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シュナーベル(Artur Schnabel)|ベートーベン:ピアノソナタ第27番
ベートーベン:ピアノソナタ第27番
シュナーベル 1932年1月21日&2月3日録音
Beethoven:ピアノソナタ第27番「第1楽章」
Beethoven:ピアノソナタ第27番「第2楽章」
人生におけるもっとも困難な時期の作品
社会的な名声の高まりと、それとは裏腹な創作力の衰え。さらに私生活における様々な困難や最後に望みを託した結婚への試みの失敗、それに伴う深い絶望感。
まさにベートーベンの人生におけるもっとも困難な時期に生み出されたのがこのピアノソナタです。
確かにワルトシュタインや熱情に代表されるような中期様式のソナタとは全く異なった作品となっていますが、後期様式の深みにも到達していません。
ある意味では中途半端な存在ですが、そこにこそこの時期のベートーベンのスランプの一端がうかがえます。
また弟子のシンドラーの質問に対して、「第1楽章は理性と感情の争い、第2楽章は恋人の会話」と語ったと伝えられていますが、これもどこまで真意であったかは疑問です。おそらくはあまりのしつこさに適当に答えたというのが真相でしょう。
ピアノソナタ27番 Op.90 ホ短調
第1楽章(速く、そして終始感情と表情を持って)
ホ短調 4分の3拍子 ソナタ形式
第2楽章(速すぎないように、そして、十分に歌うように演奏すること)
ホ長調 4分の2拍子 ロンド
実に叙情的で歌心にあふれた音楽。後期様式への入り口が開きかけていることがうかがえる楽章です。
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よせられたコメント
2009-09-21:カンソウ人
- このソナタとこの前のソナタ「告別」との間には大きな断層を感じます。私の若いころは、このソナタの内容を深いと感じなくて、28番から(この次のソナタ)後期と思っていました。28番との断層は小さいもののように思います。抒情の透明性、第一楽章の伴奏分散和音の音の開き、感情の瞬間的な変化などに後期のソナタに値する内容を感じています。
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