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スクリャービン:24の前奏曲 作品11(抜粋)

(P)ソフロニツキー 1951年2月録音



Scriabin:24の前奏曲 作品11 第3曲目 ト長調 4分の3拍子 ヴィーヴォ

Scriabin:24の前奏曲 作品11 第6曲目 ロ短調 4分の2拍子 アレグロ

Scriabin:24の前奏曲 作品11 第7曲目 イ長調 8分の6拍子 アレグロ・アッサイ

Scriabin:24の前奏曲 作品11 第8曲目 嬰ヘ短調 4分の3拍子 アレグロ・アジタート

Scriabin:24の前奏曲 作品11 第11曲目 ロ長調 8分の6拍子 アレグロ・アッサイ

Scriabin:24の前奏曲 作品11 第12曲目 嬰ト短調 8分の9拍子 アンダンテ

Scriabin:24の前奏曲 作品11 第13曲目 変ト長調 4分の3拍子 レント

Scriabin:24の前奏曲 作品11 第17曲目 変イ長調 2分の3拍子 アレグレット

Scriabin:24の前奏曲 作品11 第20曲目 ハ短調 4分の3拍子 アパッショナート


ショパンらの影響を伺わせる後期ロマン派的な作品

スクリャービンというのは、当然名前は知っているのですが、その作品はあまり聞いたことがありませんでした。彼の真骨頂はピアノ作品にあることは間違いありませんが、どうも私はピアノ作品には相性がよくないので、余計に縁遠い人になります。
それに、管弦楽曲で一番の有名作が交響曲第4番「法悦の詩」ということで、「神秘主義」というレッテルとも相まって、何だかあまり親しくなりたくはないという雰囲気が漂ってしまいます。実際、彼の音楽は「反倫理的」であると否定的に解された時代もあったそうなので、そう言う敬遠のされ方は今もって影響を及ぼしているのでしょうね。

しかし、今回ソフロニツキィというピアニストの存在を知り、それでスクリャービンの一連のピアノ作品を聞くようになって、「いやぁ、意外と悪くないですね・・・!」という雰囲気になってしまったのです。
特に、この作品11の「前奏曲集」はショパンの作品に強い影響を受けて作曲された作品なのですが、ショパン以上にモダンで洗練された音楽で、ショパンが好きな人なら何の無理もなく受け入れられる作品だと思いました。そして、これ以外にもマズルカやポロネーズという、ショパンからの強い影響を感じさせる作品をたくさん残しています。そのどれもがちょっと甘めのショパンテイストから「ちょっと甘め」の部分を取り除いて、変わりにバッハを思わせるような「大人のテイスト」をふりかけたような作品になっています。(うーーーっ、何という訳の分からん喩えなんだ・・・^^;)
つまり、甘ければ甘いほど「おいしい」と感じるお子ちゃまには物足りないでしょうが、わび、さび、渋みも「味」の内と感じられる大人ならば十分に気に入ってもらえる作品なのではないでしょうか。

第1曲目 ハ長調 2分の2拍子 ヴィヴァーチェ
第2曲目 イ短調 4分の3拍子 アレグレット
第3曲目 ト長調 4分の3拍子 ヴィーヴォ
第4曲目 ホ短調 8分の6拍子 レント
第5曲目 ニ長調 2分の4拍子 アンダンテ・カンタービレ
第6曲目 ロ短調 4分の2拍子 アレグロ
第7曲目 イ長調 8分の6拍子 アレグロ・アッサイ
第8曲目 嬰ヘ短調 4分の3拍子 アレグロ・アジタート
第9曲目 ホ長調 4分の3拍子 アンダンティーノ
第10曲目 嬰ハ短調 8分の6拍子 アンダンテ
第11曲目 ロ長調 8分の6拍子 アレグロ・アッサイ
第12曲目 嬰ト短調 8分の9拍子 アンダンテ
第13曲目 変ト長調 4分の3拍子 レント
第14曲目 変ホ短調 8分の15拍子 プレスト
第15曲目 変二長調 4分の4拍子 レント
第16曲目 変ロ短調 8分の5拍子/8分の4拍子 ミステリオーソ
第17曲目 変イ長調 2分の3拍子 アレグレット
第18曲目 ヘ短調 4分の2拍子 アレグロ・アジタート
第19曲目 変ホ長調 4分の2拍子 アッフェットゥオーソ(愛情を込めて)
第20曲目 ハ短調 4分の3拍子 アパッショナート
第21曲目 変ロ長調 4分の3拍子 アンダンテ
第22曲目 ト短調 4分の3拍子 レント
第24曲目 ニ短調 8分の6拍子/8分の5拍子 プレスト


