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ヴィルヘルム・バックハウス(Wilhelm Backhaus) |ベートーベン:ピアノソナタ第28番
ベートーベン:ピアノソナタ第28番
(P)バックハウス 1952年4月録音
Beethoven:ピアノソナタ第28番「第1楽章」
Beethoven:ピアノソナタ第28番「第2楽章」
Beethoven:ピアノソナタ第28番「第3楽章」
舞い落ちる秋の枯れ葉
実に寂寞とした雰囲気の漂うソナタです。
一般的にはこの作品を持って後期様式のスタートとされています。そして、その寂寞とした風情こそがベートーベンの後期様式を特徴づける物です。
二つの価値観の激しい闘争、そしてあらゆる困難を駆逐して驀進するベートーベン、それこそが中期ベートーベンの特長でした。そして、聞けば分かるようにこのソナタからはそのような激しさはすっかり影を潜めています。すべては内へ内へと沈潜していきます。そして、それでいながらこぢんまりとなることはなく、その内面に果てしもなく広い世界が展開していきます。
確かに幻想性の深い作品と言うことではかつても作品27のソナタがありました。
しかし、その内容は全く異なります。
かつての幻想ソナタにあったような甘い感傷はどこを探しても見つかりません。
まさに舞い落ちる秋の枯れ葉のように人生の秋を感じさせるソナタです。
第1楽章
アレグロ・マ・ノン・トロッポ イ長調 8分の6拍子 ソナタ形式
第2楽章
ヴィヴァーチェ・アラ・マルチャ ヘ長調 4分の4拍子 三部形式
第3楽章
アダージョ・マ・ノン・トロッポーコン・アラ・アフェット イ短調 4分の2拍子 序奏ーソナタ形式
耐え難いほどの寂しさを漂わせた秋のソナタ。
もう少し詩情がほしい・・・かな?
ユング君はこの作品に求めるものは舞い落ちる秋の枯れ葉にイメージされるような寂寞たる詩情です。
しかし、バックハウスの演奏はそういう甘っちょろい感傷を拒絶します。
でも、考えてみればこの作品はその様な甘い感傷性から脱却したところに成立している作品であることに気づかされます。秋のソナタと言うよりは、全てが凍てつく冬を予感させるような演奏です。
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