Home |
トスカニーニ(Arturo Toscanini) |チャイコフスキー:バレエ音楽「くるみ割り人形」組曲 Op.71a(Tchaikovsky:The Nutcracker Suite, Op.71a)
チャイコフスキー:バレエ音楽「くるみ割り人形」組曲 Op.71a(Tchaikovsky:The Nutcracker Suite, Op.71a)
アルトゥーロ・トスカニーニ指揮 NBC交響楽団 1951年11月19日録音(Arturo Toscanini:NBC Symphony Orchestra Recorded on November 29, 1951)
Tchaikovsky:The Nutcracker Suite, Op.71a [1.Miniature Overture]
Tchaikovsky:The Nutcracker Suite, Op.71a [2.March]
Tchaikovsky:The Nutcracker Suite, Op.71a [3.Dance Of The Sugar Plum Fairy]
Tchaikovsky:The Nutcracker Suite, Op.71a [4.Russian Dance]
Tchaikovsky:The Nutcracker Suite, Op.71a [5.Arab Dance]
Tchaikovsky:The Nutcracker Suite, Op.71a [6.Chinese Dance]
Tchaikovsky:The Nutcracker Suite, Op.71a [7.Dance Of The Flutes]
Tchaikovsky:The Nutcracker Suite, Op.71a [8.Waltz Of The Flowers]
クリスマスイブの一夜の物語
チャイコフスキーの三大バレー曲の中では最もまとまりがよく、また音楽的にも充実しているのがこの「くるみ割り人形」です。
物語はクリスマスイブにおける少女の一夜の夢です。全体の構成は以下の通りです。
第一幕
<第一場> シュタールバウム家の玄関前
<第ニ場> シュタールバウム家の居間
<第三場> シュタールバウム家の居間
<第四場> 雪の国
第二幕
<第一場> 水の国
<第二場> お菓子の国の都
<第三場> シュタールバウム家の広間
<第四場> シュタールバウム家の玄関前
ちなみに組曲は以下の通りの構成となっています。
小序曲
行進曲
こんぺいとうの踊り
トレパック:ロシアの踊り
アラビアの踊り
中国の踊り
あしぶえの踊り
花のワルツ
ただし、ホフマンによる原作「くるみ割り人形とネズミの王様」と比べると根本的な部分で相違があります。
原作では、人形の国からクララ(原作ではマリー)が帰ってくるところまでは同じですが、それを夢の話としては終わらせていません。
クララが話す人形の国について両親は全く信じようとしないのですが、やがて王子が彼女を迎えに来て人形の国へ旅立つというラストシーンになっています。
バレーの台本はマリウス・プティパによって書かれたものですが、彼はこの最後の場面をバッサリとカットして、人形の国シーンで物語を終わらせています。ただし、それではいかにもおさまりが悪いので、その後ワイノーネンの振付によって改訂され、クララが夢から醒めた場面で終わらせることによってこの物語をクリスマスイブの一夜の物語として設定することが一般的になりました。
夢を夢として終わらせない原作と、そこの部分をわざとぼかした原作では大きな相違がありますし、ましてや、夢はしょせん夢だとして終わらせる改訂版とでは根本的に違った作品になっていると言わざるを得ません。
当然の事ながら、プティバもワイノーネフもホフマンの原作を知っていたでしょうから、なにゆえにその様な改訂を行ったのかは興味のあるところです。(最近は原作回帰の動きもあるようです。)
もう少し「愛嬌」みたいなものがほしいかもしれません・・・。
晩年のトスカニーニは作品の構造を実にはっきりと描き出してくれます。このくるみ割り人形の組曲のようにそれぞれの曲の性格がはっきりしている作品だと、その描き分けは実に見事ですし、最後の花のワルツの盛り上げ方なども実に圧巻です。
しかし、チャイコフスキーの手になるこういう作品だと、きちんきちんと描き分けるだけでは不満が残るのも事実です。出来ればもう少し「愛嬌」みたいなものが感じられるといいのですが、どうもそう言うことをこの時代のトスカニーニに求めるのは無理なようです。
手兵のNBC交響楽団の方も、おかしな喩えですが、300キロ越えの猛スピードで駆け抜けるだけの性能を持ったスポーツカーが制限速度を守って公道を走っているような「凄味」は感じられるのですが、これまたそう言う「愛嬌」を表現するにはいささか不向きなおもむきがあります。
時には、過ぎたるは及ばざるがごとしのようです。
この演奏を評価してください。
よくないねー!(≧ヘ≦)ムス~>>>1~2
いまいちだね。( ̄ー ̄)ニヤリ>>>3~4
まあ。こんなもんでしょう。ハイヨ ( ^ - ^")/>>>5~6
なかなかいいですねo(*^^*)oわくわく>>>7~8
