クラシック音楽へのおさそい~Blue Sky Label~




Home|チャールズ・ローゼン(Charles Rosen)|リスト:ピアノ協奏曲第1番変ホ長調(Liszt:Piano Concerto No.1 in E flat major S.124)

リスト:ピアノ協奏曲第1番変ホ長調(Liszt:Piano Concerto No.1 in E flat major S.124)

(P)チャールズ・ローゼン:ジョン・プリッチャード指揮 ニュー・フィルハーモニア管弦楽団 1966年1月録音(Charles Rosen:(Con)John Pritchard New Philharmonia Orchestra Recorded on January, 1966)

Liszt:Piano Concerto No.1 in E flat major S.124 [1.Allegro maestoso]

Liszt:Piano Concerto No.1 in E flat major S.124 [2.Quasi adagio]

Liszt:Piano Concerto No.1 in E flat major S.124 [3.Allegretto vivace - Allegro animato]

Liszt:Piano Concerto No.1 in E flat major S.124 [4.Allgro marziale animato]


循環形式によるソナタ形式を初めて完全に実現させた作品

「ピアノのパガニーニ」を目指したリストなので、ピアノの独奏曲は数多く残していますが、協奏曲となると完成した形で残されているのはわずか2曲です。これを少ないと見るか、それともこんなものと見るかは難しいところですが、作品の認知度という点で言えばかなり落ちることは事実です。
例えば、ショパンやブラームスもピアノ協奏曲は2曲しか残していませんが認知度は抜群です。
シューマンは1曲しか残しませんでしたが、認知度ではリストの協奏曲を少し上回る雰囲気です。

しかし、実際に聞いてみると、これがなかなかに面白い音楽なのです。

たとえば、ハンスリックが「トライアングル協奏曲」と冷笑した第3楽章は、そう言われても仕方がないほどにトライアングルの響きが突出しているのですが、音響的な面白さは確かにあります。
また、バルトークが「循環形式によるソナタ形式を初めて完全に実現させた作品」と評価したように、決してピアノの名人芸ををひけらかすだけの音楽でもありません。
そう言われてみれば、冒頭の音型があちこちに姿を現すような雰囲気があるので、ある種のまとまりの良さを感じさせますし、4つの楽章が切れ目無しに演奏されるので、ピアノ独奏を伴った交響詩のようにも聞こえます。

そして、最終楽章の怒濤のクライマックスは、やはり「ピアノのパガニーニ」を目指したリストの真骨頂です。
聞いて面白いと言うことでは、決して同時代のロマン派のコンチェルト較べても劣っているわけではありません。


  1. 第1楽章:Allegro maestoso

  2. 第2楽章:Quasi Adagio

  3. 第3楽章:Allegretto vivace. Allegro animato

  4. 第4楽章:Allegro marziale animato




一切の曖昧さなしにピアノを響かせる

チャールズ・ローゼンのメジャーな録音活動は1959年のラヴェル作品(「夜のガスパール」「クープランの墓」)からスタートしています。そして、60年代を中心にしながらまとまった録音を残すのですが、70年代にはいるとその数を減らし、その後はほとんど演奏活動だけになります。
何度か来日して公演も行っていますし、なんと言ってもピアノ関係の著述を多く残す学者ですから、ピアノ畑の人にとっては馴染みある名前かもしれません。

しかし、聞き専の人は「録音」を通して演奏家と接することがベースになりますから、70年代半ばから殆ど録音を残していないと言うことは「死んだ」も同然です。

ローゼンは1927年生まれですから、59年にラヴェルで録音デビューしたときは32才です。
今の感覚から言えば随分「遅い」デビューなのですが、それはフランス文学で博士号を取って大学の先生になってしまったからです。

これが彼にとって回り道であったのかそうでなかったのか、そもそも彼の本業は言語学者なのかピアニストなのか著述業なのか、色々と判断に悩むのですが、80才を超えても来日をして公演も行っていたのですから、やはりピアニストであったのでしょう。
ただし、その来日公演の評判はあまりよろしくないようです。
テクニックの衰えは明らかであり響きも薄くて、曲が終わるたびに席を立つ人も少なくなかったと言う話も伝わっています。

しかし、彼が本格的に録音に取り組んでいた60年代の演奏を聴くと、ツボにはまると「凄い!」と思うものもが少なくありません。
それはホールの響きなどは一切取り込んでいないような、まるでピアノの中にマイクを突っ込んで録音したのではないかと思うほどの音作りなのです。
これは、考えようによっては非常に恐い録音の仕方です。なぜならば、そこでは一切の誤魔化しが許されないからです。

しかし、ローゼンのピアノはそう言う恐い状況などは一切気にすることなく、実に見事に弾ききっているのです。
最近になって久しぶりに彼のリストの録音を聞きなおしてみたのですが、まさに比喩としてではなく、事実としてすべての音が一切の曖昧さも誤魔化しもなしに弾き切っています。それは、どこか気の乗らない一連のショパン演奏とは大違いです。
どうやら、彼はロマン的な衣装をまとわせることにはあまり興味がわかないのですが、一切の曖昧さなしにピアノを響かせる事ですべて満たされる音楽になると俄然やる気が出るようです。

