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クレンペラー |ブルックナー:交響曲第4番 変ホ長調「ロマンティック」
ブルックナー:交響曲第4番 変ホ長調「ロマンティック」
クレンペラー指揮 ケルン放送交響楽団 1954年4月5日録音
Bruckner:交響曲第4番 変ホ長調「ロマンティック」 「第1楽章」
Bruckner:交響曲第4番 変ホ長調「ロマンティック」 「第2楽章」
Bruckner:交響曲第4番 変ホ長調「ロマンティック」 「第3楽章」
Bruckner:交響曲第4番 変ホ長調「ロマンティック」 「第4楽章」
わかりやすさがなにより・・・でしょうか
短調の作品ばかり書いてきたブルックナーがはじめて作曲した長調の作品がこの第4番です(変ホ長調)。この後、第5番(変ロ長調)、第6番(イ長調)、第7番(ホ長調)と長調の作品が続きます。
その中にあっても、この第4番は長調の作品らしい明るい響きと分かりやすい構成のためか、ブルックナー作品の中では早くから親しまれてきました。
「ロマンティック」という表題もそのような人気を後押ししてくれています。
この表題はブルックナー自身がつけたものでありません。弟子たちが作品の解説をブルックナーに求めたときに、ブルックナー自身が語ったことをもとに彼らがつけたものだと言われています。
世間にはこのような表題にむきになって反論する人がいるのですが、(曰く、絶対音楽である交響曲にこのような表題は有害無益、曰く、純粋な音楽の美を語るには無用の長物、などなど・・・)ユング君はけっこう楽しんでいます。それに、この作品の雰囲気に「ロマンティック」と言う表題はなかなか捨てたもんではありません。
それから、ブルックナーというと必ず版と稿に関わる問題がでてきます。この4番についても1874年に作曲されてから、81年に初演されるまでに数え切れないほどの改訂を繰り返しています。そういう詳細にこだわるブルックナーファンは多いのですが、ユング君にはその詳細をおってここに詳述する能力もやる気もありませんので、そういう情報が必要な人は別のサイトを当たってください。(メールで訪ねられても困ります・・・よろしく!)
好き嫌いのはっきりする演奏
クレンペラーによるブルックナー演奏は一言で言えば「ザッハリヒカイト」に尽きるでしょう。もっとも、好き嫌いははっきりする演奏であることは事実です。ブルックナー作品にともすればつきまといがちが「神秘性」みたいなものをきれいさっぱりと洗い流して、ベートーベン以降の交響曲の本質である「音の構造物」としての姿をくっきりと描き出しています。ですから、彼のブルックナーからは「宇宙の鳴動」や「心のこもりきった音楽」を期待してはいけません。もっとも、私には何が心のももりきった音楽なのか、はたまた宇宙の鳴動とはどんな音なのか全く分かりませんが・・・(^^;
ただし、「音の構造物」と言っても、昨今の、例えばミスターSみたいな精緻な構造物を思い描かれては困ります。ライブ録音と言うこともあって、昨今の精緻な響きに慣れた耳からすると非常に粗雑な響きで構築された建造物です。もっとも、当時のオケの技術からすれば、喩えスタジオ録音であってもどこまで磨けたかはいささか心許ないことも事実です。
しかし、建築物の細部の仕上げはいささか粗雑ではあっても、その建築物の偉容には身を瞠ります。そして驚くなかれ、クレンペラー自身は「ゲルマンの森」みたいな情緒性は一切排除しているにもかかわらず、ブルックナーを忠実に再現していく過程でその構造物にはまるでツタの葉が絡まるような「情緒性」がまといはじめるのです。強固、壮大でありながらその深いところからゲルマンの情緒が醸し出される演奏を聞いていると、ブルックナーとは思われている以上に許容性の広い音楽ではないかと思わされます。フルトヴェングラーのような物語性に富んだブルックナーや、後期ロマン派の巨大化した交響曲と割り切ったテンシュテット、そして音の構造物として大伽藍を築き上げるやり方など、どれもこれも十分に説得力があるのではないでしょうか。
曖昧な神秘性でベールをかけて、それ以外のアプローチを全て拒否するスタンスはあまりにももったいないのではないかと思ってしまいます。
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