Home|
ターリッヒ(Vaclav Talich)|ドヴォルザーク:スラブ舞曲 第1集
ドヴォルザーク:スラブ舞曲 第1集
ターリッヒ指揮 チェコフィル 1950年7月6〜8日録音
Dvorak:スラブ舞曲 第1番 No.1
Dvorak:スラブ舞曲 第1番 No.2
Dvorak:スラブ舞曲 第1番 No.3
Dvorak:スラブ舞曲 第1番 No.4
Dvorak:スラブ舞曲 第1番 No.5
Dvorak:スラブ舞曲 第1番 No.6
Dvorak:スラブ舞曲 第1番 No.7
Dvorak:スラブ舞曲 第1番 No.8
ドヴォルザークの出世作
ドヴォルザークは貧乏でした。
ヴィオラ奏者をしたり、教会のオルガニストをしながら創作活動を続けていましたが、それでも生活は苦しくて、政府からの奨学金を得るために作品を出品をしてなんとか食いつないでいました。
そんなドヴォルザークに転機を与えたのが、この奨学金獲得のために出品していた作品でした。幸運だったのは、審査員の中にブラームスとハンスリックがいたことでした。特に、ブラームスはドヴォルザークの才能を高く評価し、なじみの出版業者だったジムロックに紹介の労をとります。ジムロックもブラームスからの紹介だと断れなかったのでしょう、早速に「モラヴィア二重唱曲」を出版するのですが、これが予想外に好評で、これをきっかけとしてドヴォルザークの名は広く知られるようになります。
そして、次に企画されたのがブラームスのハンガリー舞曲のような作品で、「スラブ舞曲」として8曲が注文されます。
最初は4手用のピアノ曲集として出版されたのですが、この作品はたちまち人気作品となり、すぐに管弦楽用に編曲されます。すると、このオーケストラ版も各地のオケが競ってプログラムに取り上げるようになって、ドヴォルザークの名声は世界的に確立されるようになりました。
やはり、人間というのは苦しいときに腐ってしまっては駄目で、そう言うときこそ努力を続けなければいけません。ドヴォルザークはこの幸運のきっかけとなった奨学金獲得のための作品提出を5年も続けていました。この5年の努力が結果としてブラームスの目にとまることにもなったのでしょうし、おそらくはこの5年の努力が作曲家としてのドヴォルザークの力量を大きく伸ばすことにもなったのでしょう。そして、その実力があったればこそ、ひとたびきっかけを得た後は、そのきっかけを確実な「成功」に結びつけることができたのだと思います。
まさに、スラブ舞曲こそはドヴォルザークの出世作でした。
第1番:プレスト ハ長調 4分の3拍子
第2番:アレグレット・スケルツァンド ホ短調 4分の2拍子
第3番:ポーコ・アレグロ 変イ長調 2分の2拍子
第4番:テンポ・ディ・ミヌエット ヘ長調 4分の3拍子
第5番:アレグロ・ヴィヴァーチェ イ長調 4分の2拍子
第6番:アレグレット・スケルツァンド ニ長調 4分の3拍子
第7番:アレグロ・アッサイ ハ短調 4分の2拍子
第8番:プレスト ト短調 4分の2拍子
チェコフィルが本当にチェコフィルらしかった時代の貴重な記録
セルの演奏が民族的な土臭さを一切洗い流したうえで成立しているのに対して、こちらの方はそう言う土臭さをいっぱいに詰め込んだ演奏だと言えます。
ただ、ターリッヒという人はそう言う民族色だけのローカル指揮者ではなくて、ニキッシュのもとでベルリンフィルのコンサートマスターをつとめ、そのニキッシュに影響されて指揮者を志した人物だけあって、指揮技術は実にしっかりしています。ですから、民族色を前面に出した雰囲気だけの演奏とは違って、なんというか古武士のような野太さを持ち合わせた音楽になっています。
これでもう少し録音が良ければと思いますし、実際この年代であればもう少し贅沢も言いたくなるのですが、それでもチェコフィルが本当にチェコフィルらしかった時代の貴重な記録と言うことで我慢していただきましょう。
この演奏を評価してください。
- よくないねー!(≧ヘ≦)ムス~>>>1~2
- いまいちだね。( ̄ー ̄)ニヤリ>>>3~4
- まあ。こんなもんでしょう。ハイヨ ( ^ - ^")/>>>5~6
- なかなかいいですねo(*^^*)oわくわく>>>7~8
- 最高、これぞ歴史的名演(ξ^∇^ξ) ホホホホホホホホホ>>>9~10
772 Rating: 6.1/10 (217 votes cast)
よせられたコメント
2017-12-28:禍有修理人
- すばらしい!重心の低さを感じさせつつも鈍重ではなく、血が沸騰するような泥臭さを持ちながらも知性でコントロールされた芸であることを十分感じさせてくれる!これこそ「心の欲する所に従って矩を踰えず」の境涯ではなかろうか?(そうに違いない!反語法)
【最近の更新(10件)】
[2024-11-24]
