クラシック音楽へのおさそい~Blue Sky Label~




Home|ヴァルヒャ(Helmut Walcha)|バッハ:パストラーレ ヘ長調 BWV590

バッハ:パストラーレ ヘ長調 BWV590

ヴァルヒャ:1950年9月15&18日録音



Bach:パストラーレ ヘ長調 BWV590


キリストの生誕を祝う音楽

「パストラーレ」という題名から想像するのは田園的なイメージなのですが、バッハの時代においてこの言葉は「キリストの生誕を祝う音楽」という意味を持っていたそうです。作品を聞いてみると田園的な風情を感じさせるゆったりとした音楽なのですが、それでも、この作品はそう言う田園的なものとは一切関係ないそうです。残念なことに(何が残念・・・?)、全てのバッハ学者がその様に申しております。
ですから。ベートーベンやロマン派の時代のような田園的な音楽とは全く異なります。

この作品も先に紹介したカンツォーナと同じようにイタリアの伝統的な音楽を研究した成果を問うという意味合いの作品です。
作品は小さな4つの曲で構成されていますが、これらは組曲のようにまとめて演奏されたものではなかったようです。また、第1曲とされるヘ長調の作品は変ロ長調→ニ短調→イ短調という形で終わってしまうことから、未完のまま放置されたのではないかという説が今日では有力です。
そう言う意味では、どこか中途半端な雰囲気がぬぐえない作品なのですが、いかにバッハといえどもいつもいつもパッサカリアみたいな傑作ばかりを生み出していたわけではないと言うことなのでしょう。

第1曲:ヘ長調
シチリアーナ風のリズムで明るくのどかな作品です。
第2曲:ハ長調
第3曲:ハ短調
ゆったりとした優しげな音楽が魅力的です。オルガンの音色がまるでフルートのようで、まるでオルガン伴奏によるフルート作品のように聞こえます。
第4曲:ヘ長調
冒頭の主題は後にブランデンブルグ協奏曲の3番で使われています。


ヴァルヒャ略歴


ライプチヒで1907年に生まれています。16才で失明するものの、ライプチヒ音楽院でギュンター・ラミーンに師事して1924年にオルガニストとしてデビューします。さらに、1926年には聖トーマス教会のオルガニストにも就任します。
第2次大戦後には三王教会のオルガニストにも就任し、165曲にもの上るバッハのオルガン作品の演奏と講義を行いました。彼の演奏は外面的な効果で作品を彩ることを拒絶し、きわめて厳格で峻厳なバッハ像を作り上げることで、バッハをロマン主義的歪曲から救い出したと評されています。
その後、10年近くにもわたって続けられたバッハのオルガン作品の録音は、長くバッハ演奏のスタンダード的な位置を占めてきました。

1991年にフランクフルトで没。

この演奏を評価してください。

  1. よくないねー!(≧ヘ≦)ムス~>>>1~2
  2. いまいちだね。( ̄ー ̄)ニヤリ>>>3~4
  3. まあ。こんなもんでしょう。ハイヨ ( ^ - ^")/>>>5~6
  4. なかなかいいですねo(*^^*)oわくわく>>>7~8
  5. 最高、これぞ歴史的名演(ξ^∇^ξ) ホホホホホホホホホ>>>9~10



781 Rating: 5.1/10 (298 votes cast)

  1. 件名は変更しないでください。
  2. お寄せいただいたご意見や感想は基本的に紹介させていただきますが、管理人の判断で紹介しないときもありますのでご理解ください
名前*
メールアドレス
件名
メッセージ*
サイト内での紹介

 

よせられたコメント

2025-07-08:アドラー





【リスニングルームの更新履歴】

【最近の更新(10件)】



[2025-07-22]

エルガー:行進曲「威風堂々」第2番(Elgar:Pomp And Circumstance Marches, Op. 39 [No. 2 in A Minor])
サー・ジョン・バルビローリ指揮 ニュー・フィルハーモニア管弦楽団 1966年7月14日~16日録音(Sir John Barbirolli:New Philharmonia Orchestra Recorded on July 14-16, 1966)

[2025-07-20]

ショパン:ポロネーズ第6番 変イ長調, Op.53「英雄」(管弦楽編曲)(Chopin:Polonaize in A flat major "Heroique", Op.53)
ルネ・レイボヴィッツ指揮 ロンドン新交響楽団 1961年録音(Rene Leibowitz:New Symphony Orchestra Of London Recorded 1961)

[2025-07-18]

バッハ:トッカータとフーガ ニ短調 BWV.565(Bach:Toccata and Fugue in D Minor, BWV 565)
(Organ)マリー=クレール・アラン:1959年11月2日~4日録音(Marie-Claire Alain:Recorded November 2-4, 1959)

[2025-07-16]

ワーグナー:ローエングリン第3幕への前奏曲(Wagner:Lohengrin Act3 Prelude)
ユージン・オーマンディ指揮 フィラデルフィア管弦楽団 1959年12月30日録音(Eugene Ormandy:Philadelphis Orchestra Recorded on December 30, 1959)

[2025-07-15]

ワーグナー:「タンホイザー」序曲(Wagner:Tannhauser Overture)
ユージン・オーマンディ指揮 フィラデルフィア管弦楽団 1964年12月7日録音(Eugene Ormandy:Philadelphis Orchestra Recorded on December 7, 1964)

[2025-07-11]

ベートーベン:交響曲第6番 ヘ長調 作品68 「田園」(Beethoven:Symphony No.6 in F major, Op.68 "Pastoral")
ヨーゼフ・カイルベルト指揮 バンベルク交響楽団 1960年録音(Joseph Keilberth:Bamberg Symphony Recorded on 1960)

[2025-07-09]

エルガー:行進曲「威風堂々」第1番(Elgar:Pomp And Circumstance Marches, Op. 39 [No. 1 In D Major])
サー・ジョン・バルビローリ指揮 フィルハーモニア管弦楽団 1962年8月28日~29日録音(Sir John Barbirolli:Philharmonia Orchestra Recorded on August 28-29, 1962)

[2025-07-07]

バッハ:幻想曲とフーガ ハ短調 BWV.537(J.S.Bach:Fantasia and Fugue in C minor, BWV 537)
(organ)マリー=クレール・アラン:1961年12月10日~12日録音(Marie-Claire Alain:Recorded December 10-12, 1961)

[2025-07-04]

メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調, Op.64(Mendelssohn:Violin Concerto in E minor Op.64)
(Vn)ヨーゼフ・シゲティ:トーマス・ビーチャム指揮 ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団 1933年録音(Joseph Szigeti:(Con)Sir Thomas Beecham London Philharmonic Orchestra Recoreded on 1933)

[2025-07-01]

ベートーベン:交響曲第5番 ハ短調 「運命」 作品67(Beethoven:Symphony No.5 in C minor, Op.67)
ヨーゼフ・カイルベルト指揮 ハンブルク・フィルハーモニー管弦楽楽団 1958年録音(Joseph Keilberth:Hamburg Philharmonic Orchestra Recorded on 1958)