AmazonでCDをさがすAmazonでフルトヴェングラー(Wilhelm Furtwangler)のCDをさがす
Home|
フルトヴェングラー(Wilhelm Furtwangler)|モーツァルト:交響曲第40番
モーツァルト:交響曲第40番
フルトヴェングラー指揮 ウィーンフィル 1944年6月2&3日 録音
Mozart:交響曲第40番「第1楽章」
Mozart:交響曲第40番「第2楽章」
Mozart:交響曲第40番「第3楽章」
Mozart:交響曲第40番「第4楽章」
「哀切なるモーツァルトの音楽」の中でも、もっとも哀切なものだといえます。
おそらく、日頃クラシック音楽なんかを聞かない人でも、冒頭のメロディはどこかで聞いたことがあるはずです。
モーツァルトの交響曲は番号付きの物は41番までありますが、ベートーベン以降のようにガッチリとした形式があったわけではないので、広く解釈すれば数はもっと多くなります。逆に言えば、強固な形式観がなかっただけに、この時代の作曲家は実に多くの交響曲を残しています。
ブラームスがベートーベンの影に怯えて(?)、第1番を作り出すのに20年以上かかったのは有名な話ですが、モーツァルトやハイドンは実に気楽にたくさんの作品を生みだしています。(ちなみにハイドンの場合は番号付きの作品だけでなんと104番まであります)
そんなわけで、モーツァルトの交響曲は、いかに彼が天才だったとはいえ、ほんの子供時代の作品もふくまれていますから、すべてが傑作とは言いかねます。
たとえば、交響曲1番(E−Flat Major K.16)なんかは、わずか8歳の時の作品です。
とはいえ、父親のレオポルドは、「8歳というのに、40歳の男に要求される物をみな知っている」と言わせた天才を感じ取ることができます。そして、この作品で聞くことのできる哀切な響きは、すでにモーツァルトの音楽の「哀しさ」を刻み込んでいます。こんな「哀しさ」がすでに8歳の子供にも宿っていたのかと驚かされます。
ちなみに若書きの作品として有名なものに、ロッシーニの「弦楽のためのソナタ」があります。ロッシーニ12歳の作品です。
しかし、この4歳の差は大きく、両者を比べるとロッシーニの作品は完全に大人の作品です。幼さを全く感じさせません。
そして、この作品に聞こえる哀切な響きには「甘いあこがれ」が感じ取れ、決してモーツァルトの模倣にはなっていないのはさすがです。(閑話休題)
それから、モーツァルトの交響曲の中で短調の曲はたったの2曲だけで、ともにGマイナーというのもよく指摘されてきたことです。
一曲は今お聞きの40番、そしてもう一曲は映画「アマデウス」で有名になった25番です。通常、40番を「大ト短調」、25番を「小ト短調」と言います。
ともに「哀切なるモーツァルトの音楽」の中でも、もっとも哀切なものだといえます。
フルヴェンでないという説もあるのですが・・・
ウィーンのムジークフェラインザールで行われた演奏会の録音ということになっているのですが、一部では別の音源ではないかという説が出回っているそうです。おまけに、その音源というのがフルヴェンの演奏ではないのにフルヴェンだといって出回っていた音源(49年2月のVPO盤とタイトルが付いているそうです)と同一ではないかというのです。
フルヴェンを巡る音盤は魑魅魍魎が跋扈する(うーん、パソコンは偉い!こんな難しい漢字をいとも簡単に変換してくれる)世界ですから、そう言うことはよくあるそうで、まるで考古学の同定作業みたいな事が日夜繰り返されているそうです。
確かに、この演奏を聴いてみると、戦時中のフルヴェンの演奏には必ず感じ取れる「凄み」みたいなものが欠落していることは事実です。ユング君の直感では四分六で怪しい感じです。
近いうちにそう言ういかがわしさのない音源を追加したいと思います。(ちなみに、当時の習慣で第1楽章の反復は省略されています)
この演奏を評価してください。
- よくないねー!(≧ヘ≦)ムス~>>>1~2
- いまいちだね。( ̄ー ̄)ニヤリ>>>3~4
- まあ。こんなもんでしょう。ハイヨ ( ^ - ^")/>>>5~6
- なかなかいいですねo(*^^*)oわくわく>>>7~8
- 最高、これぞ歴史的名演(ξ^∇^ξ) ホホホホホホホホホ>>>9~10
125 Rating: 5.3/10 (235 votes cast)
よせられたコメント
2009-05-28:悠
- フルトヴェングラー自身「モーツァルトの40番を一度はうまく弾きたい」と言っています。
彼のモーツァルトの40番はとても情熱的なのですが、どうもモーツァルトの音楽とやはりマッチしません。不完全燃焼といった感じです。
聞くといくらなんでも過激すぎないか。と思いましたが、演奏自体は凄まじいです。
凄みはなくても厚みはあるモーツァルトです。本物かなぁ・・?どっち?
