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ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(Wilhelm Furtwangler) |ブラームス:ヴァイオリン協奏曲
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲
(Vn.)メニューヒン フルトヴェングラー指揮 ルツェルン祝祭管弦楽団 1949年8月29〜31日録音
ヴァイオリンを手にしてぼんやりと立っているほど、私が無趣味だと思うかね?
この言葉の前には「アダージョでオーボエが全曲で唯一の旋律を聴衆に聴かしているときに・・・」というのがくっつきます。
サラサーテの言葉です。(^^)
もっとも、その前にはさらに「ブラームスの協奏曲は素晴らしい音楽であることは認めるよ、しかし・・・」ということで上述の言葉が続きます。
おそらくこの言葉にこの作品の本質がすべて語られていると思います。
協奏曲と言う分野ではベートーベンが大きな金字塔をうち立てましたが、大勢はいわゆる「巨匠風協奏曲」と言われる作品が主流を占めていました。独奏楽器が主役となる聞かせどころの旋律あちこちに用意されていて、さらに名人芸を披露できるパッセージもふんだんに用意されているという作品です。
イタリアの作曲家、ヴィオッティの作品などは代表的なものです。
ただし、彼の22番の協奏曲はブラームスのお気に入りの作品であったそうです。親友であり、優れたヴァイオリニストであったヨアヒムと、一晩に二回も三回も演奏するほどの偏愛ぶりだったそうですから世の中わからんものです。
しかし、それでいながらブラームスが生み出した作品はヴィオッティのような巨匠風協奏曲ではなく、ベートーベンの偉大な金字塔をまっすぐに引き継いだものになっています。
その辺が不思議と言えば不思議ですが、しかし、ブラームスがヴィオッティのような作品を書くとも思えませんから、当然と言えば当然とも言えます。(変な日本語だ・・・^^;)
それから、この作品は数多くのカデンツァが作られていることでも有名です。一番よく使われるのは、創作の初期段階から深く関わり、さらに初演者として作品の普及にも尽力したヨアヒムのものです。
それ以外にも主なものだけでも挙げておくと、
レオポルド・アウアー
アドルフ・ブッシュ
フーゴー・ヘールマン
トール・アウリン
アンリ・マルトー
ヤッシャ・ハイフェッツ
ただし、秘密主義者のヴァイオリニストは自らのカデンツァを出版しなかったためにこれ以外にも数多くのカデンツァが作られたはずです。
この中で、一番テクニックが必要なのは想像がつくと思いますが、ハイフェッツのカデンツァだと言われています。
メニューヒンとフルトヴェングラー
戦後のフルトヴェングラーには10年にも満たない時間しか残っていませんでしたし、さらにその数年間はナチスへの協力の咎で演奏が禁止されていました。
振り返ってみれば本当にわずかの時間しかなかったわけですが、そのわずかの時間に人類の宝とも言うべきすぐれた演奏を残してくれました。
その事を思うと、戦後のフルトヴェングラーに対する制裁解除に尽力したメニューヒンの功績は見過ごすことはできません。彼は、戦争中も積極的に慰問活動を行い、とりわけフランスでの演奏活動の合間にフルトヴェングラーがユダヤ人演奏家を救うために力を尽くしたことやナチスの占領地での演奏を拒否したことなどを聞き、フルトヴェングラーの無実を確信したようです。
晩年彼はNHKへのインタビューで「フルトヴェングラーは理想主義者でした。彼はナチスの時代に芸術によって政治体制を変えられると本気で考えていました。」と語っていました。そんなメニューヒンへの感謝と敬意を表してこの演奏をアップしてみました。
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よせられたコメント 2010-08-30:m 以前来日したメニューヒンの通訳をしていた方から、こんな話を聞きました。 お昼になり彼女が持参したおにぎりを食べようとしたところ、じっと見ていたメニューヒンが食べたいと言い出し、自分用のご馳走を食べずに彼女のおにぎりを分け合って食べたとの事でした。 好々爺でいらっしゃったようです。 ささやかなエピソードですが、人柄が偲ばれます
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