ブルッフと言えばヴァイオリン協奏曲が有名ですが、甘くてロマンティックなメロディを情緒纏綿として歌わせるブルッフの特徴がより強く出ているのはこちらのスコットランド協奏曲の方です。
この作品は連続して演奏されますが、ハッキリとした4楽章構成を持っています。しかし、ヴァイオリン協奏曲と呼ぶには全体の構成は自由であり、その結果として全体を意味ある構築物として仕上げるよりは、思う存分にヴァイオリンを歌わせることを目的としているようです。
各楽章はスコットランドの民謡が素材として用いられています。
第1楽章では、ロマンティックな「Thro' the Wood, Laddie(森を抜けながら,若者よ)」が使われ、第2楽章では「The Dusty Miller(粉まみれの粉屋)」という陽気な民謡が使われています。そして、第3楽章では再びロマンティックな民謡「I'm a' doun for lack o' Johnnie(ジョニーがいなくてがっかり)」が使われ、最終楽章は勇壮な行進曲風「Hey, now the day daws(さあ,夜が明ける)」で締めくくられます。
その合間にはバグパイプを思わせるような響きも使われていて、まさにスコットランド情緒満点の作品に仕上がっています。
ベートーベン:合唱幻想曲 ハ短調 Op.80(Beethoven:Fantasia in C minor for Piano, Chorus and Orchestra, Op.80)
(P)ハンス・リヒター=ハーザー カール・ベーム指揮 ウィーン交響楽団 ウィーン国立歌劇場合唱団 (S)テレサ・シュティヒ=ランダル (A)ヒルデ・レッセル=マイダン (T)アントン・デルモータ (Br)パウル・シェフラ 1957年6月録音(Hans Richter-Haaser:(Con)Karl Bohm Wiener Wiener Symphoniker Staatsopernchor (S)Teresa Stich-Randall (A)Hilde Rossel-Majdan (T)Anton Dermota (Br)Paul Schoffler Recorded on June, 1957)