【最近の更新(10件)】
[2024-04-18]
エルガー:チェロ協奏曲 ホ短調, Op.85(Elgar:Cello Concerto in E minor, Op.38)
(Cello)アンドレ・ナヴァラ:サー・ジョン・バルビローリ指揮 ハレ管弦楽団 1957年録音(Andre Navarra:(Con)Sir John Barbirolli:Halle Orchestra Recorded on 1957)
[2024-04-16]
フランク:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ イ長調(Franck:Sonata for Violin and Piano in A major)
(P)ロベール・カサドシュ:(Vn)ジノ・フランチェスカッティ 1947年5月7日録音(Robert Casadesus:(Vn)Zino Francescatti Recorded on May 7, 1947)
[2024-04-14]
ベートーヴェン:序曲「コリオラン」, Op.62(Beethoven:Coriolan, Op.62)
アルトゥーロ・トスカニーニ指揮 NBC交響楽団 1945年6月1日録音(Arturo Toscanini:NBC Symphony Orchestra Recorded on June 1, 1945)
[2024-04-12]
モーツァルト:弦楽四重奏曲 第3番 ト長調 K.156/134b(Mozart:String Quartet No. 3 in G Major, K. 156)
パスカル弦楽四重奏団:1952年録音(Pascal String Quartet:Recorded on 1952)
[2024-04-10]
ハイドン:弦楽四重奏曲第1番 変ロ長調「狩」,Op. 1, No. 1, Hob.III:1(Haydn:String Quartet No.1 in B-Flat Major, Op. 1, No.1, Hob.3:1, "La chasse" )
プロ・アルテ弦楽四重奏団:1938年6月5日録音(Pro Arte String Quartet:Recorded on June 5, 1938)
[2024-04-08]
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 作品18(Rachmaninov:Piano Concerto No.2 in C minor, Op.18)
(P)ジェルジ・シャーンドル:アルトゥール・ロジンスキ指揮 ニューヨーク・フィルハーモニック 1946年1月2日録音(Gyorgy Sandor:(Con)Artur Rodzinski New York Philharmonic Recorded on January 2, 1946)
[2024-04-06]
シベリウス:交響的幻想曲「ポヒョラの娘」(Sibelius:Pohjola's Daughter - Symphonic Fantasy Op.49)
カレル・アンチェル指揮:チェコ・フィルハーモニー管弦楽団 1962年6月7日~8日録音(Karel Ancerl:The Czech Philharmonic Orchestra Recorded on June 7-8, 1962)
[2024-04-04]
ベートーヴェン:ロマンス 第2番 ヘ長調, Op.50(Beethoven:Romance for Violin and Orchestra No.2 in F major, Op.50)
(Vn)ジノ・フランチェスカッティ:ジャン・モレル指揮 コロンビア交響楽団 1952年4月23日録音(Zino Francescatti:(Con)Jean Morel Columbia Symphony Orchestra Recorded on April 23, 1952)
[2024-04-02]
バルトーク:弦楽四重奏曲第6番, Sz.114(Bartok:String Quartet No.6, Sz.114)
ヴェーグ弦楽四重奏団:1954年7月録音(Quatuor Vegh:Recorded on July, 1954)
[2024-03-31]
ベートーヴェン:ロマンス 第1番 ト長調, Op.40(Beethoven:Romance for Violin and Orchestra No.1 in G major, Op.40)
(Vn)ジノ・フランチェスカッティ:ジャン・モレル指揮 コロンビア交響楽団 1952年4月23日録音(Zino Francescatti:(Con)Jean Morel Columbia Symphony Orchestra Recorded on April 23, 1952)