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PAGANINI

<イタリア:1782〜1840>

経歴


1782年10月27日、イタリアのジェノヴァに生まれる。
7才からヴァイオリンを父から習いはじめるが、その練習は常軌を逸したものだったと言われている。朝から晩まで一日中楽器をさわらせ、さらに思うように進歩がないと食事も与えられなかったという。
 その後何人ものすぐれたヴァイオリン奏者に師事し、1796年にはジェノバに戻って独習を続ける。

 1800年には最初の演奏会を成功させ、さらに01年には父からの拘束を脱してルッカへの演奏旅行を行う。そして、同地に1809年まで留まり、宮廷の独奏ヴァイオリン奏者に任命されるが、その仕事が満足できるものでなかったために、ついに、1809年12月、貴族の保護を受けない自由で独立した芸術家としての道を歩み始める。
 1810年から1828年までイタリア各地で活発な演奏活動を行い、ついに45歳を過ぎた1828年3月、ウィーンにおいてはじめての外国公演を行う。7月までの期間に合計14回にわたった公演は同市を熱狂の渦に巻き込み、29年からはドイツ、31年にはパリ・ロンドンで熱狂的な大成功をおさめる。
 その後、各地で100回以上の公演を行い、パリにおけるリストやショパン、ベルリオーズなどに多大な影響を与える。
 しかし、パガニーニへの熱狂的な声援は興業上の失敗もあって34年には急速に冷めていき、同年9月には惨めな思い出イタリアにひきあげることになる。
 その後も、イタリアとフランスを行き来しては演奏活動を継続したが、1840年5月27日、ニースにおいてその生涯を閉じる。

ユング君の一言


ずいぶんとエピソードの多い人です。結婚を申し込んだ女性に「あなたはただで私のヴァイオリンを聞くつもりだな!」と言って断ったというのは嘘か真かしれませんが有名なエピソードです。
 近代ヴァイオリン技法を開拓した偉大なヴィルトッオーソであることは疑いのない事実ですが、大変な秘密主義者で、自分が身につけた技術を誰にも教えようとしなかったとも言われています。
 熱病のような大成功はパガニーニの音楽と演奏の素晴らしさの証明ですが、そのあとの嘘のような凋落ぶりは、そのような剣呑な人間性も災いしたのかもしれません。偉大な音楽家というものは「人格破綻者の群」と言うしかないような集団ですが、その中でも破綻ぶりは際だっていました。

 彼の作品は基本的には自分の演奏会のために書かれたもので、ヴァイオリンの名人芸を披露するためのものです。
しかし、パガニーニが偉大なのは、そのような作品群が確かに大変な技巧を要する作品でありながら、そこにはロマン派らしい人間的感情が豊にあふれていることです。技巧の展示を目的にしながらも、その枠の中に留まらなかったことはさすがだと言わねばなりません。

【リスニングルームの更新履歴】

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ベートーベン:交響曲第1番 ハ長調 作品21(Beethoven:Symphony No.1 in C major , Op.21)
ヨーゼフ・カイルベルト指揮 バンベルク交響楽団 1959年録音(Joseph Keilberth:Bamberg Symphony Recorded on 1959)

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ラヴェル:スペイン狂詩曲(Ravel:Rhapsodie espagnole)
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エルガー:ヴァイオリン協奏曲 ロ短調, Op.61(Elgar:Violin Concerto in B minor, Op.61)
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ラヴェル:舞踏詩「ラ・ヴァルス」(Ravel:La valse)
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