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R.シュトラウス:交響詩「死と変容」 作品24

カラヤン指揮 ウィーンフィル 1960年6月22日~30日録音



R_Strauss:交響詩「死と変容」 作品24


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「暗黒から光明へ」というロマン派の思想が反映した作品

この作品は「ドン・ファン」と平行するように書かれた作品で、1889年11月11日にドンファンの初演が行われた1週間後の11月18日に完成したと言われています。
この作品について、シュトラウスは友人への手紙の中で、「極めて高い目標に向かって努力している一人の芸術家としての人間が死の瞬間をむかえるときの様子を交響詩で表現しよう」としたと述べています。

つまり、生きている間は実現できなかった芸術的理想が、死を迎えることによって永遠の宇宙の中で実現されるというモチーフを音にしようというのです。
正直言って、今の時代を生きる人間にとっては、そのあまりにも大仰な物言いはピントくるものではないのですが、これがいわゆる19世紀のロマン主義というものなのでしょう。

なお、この作品のスコアの冒頭にアレクサンダー・リッターという詩人の詩が掲げられていますが、これは、作品の内容を聴衆に理解しやすくするために、シュトラウスが詩人のリッターに音楽を聞かせて書かせたものです。もともとは、初演の祭にパンフレットのような形で聴衆に配布したらしいのですが、後に、リッター自身が作品の不十分さを感じて全面的に改定し、それがスコアに掲げられるようになったものです。

「暗から明へ」「暗黒から光明へ」というロマン派好みの分かりやすさに貫かれた作品だと言えますし、管弦楽法の達人と言われるようになるシュトラウスの腕がはっきりと感じ取れる作品となっています。


カラヤンの美質と非常に相性が良かったのがリヒャルト・シュトラウス

59年に録音されたカラヤン&ウィーンフィルによるデッカ録音に対してこんな風に書きました。

「カラヤンの音楽は気持ちよく横へ横へと流れていきます。その意味では、耳あたりのいい映画音楽のように聞こえるのかもしれません。
しかし、聞く耳をしっかり持っていれば、メロディラインが横へ横へと気持ちよく流れていっても、そこで鳴り響くオケの音は決して映画音楽のように薄っぺらいものでないことは容易に聞き取れるはずです。映画音楽が一般的に薄っぺらく聞こえるのは、耳に届きやすい主旋律はしっかり書き込んでいても、それを本当に魅力ある響きへと変えていく内声部がおざなりにしか書かれていないことが原因です。
そして、例え響きを魅力あるものに変える内声部がしっかりと書き込まれていても、主旋律にしか耳がいかない凡庸な指揮者の棒だと、それもまた薄っぺらい音楽になってしまうことも周知の事実です。

当然の事ですが、カラヤンはそのような凡庸な音楽家ではありません。
カラヤンの耳は全ての声部に対してコントロールを怠りませんし、それらの声部を極めてバランスよく配置していく能力には驚かされます。そして、彼の真骨頂は、強靱な集中力でそのような絶妙なバランスを保ちながら、確固とした意志でぐいぐいと旋律線を描き出していく「強さ」を持っていることです。
それは、例えてみれば、極めてコントロールしにくいレーシングカーで複雑な曲線路を勇気を持って鮮やかに走り抜けるようなものかもしれません。彼は、目の前の曲線路の中に己が走り抜けるべきラインをしっかりと設定すると、そのラインに躊躇うことなく突っ込んでいきます。カーブの入り口で様子を見ながら少しずつハンドルを切るというような、凡庸な指揮者がやるよう不細工なことは決してしないのです。」

おそらく、そう言うカラヤンの美質と非常に相性が良かったのがリヒャルト・シュトラウスの音楽だったことは間違いありません。
デッカ録音は非常に優秀で、分解度は抜群です。おかげで、アンサンブルの緩さは一目(一聴?)瞭然ですが、ウィーンフィルはそんなことはお構いなしにグイグイと己の信ずる音楽を描き出していきます。当然のことながらカラヤンもそう言うオケの言い分に水を差すような野暮なことは一切していません。彼はマシンの性能を信じて、己の描き出したラインに沿って曲線路へと突っ込んでいきます。そのラインが己の思い描いたラインと多少のズレがあっても、決してクラッシュしないことは確信して、細部はオケにゆだねている感じです。
それから、何と言っても、未だに地方性を残していたウィーンフィルのどこかくすんだような響きはこの上もなく魅力的です。こういうオケの響きがこの地上から消え去ってしまったことは痛恨の極みです。

これと比べれば、後年のベルリンフィルとの録音ははるかに精緻であり、管楽法の大家たるリヒャルト・シュトラウスの真価がより明らかにされているとは言えるでしょう。しかし、その事によって失われた音楽の勢いというものの大切さも教えてくれる録音でもあります。
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