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ゴロヴァノフ(Nikolay Golovanov) |カリンニコフ:交響曲第1番
カリンニコフ:交響曲第1番
ゴロヴァノフ指揮 ボリショイ歌劇場管弦楽団 1945年録音
Kalinnikov:交響曲第1番「第1楽章」
Kalinnikov:交響曲第1番「第2楽章」
Kalinnikov:交響曲第1番「第3楽章」
Kalinnikov:交響曲第1番「第4楽章」
最近何かと話題のカリンニコフです。
薄倖の天才としてロシアではそれなりに有名だったようですが、世界的にその名を知られるようになったのはNAXOSの貢献が大きいです。なにしろ、彼が残した2曲のシンフォニーをカップリングしたCDが年間売り上げ第1位になるほどの馬鹿売れで、それと同時にカリンニコフの名前と作品が広く知られるようになりました。
それには、テオドレ・クチャル指揮、ウクライナ国立交響楽団による演奏が素晴らしかったことも大きく貢献しています。
今では何種類かのCDが入手できますが、当時は実質的にはクチャル盤が唯一の選択肢でしたから、その演奏が作品の魅力を伝えきれないものだったら、今日のカリンニコフの再評価はなかったでしょう。それだけに、クチャルの貢献も大きかったと言えます。
作品については聴いてもらえば充分でしょう。とりわけ第一楽章の第2主題は一度耳にすれば絶対に忘れることのないメロディでしょう。この主題は最終楽章でもう一度引用されるのですが、その強い印象ゆえに作品全体の統一感を与える核となっています。
最後に簡単にカリンニコフの略歴を記しておきます。
1866年 誕生。父は警察官だったが、その地位に見合わない薄給で、非常な困窮の中で育つ。
1880年 14歳で聖歌隊に加わる。
1884年 音楽の才能を見いだされで,モスクワ音楽学校に入学。学費を稼ぐために,複数のオーケストラでエキストラとして演奏。
1889年 リンニコフの最初の作品,交響詩「ニンフ」(The Nymphs)が完成
1890年 結婚。しかし,まもなく結核を患う。
1892年 カリンニコフはチャイコフスキーと会い,激励され,出版社Jurgensonに紹介される。
1893年 結核の治療のため,南クリミアの比較的温暖な場所を捜して,職を辞することを余儀なくされる。
1895年 交響曲第1番ト短調を完成。彼は,何とか,この曲を演奏しようと考え,推薦を得るため,リムスキー・コルサコフへ,交響曲のコピーを送りました。しかし,1897年2月20日 交響曲第1番の初演が大成功をおさめる。
1900年 ラフマニノフが,ヤルタに彼を訪問し援助の手をさしのべる。
1901年1月 ヤルタで死去。
録音は良好とは言い難いですが・・・。
保存状態が悪かったようで、ノイズが盛大に入っていますし、ところどころ音が歪んでいます。しかし、オケの音自体はしっかりとらえられていますから、ユング君のサイトを訪れてくれる常連さんなら音楽を鑑賞するには不足はないでしょう。
ゴロヴァノフと言えば怪獣指揮者みたいな言い方がされるのですが、これを聴くと実にまっとうできちんとした演奏です。同時代のアーベンロートの演奏などと比べるとはるかに現代的で洗練された演奏です。またオケに関しても一部ではどうしようもないほど下手くそだと酷評されていますが、ユング君には納得いきません。
ナチスドイツとの死闘で疲弊の極にあった当時のロシアにおいて、これほども素晴らしい演奏を行っていたのか感動すら覚えます。オケも指揮者も決して下手でもなければへんてこりんな演奏でもありません。
熱気にあふれながらもきちんとした造形を崩さない立派な演奏です。
この演奏を評価してください。
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よせられたコメント 2010-02-03:メフィスト ゴロヴァノフって・・・腕を肩より上に上げない、みたいなスタイルが有名な指揮者でしたっけ・・・。
僕はゴロヴァノフが指揮したスクリャービンのピアノコンチェルトを愛聴していますが、
このサイトでももっとゴロヴァノフは取り上げてほしい指揮者の一人ですね。
もちろん、カリンニコフももっと取り上げて欲しいと思ってます。
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