最高、これぞ歴史的名演(ξ^∇^ξ) ホホホホホホホホホ>>>9~10
865 Rating: 5.9 /10 (280 votes cast)
よせられたコメント 2010-11-28:クラシック初心者 この組曲が大好きでこのサイトの3曲とも聞きましたが、ここは横笛と打楽器があまりうまく感じませんでした(^^;)
でも60年近くも前のものがこんなにもきれいに残ってるのには感動します☆
【最近の更新(10件)】
[2025-10-02]
J.S.バッハ:幻想曲 ハ短調 BWV.562(Bach:Fantasia and Fugue in C minor, BWV 562)
(Organ)マリー=クレール・アラン:1959年11月2日~4日録音(Marie-Claire Alain:Recorded November 2-4, 1959)
[2025-09-30]
ベートーベン:合唱幻想曲 ハ短調 Op.80(Beethoven:Fantasia in C minor for Piano, Chorus and Orchestra, Op.80)
(P)ハンス・リヒター=ハーザー カール・ベーム指揮 ウィーン交響楽団 ウィーン国立歌劇場合唱団 (S)テレサ・シュティヒ=ランダル (A)ヒルデ・レッセル=マイダン (T)アントン・デルモータ (Br)パウル・シェフラ 1957年6月録音(Hans Richter-Haaser:(Con)Karl Bohm Wiener Wiener Symphoniker Staatsopernchor (S)Teresa Stich-Randall (A)Hilde Rossel-Majdan (T)Anton Dermota (Br)Paul Schoffler Recorded on June, 1957)
[2025-09-28]
エルガー:コケイン序曲 Op.40(Elgar:Cockaigne Overture, Op.40)
サー・ジョン・バルビローリ指揮 フィルハーモニア管弦楽団 1962年5月9日&8月27日録音(Sir John Barbirolli:The Philharmonia Orchestra Recorded on May 9&August 27, 1962)
[2025-09-26]
ベートーベン:交響曲第4番 変ロ長調 作品60(Beethoven:Symphony No.4 in Bflat major ,Op.60)
ジョルジュ・ジョルジェスク指揮 ブカレスト・ジョルジェ・エネスク・フィルハーモニー管弦楽団 1962年1月録音(George Georgescu:Bucharest George Enescu Philharmonic Orchestra Recorded on January, 1962)
[2025-09-24]
フォーレ:夜想曲第3番 変イ長調 作品33-3(Faure:Nocturne No.3 in A-flat major, Op.33 No.3)
(P)エリック・ハイドシェック:1960年10月21~22日録音(Eric Heidsieck:Recorded 0n October 21-22, 1960)
[2025-09-22]
ブラームス:弦楽四重奏曲 第2番 イ短調 Op. 51-2(Brahms:String Quartet No.2 in A minor, Op.51 No.2)
アマデウス弦楽四重奏団 1955年2月11日~12日&14日録音(Amadeus String Quartet:Recorde in February 11-12&14, 1955)
[2025-09-20]
エルガー:序曲「フロワッサール」, Op.19(Elgar:Froissart, Op.19)
サー・ジョン・バルビローリ指揮 ニュー・フィルハーモニア管弦楽団 1966年7月14日~16日録音(Sir John Barbirolli:New Philharmonia Orchestra Recorded on July 14-16, 1966)
[2025-09-18]
バッハ:トッカータ、アダージョとフーガ ハ長調 BWV.564(Bach:Toccata, Adagio and Fugue in C major, BWV 564)
(Organ)マリー=クレール・アラン:1959年11月2日~4日録音(Marie-Claire Alain:Recorded November 2-4, 1959)
[2025-09-16]
メンデルスゾーン:厳格な変奏曲 Op.54(Mendelssohn:Variations Serieuses, Op.54)
(P)エリック・ハイドシェック:1957年9月20日録音(Eric Heidsieck:Recorded 0n September 20, 1957)
[2025-09-14]
フランク:天使の糧(Franck:Panis Angelicus)
ルネ・レイボヴィッツ指揮 ロンドン新交響楽団 1961年録音(Rene Leibowitz:New Symphony Orchestra Of London Recorded 1961)