あなたは「神」だ

どうも私はピアノ音楽には相性がよくありません。そんなわけで、ピアニストに関してもあまり守備範囲が広くないので、このソフロニツキーという人も、今頃になって初めてその存在を知りました。
それにしても、この人、ホントに一筋縄ではいきません。
まず、楽譜は勝手に改変しますし、リズムや音価も伸びたり縮んだりしますから、昨今のコンクールに出れば間違いなく一次審査で落選します。(それが、コンクールというもののつまらなさの証明にもなるのですが・・・。)しかし、そう言う「改変」は彼の恣意性から発するものではなく、楽譜の中に閉じこめられた作曲家の声を発露するものとなっているところが凄いのです。
ですから、スクリャービンの詩曲のような作品では、その美しい響きに圧倒されるかと思うと、ショパンの前奏曲集では「なんだこれは?」と思うような暗くてナーバスな雰囲気に驚かされます。つまり、作品によっていかようにでもおのれを変身させうる能力を持っているのです。

これはホロヴィッツなどと比べてみるとその違いがはっきりします。
ホロヴィッツは何を演奏してもいつでもホロヴィッツです。常に堂々として輝かしく、颯爽としています。ホロヴィッツの指は常に一種のユートピアでなのです。
しかし、ソフロニツキーのパレットは多様です。やろうと思えばホロヴィッツのように演奏する技量は充分持ち合わせていました。例えばスクリャービンのピアノソナタ第3番の冒頭などを聞くと、まさにホロヴィッツを思わせるような堂々たる響きを聞かせてくれます。
しかし、彼のパレットはそれだけではないのです。同じ事をグチグチと繰り返しているようなシューマンのピアノ音楽を、ただのグチの繰り返しにならないように、シューマンの言いたいことをしっかりと聞き取ってあげて、彼のグチの中に含まれる微妙なニュアンスの変化を見事に再現したりするのです。
彼は作品の中に封印された作曲家の声を本能的にかぎ取って、それに合わせておのれをいかようにでも変身させることが出来たピアニストでした。
ただ、誤解の無いように言い添えておくと、だからソフロニツキーの方がホロヴィッツよりも優れていると言っているわけではありません。ホロヴィッツは常にスーパースターであり、スーパースターに求められるものを常に100%演じきったピアニストでした。それ故に、スパースターであることに疲れ切って、静かにトロイメライを弾いてピアノの蓋を閉めてしまったりもするのですが、再起するときは常にスーパースターとして再起したのです。
それはそれで、実に大変なことなのです。

かつて、ソフロニツキーは当時若手のピアニストだったギレリスを聞いて「彼は天才だ!」と絶賛しました。しかし、それを隣で聞いていたリヒテルが「ギレリスが天才なら、あなたは神だ」と言ったそうです。
ソフロニツキーを語るときにはよく引用されるエピソードなのですが、あのリヒテルが「神」と呼んだのです。単なるエピソードに留まらない重みのある言葉です。

ただし、あまりにも録音の少ないピアニストです。生涯をソ連国内で過ごし、西側で演奏したのも一度だけ(それも1920年代)なので、その実像は今もって「神秘」の中です。しかし、昨今のロシアンピアニズムへの注目の中で、少しずつ再評価が進んできています。
ヒストリカルの世界では今後とも、要注目の一人です。

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