ブラームス:交響曲第4番 ホ短調, Op.98(Brahms:Symphony No.4 in E minor, Op.98)
アルトゥーロ・トスカニーニ指揮 フィルハーモニア管弦楽団 1952年9月29日&10月1日録音(Arturo Toscanini:The Philharmonia Orchestra Recorded on September 29&October 1, 1952)
[2024-11-21]
ショパン:ピアノ協奏曲 第1番 ホ短調, Op.11(Chopin:Piano Concerto No.1, Op.11)
(P)エドワード・キレニ:ディミトリ・ミトロプーロス指揮 ミネアポリス交響楽団 1941年12月6日録音((P)Edword Kilenyi:(Con)Dimitris Mitropoulos Minneapolis Symphony Orchestra Recorded on December 6, 1941)
[2024-11-19]
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.77(Brahms:Violin Concerto in D major. Op.77)
(Vn)ジネット・ヌヴー:イサイ・ドヴローウェン指揮 フィルハーモニア管弦楽 1946年録音(Ginette Neveu:(Con)Issay Dobrowen Philharmonia Orchestra Recorded on 1946)
[2024-11-17]
フランク:ヴァイオリンソナタ イ長調(Franck:Sonata for Violin and Piano in A major)
(Vn)ミッシャ・エルマン:(P)ジョセフ・シーガー 1955年録音(Mischa Elman:Joseph Seger Recorded on 1955)
[2024-11-15]
モーツァルト:弦楽四重奏曲第17番「狩」 変ロ長調 K.458(Mozart:String Quartet No.17 in B-flat major, K.458 "Hunt")
パスカル弦楽四重奏団:1952年録音(Pascal String Quartet:Recorded on 1952)
[2024-11-13]
ショパン:「華麗なる大円舞曲」 変ホ長調, Op.18&3つの華麗なるワルツ(第2番~第4番.Op.34(Chopin:Waltzes No.1 In E-Flat, Op.18&Waltzes, Op.34)
(P)ギオマール・ノヴァエス:1953年発行(Guiomar Novaes:Published in 1953)
[2024-11-11]
ドヴォルザーク:ヴァイオリン協奏曲 イ短調, Op.53(Dvorak:Violin Concerto in A minor, Op.53)
(Vn)アイザック・スターン:ディミトリ・ミトロプーロス指揮 ニューヨーク・フィルハーモニー交響楽団 1951年3月4日録音(Isaac Stern:(Con)Dimitris Mitropoulos The New York Philharmonic Orchestra Recorded on March 4, 1951)
[2024-11-09]
ワーグナー:「神々の黄昏」夜明けとジークフリートの旅立ち&ジークフリートの葬送(Wagner:Dawn And Siegfried's Rhine Journey&Siegfried's Funeral Music From "Die Gotterdammerung")
アルトゥール・ロジンスキー指揮 ロイヤル・フィルハーモニ管弦楽団 1955年4月録音(Artur Rodzinski:Royal Philharmonic Orchestra Recorded on April, 1955)
[2024-11-07]
ベートーベン:ピアノ協奏曲第4番 ト長調 作品58(Beethoven:Piano Concerto No.4, Op.58)
(P)クララ・ハスキル:カルロ・ゼッキ指揮 ロンドン・フィルハーモニック管弦楽団 1947年6月録音(Clara Haskil:(Con)Carlo Zecchi London Philharmonic Orchestra Recorded om June, 1947)
[2024-11-04]
ブラームス:交響曲第3番 ヘ長調, Op.90(Brahms:Symphony No.3 in F major, Op.90)
アルトゥーロ・トスカニーニ指揮 フィルハーモニア管弦楽団 1952年9月29日&10月1日録音(Arturo Toscanini:The Philharmonia Orchestra Recorded on September 29&October 1, 1952)