Home |
ワインガルトナー(Felix Weingartner) |ベートーベン:交響曲第4番 変ロ長調
ベートーベン:交響曲第4番 変ロ長調
ワインガルトナー指揮 ロンドン・フィル 1933年11月13日・14日録音
Beethoven:交響曲第4番 変ロ長調 「第1楽章」
Beethoven:交響曲第4番 変ロ長調 「第2楽章」
Beethoven:交響曲第4番 変ロ長調 「第3楽章」
Beethoven:交響曲第4番 変ロ長調 「第4楽章」
北方の巨人にはさまれたギリシャの乙女
北方の巨人にはさまれたギリシャの乙女、と形容したのは誰だったでしょうか?(シューマンだったかな?)エロイカと運命という巨大なシンフォニーにはさまれた軽くて小さな交響曲というのがこの作品に対する一般的なイメージでした。
そのためもあって、かつてはあまり日の当たらない作品でした。
そんな事情を一挙に覆してくれたのがカルロス・クライバーでした。言うまでもなく、バイエルン国立歌劇場管弦楽団とのライブ録音です。
最終楽章のテンポ設定には「いくら何でも早すぎる!」という批判があるとは事実ですが、しかしあの演奏は、この交響曲が決して規模の小さな軽い作品などではないことをはっきりと私たちに示してくれました。(ちなみに、クライバーの演奏で聴く限り、優美なギリシャの乙女と言うよりはとんでもないじゃじゃ馬娘です。)
改めてこの作品を見直してみると、エロイカや運命にはない独自の世界を切り開こうとするベートーベンの姿が見えてきます。
それはがっしりとした構築感とは対極にある世界、どこか即興的でロマンティックな趣のある世界です。それは、長い序奏部に顕著ですし、そのあとに続く燦然たる光の世界にも同じ事が言えます。第2楽章で聞こえてくるクラリネットのの憧れに満ちた響き、第3楽章のヘミオラ的なリズムなどまさにロマン的であり即興的です。
そして、こういうベクトルを持った交響曲がこれ一つと言うこともあり、そう言うオンリーワンの魅力の故にか、現在ではなかなかの人気曲になっています。
ベートーベン演奏の原点とも言うべき録音
ベートーベンの交響曲を全曲録音したのはこのワインガルトナーが最初です。その意味では、今日に至るベートーベン演奏の原点としての意味を持ちます。
しかし、録音はお世辞にも良好とは言い難いものですし、演奏そのものもこれに続くトスカニーニやフルトヴェングラーという錚々たる面々の演奏をすでに知っている耳にとっては取り立てて評価すべきものが乏しいと言わざるを得ません。
それでも、是非ワインガルトナーの録音をアップしてほしいという声が多く寄せられます。
おそらくは、演奏を「楽しみたい」と言うよりは、原点としての歴史的価値を一度は耳で「確かめてみたい」という思いなのでしょう。
ユング君のサイトは数はそろっているけれども音質はいまいちとよく言われます。確かに30年代から40年代の録音は、昨今の最新録音になじんだ耳にはいささか厳しいものがあることは事実です。ですから、最近は基本的に50年代以降の録音を中心にアップしてきました。良質なモノラル録音は最近の録音と比べても遜色ないほどの素晴らしさがあります。ユング君としては、そう言う良質なモノラル録音をアップするたびに「どうだ、これでもうユング君のサイトは音が悪い・・・とは言わせないぞ!!」なんどと一人で力みかえっています。(^^;
そんな努力(?)を積み重ねている最中に、いかに歴史的価値があるとは言え、20年代から30年代にかけて録音された演奏をアップすることには躊躇いを感じていました。
これが、例えばコルトーとティボーによるフランクのヴァイオリンソナタのように、演奏そのものにも価値があるなら問題はないのですが、ワインガルトナーのベートーベンにその様な価値を見いだす人はほとんどいないでしょう。
そんなわけで、要望が多く寄せられるのにも関わらず、どうしてもアップする気になれないでズルズルと先延ばしになっていました。
でも、あれこれ考えあぐねた末に、ついにアップする決心をしました。
結論から言えば、「実際の演奏を一度は耳で確かめては見たけれどCDを買い込んでまでも聞いてみる気にはなれない」というユーザー側の正直な気持ちに応えるべきだと判断したと言うことです。そして、ユング君のサイトのようなところで、そう言う類の録音をまとめてアップしておくというのも意味のあることかもしれないと思い直した次第です。
もちろん、これからも新しくパブリックドメインの仲間に入った録音・演奏ともに良質なものをアップしていくことが基本にはなるのですが、演奏史を振り返る意味で歴史的な価値があるものは録音に難点があってもアップしていこうと思います。
と言うことで、話は全くワインガルトナーには関係のないことばかりになったのですが、この録音に関しては以下のサイトに詳しい解説が載っております。
