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ラヴェル:組曲「マ・メール・ロワ」

カルロ・マリア・ジュリーニ指揮 フィルハーモニア管弦楽団1956年10月9日-10日録音



Ravel:Ma Mere l'Oye [1.Pavane de la belle au bois dormant. Lent]

Ravel:Ma Mere l'Oye [2.Petit poucet. Tres modere]

Ravel:Ma Mere l'Oye [3.Laideronnette, imperatrice des pagodes. Mouvement de marche]

Ravel:Ma Mere l'Oye [4.Les entretiens de la belle et de la bete. Mouvement de Valse. Modere]

Ravel:Ma Mere l'Oye [5.Le jardin feerique. Lent et grave]


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ミミとジャンのために作曲されたピアノ連弾曲

もともとは子供のためのピアノ連弾曲として、おとぎ話にもとづく5つの小品として作曲されました。
そして、その子供とは漠然とした対象ではなくて、友人のゴデブスキ夫妻の子供たちであり、さらにはマルグリット・ロンの生徒でもあったミミとジャンを想定してこの作品を作曲されたようです。

そのミミの話によると、ラヴェルがいつもひざの上に自分を乗せて、物語を語ってくれたと語っています。
人格破綻者の群れと言っていいほどの作曲家の世界において、ラヴェルは例外的と言えるほどのいい人だったと多くの人が口を揃えますから、これなどはそう言う「伝説」をさらに補強する証言となるでしょう。

そして、ラヴェルはこの作品を管弦楽曲として編曲していますし、さらには「前奏曲」と「間奏曲」などを付け加えてバレエ音楽ににも仕立て直しています。
バレエ音楽に仕立て直すときには、それら5つの話を一つのストーリーにつなげるための脚本まで書いて編曲をしたようですから大変な力の入れようでした。
もちろん、その背景には、そテアトル・デ・ザールの支配人、ジャック・ルーシェからの依頼があったからなのですが、子供達との楽への思い出が封じ込められている作品への強い愛着もあったのでしょう。

この作品のタイトルはシャルル・ペローの童話集「マ・メール・ロワ(マザー・グース)の物語」からとられています。
しかし、ラヴェルが選んだ物語は「マ・メール・ロワ(マザー・グース)の物語」だけでなく、マリー・カトリーヌ・ドーノワのおとぎ話「緑の蛇」やジャンヌ・マリー・ルプランス・ボーモンの物語集からも選ばれています。


  1. 第1曲 眠れる森の美女のパヴァーヌ;シャルル・ペローの童話集「マ・メール・ロワ(マザーグース)」から。

  2. 第2曲 親指小僧:シャルル・ペローの童話集「マ・メール・ロワ(マザーグース)」から。

  3. 第3曲 パゴダの女王レドロネット:マリー・カトリーヌの「緑の蛇」から。

  4. 第4曲 美女と野獣の対話:マリー・ルプランス・ド・ボーモン「子供の雑誌、道徳的な物語」から

  5. 第5曲 妖精の園




ジュリーニはラヴェルの指示に従って精緻な織物を織り上げて見せた

フィルハーモニア管の時代のジュリーニは一筋縄ではいかないところがあります。
概ねはがっしりとした造形で見通しの良い音楽を形づくっているのですが、驚くほど遅いテンポでネッチリと歌い上げる(ブラームスの1番)ときもあります。
かと思えば、それとは真逆の、デモーニッシュ的なものの欠片もないほどにひたすら気持ちよく横へと流れていく(チャイコフスキーの6番)時もあります。

万華鏡というものは見るたびにその姿を変えているようでも、その底には変わらない何かが張り付いている、と書いていた人がいました。
確か、何かのミステリー小説だったと記憶しているのですが、「人もまた同じであり、彼の場合のそれは『卑屈』さだった」みたいに続いたのではないかと記憶しています。

ところが、このジュリーニという万華鏡について言えば、どうにもその底にあるはずの「変わらない」ものが見えてこないのです。そして、それが見えてこないがゆえにそこに分裂症的なものを感じとってしまうのですが、かといってそこにドイツ語圏のイタリア人という出自を持ってきてもなかなか自分を納得させるのは難しいのです。

しかしながら、それがラヴェルのような音楽になるとそう言う分裂症的なところは影をひそめます。
「スイスの時計職人」と呼ばれることもあるラヴェルの精緻な音楽を、その名にふさわしいように精緻に織り上げていくことに全ての力が傾注されています。そこにあるのは、ラヴェルが目指したものをひたすら現実の音として織りあげようとする献身です。

ラヴェルの音楽は19世紀的なロマン主義的な音楽とは一線を画しています。
そこにあるのは、音符という糸を使って、どれほど精緻な織物を織り上げることが出来るのかということへの挑戦です。そして、ジュリーニはラヴェルの指示に従って精緻な織物を織り上げて見せたのでした。

言うまでもないことですが、そこに「精神性」などと言うものを感じとろうとするのは全くの間違いであって、見るべきはそこで織り上げられた織物の色合いであり、絵柄であり、そしてその手触りであったりするのです。
ですから、その見事なまでの手仕事に大きな功績を果たしているのがフィルハーモニア管であることは言うまでもありませんし、その録音会場で鳴り響いていたであろう音を録音という形で刻み込んだEMIの録音スタッフもいい仕事をしています。

ただし、いささか残念なのは56年、62年、66年と録音年代が下っていくにつれて、せっかくの精緻な織り目が録音によって滲み始めることです。
56年録音の「マ・メール・ロワ」は、EMIにしてみればステレオ録音の最初期のものなのですが、鮮やか織り目を見事に刻み込んでいます。
それと比べれば、66年の録音は良く言えばふっくらとした響きという褒め言葉を呈することも可能かも知れないのですが、それはジュリーニが求めるものではなかったでしょう。

ステレオ録音の波に乗り遅れたEMIが、その遅れを取り返そうと必死で頑張っていた50年代の後半から60年代の初頭まではいい仕事をしていたのですが、それ以後は世間でよく言われるEMIのクオリティになってしまったことが、この一連のラヴェル録音からも感じとることが出来ます。
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