1954年録音(Vasa Prihoda:(Con)Franz Marszalek Kolner Rundfunk-Sinfonie-Orchester Recorded on 1954)
[2024-07-16]
![](../Jacket_record/Gaspar_Cassado/Cassado_Saint-Saens_Cello_Concerto_No1_Op33_60.jpg)
サン=サーンス:チェロ協奏曲第1番 イ短調, Op.33(Saint-Saens:Cello Concerto No.1 in A Minor, Op.33)
(Cello)ガスパール・カサド:イオネル・ペルレア指揮 バンベルク交響楽団 1960年5月録音(Gaspar Cassado:(Con)Ionel Perlea Bamberg Symphony Orchestra Recorded on May, 1960)
[2024-07-14]
![](../Jacket_record/Jascha_Horenstein/Horenstein_J_Strauss_62.jpg)
ヨハン・シュトラウス:ワルツ「芸術家の生活」, Op.316(Johann Strauss II:Artists Life Op.316)
ヤッシャ・ホーレンシュタイン指揮 ウィーン国立歌劇場管弦楽団 1962年録音(Jascha Horenstein:Vienna State Opera Orchestra Recorded on December, 1962)
[2024-07-12]
![](../Jacket_record/Zino_Francescatti/Francescatti_Lalo_Symphonie_espagnole_Op21_46.jpg)
ラロ:スペイン交響曲 ニ短調, Op21(Lalo:Symphonie espagnole, for violin and orchestra in D minor, Op. 21)
(Vn)ジノ・フランチェスカッティ:アンドレ・クリュイタンス指揮 パリ・コロンビア交響楽団 1946年11月16日録音(Zino Francescatti:(Con)Andre Cluytens La Grand Orchestra Symphonique Colombia Recorded on November 16, 1946)
[2024-07-10]
![](../Jacket_record/Leonid_Kogan/Kogan_Bach_Violin_Concerto_BWV1042_Barshai_59.jpg)
J.S.バッハ:ヴァイオリン協奏曲 ホ長調 BWV1042(Bach:Violin Concerto No.2 in E major, BWV 1042)
(Vn)レオニード・コーガンエ:ルドルフ・バルシャイ指揮 モスクワ室内管弦楽団 1959年録音(Leonid Kogan:(Con)Rudolf Barshai Moscow Chamber Orchestra Recorded on 1959)
[2024-07-08]
![](../Jacket_record/Clara_Haskil/Haskil_Beethoven_Piano_Sonata_No17_18_60.jpg)
ベートーベン:ピアノ・ソナタ第17番「テンペスト」 ニ短調 Op.31-2(Beethoven:Piano Sonata No.17 In D Minor, Op.31 No.2 "Tempest")
(P)クララ・ハスキル:1960年9月録音(Clara Haskil:Recorded on September, 1960)
[2024-07-06]
![](../Jacket_record/Pascal_String_Quartet/Pascal_String_Quartet_Mozart_String_Quartet_No2-6_52.jpg)
モーツァルト:弦楽四重奏曲第8番 ヘ長調 K.168(Mozart:String Quartet No.8 in F major, K.168)
パスカル弦楽四重奏団:1952年録音(Pascal String Quartet:Recorded on 1952)