私が下らぬ事を長々と書き散らすよりは、こちらをご覧あれ。
http://www.geocities.co.jp/Hollywood-Kouen/7792/weingartner.html
この演奏を評価してください。
よくないねー!(≧ヘ≦)ムス~>>>1~2
いまいちだね。( ̄ー ̄)ニヤリ>>>3~4
まあ。こんなもんでしょう。ハイヨ ( ^ - ^")/>>>5~6
なかなかいいですねo(*^^*)oわくわく>>>7~8
最高、これぞ歴史的名演(ξ^∇^ξ) ホホホホホホホホホ>>>9~10
876 Rating: 4.4 /10 (193 votes cast)
よせられたコメント
【最近の更新(10件)】
[2025-09-16]
メンデルスゾーン:厳格な変奏曲 Op.54(Mendelssohn:Variations Serieuses, Op.54)
(P)エリック・ハイドシェック:1957年9月20日録音(Eric Heidsieck:Recorded 0n September 20, 1957)
[2025-09-14]
フランク:天使の糧(Franck:Panis Angelicus)
ルネ・レイボヴィッツ指揮 ロンドン新交響楽団 1961年録音(Rene Leibowitz:New Symphony Orchestra Of London Recorded 1961)
[2025-09-12]
ベートーベン:交響曲第3番 変ホ長調 作品55「英雄」(Beethoven:Symphony No.3 in E flat major , Op.55 "Eroica")
ジョルジュ・ジョルジェスク指揮 ブカレスト・ジョルジェ・エネスク・フィルハーモニー管弦楽団 1961年3月録音(George Georgescu:Bucharest George Enescu Philharmonic Orchestra Recorded on March, 1961)
[2025-09-10]
ブラームス:弦楽四重奏曲 第1番 ハ短調(Brahms:String Quartet No.1 in C minor, Op.51 No.1)
アマデウス弦楽四重奏団 1951年録音(Amadeus String Quartet:Recorde in 1951)
[2025-09-08]
フォーレ:夜想曲第2番 ロ長調 作品33-2(Faure:Nocturne No.2 in B major, Op.33 No.2)
(P)エリック・ハイドシェック:1960年10月21~22日録音(Eric Heidsieck:Recorded 0n October 21-22, 1960)
[2025-09-06]
バッハ:小フーガ ト短調 BWV.578(Bach:Fugue in G minor, BWV 578)
(Organ)マリー=クレール・アラン:1959年11月2日~4日録音(Marie-Claire Alain:Recorded November 2-4, 1959)
[2025-09-04]
レスピーギ:ローマの噴水(Respighi:Fontane Di Roma)
ジョン・バルビローリ指揮 ニューヨーク・フィルハーモニー交響楽団 1939年1月21日録音(John Barbirolli:Philharmonic-Symphony Of New York Recorded on January 21, 1939)
[2025-09-01]
フォーレ:夜想曲第1番 変ホ短調 作品33-1(Faure:Nocturne No.1 in E-flat minor, Op.33 No.1)
(P)エリック・ハイドシェック:1960年10月21~22日録音(Eric Heidsieck:Recorded 0n October 21-22, 1960)
[2025-08-30]
ベートーベン:交響曲第2番 ニ長調 作品36(Beethoven:Symphony No.2 in D major ,Op.36)
ジョルジュ・ジョルジェスク指揮 ブカレスト・ジョルジェ・エネスク・フィルハーモニー管弦楽団 1961年4月20日録音(George Georgescu:Bucharest George Enescu Philharmonic Orchestra Recorded on April 20, 1961)
[2025-08-28]
ラヴェル:舞踏詩「ラ・ヴァルス」(Ravel:La valse)
ルネ・レイボヴィッツ指揮 パリ・コンセール・サンフォニーク協会管弦楽団 1960年録音(Rene Leibowitz:Orcheste de la Societe des Concerts du Conservatoire Recorded on 1960)