目の覚めるようなテクニックと、それを見事なまでの鮮やかさでとらえきった録音は見事としか言いようがありません。

この演奏を評価してください。

  1. よくないねー!(≧ヘ≦)ムス~>>>1~2
  2. いまいちだね。( ̄ー ̄)ニヤリ>>>3~4
  3. まあ。こんなもんでしょう。ハイヨ ( ^ - ^")/>>>5~6
  4. なかなかいいですねo(*^^*)oわくわく>>>7~8
  5. 最高、これぞ歴史的名演(ξ^∇^ξ) ホホホホホホホホホ>>>9~10



5585 Rating: 5.2/10 (133 votes cast)

  1. 件名は変更しないでください。
  2. お寄せいただいたご意見や感想は基本的に紹介させていただきますが、管理人の判断で紹介しないときもありますのでご理解ください。
名前*
メールアドレス
件名
メッセージ*
サイト内での紹介

 

よせられたコメント




【リスニングルームの更新履歴】

【最近の更新(10件)】



[2026-09-30]

ヴィヴァルデ:オーボエ協奏曲 ハ長調, Rv.447(Vivaldi:Oboe Concerto in C major, RV.447)
レナート・ファッサーノ指揮:(Ob)レナート・ザンフィーニ ローマ合奏団 1958年発行(Renato Fasano:(Ob)Renato Zanfini Virtuosi Di Roma Published in 1958)

[2026-09-28]

マヌエル・ポンセ:南の協奏曲(Manuel Ponce:Concierto del Sur)
(Gt)アンドレス・セゴビア:エンリケ・ホルダ指揮 シンフォニー・オブ・ジ・エア 1958年録音(Andres Segovia:(con)Enrique Jorda the Symphony of the Air Recorded in 1958)

[2026-09-26]

モーツァルト:モテット「踊れ、喜べ、幸いなる魂よ」{エクスルターテ・ユビラーテ), K.165(Mozart:Exsultate, Jubilate, K.165/K.158A)
(S)エリーザベト・シュヴァルツコップ:ワルター・ジュスキント指揮 フィルハーモニア管弦楽団 1947年5月26日,28日録音(Elisabeth Schwarzkopf:(con)Walter Susskind Philharmonia Orchestra Recorded on May 26,28, 1947)

[2026-09-24]

マラン・マレー:組曲第4番 ニ長調(Marin Marais:Suite No. 4 In D Major)
アウグスト・ヴェンツィンガー:(Vdg)ハンネロレ・ミュラー (harpsichord)フリッツ・ノイマイヤー 1956年4月4日~5日録音(August Wenzinger:(Vdg)Hannelore Mulle (harpsichord)Fritz Neumeyer Recorded on April 4-5, 1956)

[2026-09-22]

J.S.バッハ:管弦楽組曲第3番 ニ長調 BWV1068(J.S.Bach:Orchestral Suite No.3 in D major, BWV 1068)
クルト・レーデル指揮:(Fl)クルト・レーデル ミュンヘン・プロ・アルテ室内管弦楽団 1962年2月録音(Kurt Redel:(Fl)Kurt Redel The Pro Arte Chamber Orchstra of Munich Recorded on February, 1962)

[2026-09-20]

ベートーヴェン:交響曲第7番 イ長調, Op.92(Beethoven:Symphony No.7 in A major, Op.92)
エーリッヒ・クライバー指揮 ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団 1950年5月録音(Erich Kleiber:Royal Concertgebouw Orchestrar Recorded on May, 1950)

[2026-09-18]

ベートーベン:交響曲第3番変ホ長調 作品55 「英雄」(Beethoven:Symphony No.3 in E flat major , Op.55 "Eroica")
エーリッヒ・クライバー指揮 ウィーン・フィルハーモニ管弦楽団 1955年4月録音(Erich Kleiber:Vienna Philharmonic Orchestra Recorded on April, 1955)

[2026-09-16]

ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲 変ホ長調 「海の嵐」Op. 8, No. 5, RV 253(Vivald:Violin Concerto in E-Flat Major, Op. 8, No. 5, RV 253, "La tempesta di mare")
(Vn)フェリックス・アーヨ:イ・ムジチ合奏団 1961年9月20日~28日録音(Felix Ayo:Musici, I Recorded on September 20-28, 1961)

[2026-09-13]

アルビノーニ:ソナタ イ長調(Albinoni:Sonata In A Major, Op. 2, No. 3)
レナート・ファッサーノ指揮:ローマ合奏団 1958年発行(Renato Fasano:Virtuosi Di Roma Published in 1958)

[2026-09-11]

J.S.バッハ:管弦楽組曲第2番 ロ短調 BWV1067(J.S.Bach:Orchestral Suite No.2 in B minor, BWV 1067)
クルト・レーデル指揮:(Fl)クルト・レーデル ミュンヘン・プロ・アルテ室内管弦楽団 1962年2月録音(Kurt Redel:(Fl)Kurt Redel The Pro Arte Chamber Orchstra of Munich Recorded on February, 1962)