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ヤッシャ・ハイフェッツ(Jascha Heifetz)|ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番 ト短調 作品26
ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番 ト短調 作品26
(Vn)ヤッシャ・ハイフェッツ:サー・マルコム・サージェント指揮 ロンドン交響楽団 1951年5月18日録音
Bruch:Bruch:Violin Concerto No.1, Op.26 [1.orspiel. Allegro moderato]
Bruch:Bruch:Violin Concerto No.1, Op.26 [2.Adagio]
Bruch:Bruch:Violin Concerto No.1, Op.26 [3.Finale. Allegro energico]
ブルッフについて

今日ではヴァイオリン協奏曲とスコットランド幻想曲、そしてコル・ニドライぐらいしか演奏される機会のない人です。ただし、ヴァイオリニストにとってはこの協奏曲はある種の思い入れのある作品のようです。
と言うのは、ヴァイオリンのレッスンをはじめると必ずと言っていいほど取り上げるのがこの協奏曲であり、発表会などでは一度は演奏した経験を持っているからだそうです。ただし、プロのコンサートで演奏される機会は決して多くはありません。
しかし、ロマン派の協奏曲らしくメランコリックでありながら結構ゴージャスな雰囲気もただよい、メンデルスゾーンの協奏曲と比べてもそれほど遜色はないように思います。
第1楽章
序奏に続いて独奏ヴァイオリンの自由なカデンツァが始まるのですが、最低音Gから一気に駆け上がっていくので聴き応え満点、けれん味たっぷりのオープニングです。力強い第一主題と優美な第二主題が展開されながら音楽は進んでいき、いわゆる再現部にはいるところでそれは省略して経過的なフレーズで静かに第2楽章に入っていくという構成になっています。(・・・と、思います^^;)
第2楽章
ここが一番魅力的な楽章でしょう。主に3つの美しいメロディが組み合わされて音楽は展開していきます。息の長い優美なフレーズにいつまでも浸っていたいと思わせるような音楽です。
第3楽章
序奏に続いて,独奏ヴァイオリンが勇壮なメロディを聞かせてくれてこの楽章はスタートします。。前の楽章の対照的な出だしを持ってくるのは定番、そして、展開部・再現部と続いてプレストのコーダで壮麗に終わるというおきまりのエンディングですが良くできています。
この「凄味」は未だ誰も肩を並べてはいない
フランチェスカッティの同曲録音を紹介したときに「ハイフェッツの61年盤などと比べても決して負けていない演奏だと思います。」などと書きました。しかし、まてよ、ハイフェッツにはモノラル録音時代の演奏があったはずだと思い出し、棚の中をゴソゴソと探し回ると・・・出てきました。
マルコム・サージェント指揮 ロンドン交響楽団による51年盤です。私の独断と偏見によると、この50年前後がハイフェッツが一番ハイフェッツらしかった時代だと思います。普通はこう言うときに「全盛期」という言葉を使うのですが、どうもハイフェッツに関しては若いときから老境に入る直前までずっと「全盛期」という雰囲気なので(^^;、こういう持って回った言い方をしました。
ということで、この51年盤なのですが、いやはや、これこそがハイフェッツによるブルッフですね。
短いオーケストラの伴奏を従えて、静かに、しかし悠然とヴァイオリンのソロが入ってくるのですが、それが何とも言えず「凄味」があります。まさに、日本刀の切れ味のごとくであり、凍りつくような玲瓏さの中から立ち上がる冷たいロマンには狂気の影が宿ります。
おそらく、単純な指のまわりようならば、これに肩を並べるような若手は何人もいるんだと思います。その辺の技術的なことはあまり詳しくないし、最近の録音に関してはそれほどいい聞き手でもないので結構いい加減な物言いなのですが、それほど間違っていないと思います。
技術的な面だけならば、過去の巨匠を過大評価してはいけません。
しかし、この「凄味」は未だ誰も肩を並べてはいません。
この「凄味」というのはいったいどこから来るのでしょうか?その正体を見極めようとして、2012年はハイフェッツ一色で暮れようとしています。
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よせられたコメント
2013-01-12:oTetsudai
- > この「凄味」というのはいったいどこから来るのでしょうか?
異常なまでに安定した音程から来るのだと思います。私のような漠然とした感覚ではなくお詳しい方がその理由から記載されている記事があります。
弦楽器における音程とアタックの関係 中川伸
http://www.fidelix.jp/others/attack.html
2014-06-09:Dr335
- 素人の私ですが私見を述べさせていただきます.ハイフェッツの録音は,近接マイクのせいか,発音の際に左手の指が指板を押さえる音が「タンタン」と乗っかって聴こえてきます.全ての音にパーカッションがユニゾンで同期しているようなもので,これがあの異様な歯切れの良さ,切れ味の秘密ではないか,と思います.そしてそれがあの(音の)「凄み」になるのではないでしょうか.どなたか高名なヴァイオリニストの方が「ハイフェッツは一つ一つの音が凄く重いので,同じ速度でパッセージを弾いても他の人より速く聴こえる」とおっしゃっていましたが,同じことのように思えます.SP録音では,その「タンタン」があまり聴こえてきません.テープ録音になり(1950年前後!!!)それが聴こえるようになってきて,ようやく「全盛期」になったのではないでしょうか.
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