クラシック音楽へのおさそい~Blue Sky Label~



AmazonでCDをさがすAmazonでフライシャーのCDをさがす
Home|フライシャー|モーツァルト:ピアノ協奏曲第25番 ハ長調 k.503

モーツァルト:ピアノ協奏曲第25番 ハ長調 k.503

(P)レオン・フライシャー ジョージ・セル指揮 クリーブランド管弦楽団 1959年1月10日録音



Mozart:ピアノ協奏曲第25番 ハ長調 K.503 「第1楽章」

Mozart:ピアノ協奏曲第25番 ハ長調 K.503 「第2楽章」

Mozart:ピアノ協奏曲第25番 ハ長調 K.503 「第3楽章」


コンチェルトの時代の壮麗なしめくくり

モーツァルトにとってピアノは「第2言語」でしたから、ピアノ・コンチェルトを実にたくさん書いています。しかし、その創作時期を見てみると、ザルツブルグの大司教と訣別して、フリーランスの音楽家としてウィーンに移り住んだ時期に集中しています。
その時期はモーツァルトにとっては己の想像力を思う存分に広げることができた時期であり、それに見あうだけの金銭的成功ももたらしましたから、おそらくはその生涯においてもっとも幸福な時代だったはずです。

しかし、そんな幸福はウィーン社会の変化と聴衆の飽きっぽさによって瞬く間に終わりを告げます。
このK503のハ長調コンチェルトはその様な幸福な時代の終わりを告げる「壮麗なしめくくり(アインシュタイン)」となった作品です。

この作品は、明らかに前作のハ短調コンチェルトに対する補完的な意味を持つ作品です。それは、ニ短調コンチェルトの異様さをK467のハ長調コンチェルトで浄化したのと同じです。アインシュタインは「対話的な劇的葛藤からシンフォニー的な形式に立ちかえる」と述べています。たしかに、このK503のハ長調コンチェルトほど、堂々たるシンフォニックなたたずまいを持ったコンチェルトをモーツァルトは書きませんでした。とくに第2楽章の歌の豊富さと細部の活気という点では、あのジュピターシンフォニーの緩徐楽章だけが比肩しうるとアインシュタインは褒めちぎっています。
ですから、これをもってコンチェルトの時代を終えたモーツァルトが、これに続く作品としてプラハ交響曲を書いたのは実に納得のいく話です。

しかし、不思議なことに、この作品は20番以降のコンチェルトの中では22番と並んでもっとも影が薄い存在のような気がします。もっと聞かれてもよい作品です。


お好みの方をお選びください

セル&フライシャーによる二種類の録音をアップしました。
一つめはザルツブルグ音楽祭における1957年のライブ録音、もう一つは1959年のスタジオ録音です。オケは、前者がベルリンフィル、後者はクリーブランド管です。

前者は一発勝負のライブであり、さらにオケも馴染みの薄いベルリンフィルと言うこともあって、実にオーソドックスなたたずまいです。セルは基本的に「伴奏者」の地位にとどまってフライシャーのサポートを基本としています。
フライシャーの方も、おそらく緊張感はあったでしょうが、実にのびのびと歌っています。
録音がいささか悪いのが難点ですが、フライシャーのピアノを聞きたいのならばこちらがおすすめです。

ところが、後者のスタジオ録音になるとセルとフライシャーの関係が一変します。
これはもう、コンチェルトと言うよりはシンフォニーです。ピアノはまるで独奏楽器と言うよりはオーケストラパートの一部であるかのような雰囲気です。
そして、フライシャーはそう言うポジションに文句を言うこともなく、己に課せられた役割をまじめに果たしています。
これは疑いもなく、コンチェルトの時代を終えてプラハシンフォニー以降の交響曲の時代に突入していく音楽としてセルは構築しています。
ですから、これを通常のコンチェルトとして受け取ればかなりピアニストが可哀想なのですが、上段で述べたようなモーツァルトの創作活動の背景を考えれば、こういう解釈があってもいいのかなとは思います。

もちろん、フライシャーが可哀想!!と思う人は前者をお選びください。
でも、このきまじめさが、きっと彼の右手を故障へと追い込んだんだと思います。

Youtubeチャンネル登録

古い録音が中心ですがYoutubeでもアップしていますので、是非チャンネル登録してください。

関連記事(一部広告含む)

この演奏を評価してください。

  1. よくないねー!(≧ヘ≦)ムス~>>>1~2
  2. いまいちだね。( ̄ー ̄)ニヤリ>>>3~4
  3. まあ。こんなもんでしょう。ハイヨ ( ^ - ^")/>>>5~6
  4. なかなかいいですねo(*^^*)oわくわく>>>7~8
  5. 最高、これぞ歴史的名演(ξ^∇^ξ) ホホホホホホホホホ>>>9~10



1210 Rating: 5.5/10 (120 votes cast)

  1. 件名は変更しないでください。
  2. お寄せいただいたご意見や感想は基本的に紹介させていただきますが、管理人の判断で紹介しないときもありますのでご理解ください
名前*
メールアドレス
件名
メッセージ*
サイト内での紹介

 

よせられたコメント

2010-02-18:クリュイタンスファン


2010-10-28:mitikusa


2014-09-18:nakamoto





【リスニングルームの更新履歴】

【最近の更新(10件)】



[2021-12-03]

ベートーベン:交響曲第6番ヘ長調, Op.68「田園」
ヤッシャ・ホーレンシュタイン指揮 ウィーン・プロ・ムジカ管弦楽団 1958年録音

[2021-12-02]

サン=サーンス:ピアノ協奏曲第2番 ト短調 作品22
(P)ジャンヌ=マリー・ダルレ:ルイ・フーレスティエ指揮 フランス国立放送管弦楽団 1956年録音

[2021-12-01]

ファリャ:三角帽子
アタウルフォ・アルヘンタ指揮 スペイン国立交響楽団 1958年録音

[2021-11-30]

チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調, Op.35
(Vn)ブロニスラフ・ギンベル:ヨハネス・シュラー指揮 バンベルク交響楽団 1960年初出

[2021-11-29]

モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番 イ長調, K.219
(Vn)ヴォルフガング・シュナイダーハン:フェルディナンド・ライトナー指揮 ウィーン交響楽団 1952年11月録音

[2021-11-28]

J.S.バッハ:ブランデンブルク協奏曲 第6番 変ロ長調, BWV1051
クルト・レーデル指揮 ミュンヘン・プロ・アルテ室内管弦楽団 1962年5月録音

[2021-11-27]

ヘンデル:合奏協奏曲, Op.6 第12番ロ短調, HWV 330
アレクサンダー・シュナイダー指揮 アレクサンダー・シュナイダー室内管弦楽団 1966年1月録音

[2021-11-26]

モーツァルト:3つのドイツ舞曲, K.605
コリン・デイヴィス指揮:フィルハーモニア管弦楽団 1959年5月21日~22日録音

[2021-11-25]

ベートーベン:チェロソナタ第1番 ヘ長調, Op.5-1
(Cell)アントニオ・ヤニグロ (P)カルロ・ゼッキ 1952年録音

[2021-11-24]

ヴィヴァルディ:2つのトランペットのための協奏曲 ハ長調, RV.537
ジャン=フランソワ・パイヤール指揮:(Org)マリー=クレール・アラン パイヤール室内管弦楽団 1965年初出