Home|
カサドシュ(Robert Casadesus)|サン=サーンス:ピアノ協奏曲第4番
サン=サーンス:ピアノ協奏曲第4番
カサドシュ ロジンスキー指揮 ニューヨークフィル 1944年10月29日ライブ録音
Saint-Saens:ピアノ協奏曲第4番「第1楽章」
Saint-Saens:ピアノ協奏曲第4番「第2楽章」
煮え切らない保守派・・・?

サン・サーンスの音楽は何を聴いても外れがないように思います。それは全てがとてつもない傑作だというのではなく、まんべんなく及第点に達していて、そのどれもが奇を衒ったエキセントリックな部分や晦渋な部分がないということです。要は、安心して聞いていられると言うことで、これは逆に言えば「深み」がないと言って批判され軽く見られる要因にもなっています。
決して伝統的な手法を踏み外すことなく、常に完成度の高い作品を生みだし続けたゆえに「保守派」のレッテルを貼られた人物ですが、しかし、この完成度の高さはそう簡単にまねができるものではありません。
彼は生涯に5曲のピアノ協奏曲を書きましたが、この第4番はその中でも最もユニークな構造をしています。
まず、全体が2楽章からできており、それぞれがまた二つの部分からできているという形式は、彼の代表作であるオルガン付きと同じです。そのために、彼のピアノ協奏曲の中では最も交響的ながっしりとした作りになっています。
また、聞けば分かるように、最初に提示された主題が何度も登場してきます。このやり方は、その後フランクが「循環形式」として定着させたもので、これはその先駆けとも言うべき作品です。
それから、これは中村紘子の受け売りですが、この第4番に限らず彼のピアノ協奏曲はチェルニーを弾きこなせる腕があるなら何とか演奏が可能だそうです。これって意外とすごいことだと思うのですが、いかがなものでしょうか。
清楚で端正
カサドシュというピアニストは私のようなセルファンにはもうすっかりお馴染みの人です。私の中ではカサドシュ=モーツァルトのピアノ協奏曲という定式化が成り立っています。
カサドシュという人は派手なピアニストではありません。「清楚で端正」というのがユング君のカサドシュに対する印象です。そして、そう言う淡々とした演奏の中から何とも言えない「色気」が匂い立ってくる人です。
ここでも、そう言うカサドシュの美質は遺憾なく発揮されています。
なお、カサドシュはよほどこの作品が気に入りだったようで、後年にバーンスタインと組んで正規のスタジオ録音を行っています。
この演奏を評価してください。
- よくないねー!(≧ヘ≦)ムス~>>>1~2
- いまいちだね。( ̄ー ̄)ニヤリ>>>3~4
- まあ。こんなもんでしょう。ハイヨ ( ^ - ^")/>>>5~6
- なかなかいいですねo(*^^*)oわくわく>>>7~8
- 最高、これぞ歴史的名演(ξ^∇^ξ) ホホホホホホホホホ>>>9~10
100 Rating: 4.2/10 (119 votes cast)
よせられたコメント
【最近の更新(10件)】
[2025-03-28]

ラヴェル:スペイン狂詩曲(Ravel:Rhapsodie espagnole)
シャルル・ミュンシュ指揮:ボストン交響楽団 1950年12月26日録音(Charles Munch:The Boston Symphony Orchestra Recorded on December 26, 1950)
[2025-03-24]

モーツァルト:セレナード第6番 ニ長調, K.239「セレナータ・ノットゥルナ」(Mozart:Serenade in D major, K.239)
ヨーゼフ・カイルベルト指揮 バンベルク交響楽団 1959年録音(Joseph Keilberth:Bamberg Symphony Recorded on 1959)
[2025-03-21]

シューベルト:交響曲第2番 変ロ長調 D.125(Schubert:Symphony No.2 in B-flat major, D.125)
シャルル・ミュンシュ指揮 ボストン交響楽団 1949年12月20日録音(Charles Munch:The Boston Symphony Orchestra Recorded on December 20, 1949)
[2025-03-17]

リムスキー=コルサコフ:スペイン奇想曲, Op.34(Rimsky-Korsakov:Capriccio Espagnol, Op.34)
ジャン・マルティノン指揮 ロンドン交響楽団 1958年3月録音(Jean Martinon:London Symphony Orchestra Recorded on March, 1958)
[2025-03-15]

リヒャルト・シュトラウス:ヴァイオリンソナタ 変ホ長調 ,Op.18(Richard Strauss:Violin Sonata in E flat major, Op.18)
(Vn)ジネット・ヌヴー (P)グスタフ・ベッカー 1939年録音(Ginette Neveu:(P)Gustav Becker Recorded on 1939)
[2025-03-12]

モーツァルト:弦楽四重奏曲第22番 変ロ長調 K.589(プロシャ王第2番)(Mozart:String Quartet No.22 in B-flat major, K.589 "Prussian No.2")
パスカル弦楽四重奏団:1952年録音(Pascal String Quartet:Recorded on 1952)
[2025-03-09]

ショパン:ノクターン Op.27&Op.37(Chopin:Nocturnes for piano, Op.27&Op.32)
(P)ギオマール・ノヴァエス:1956年発行(Guiomar Novaes:Published in 1956)
[2025-03-07]

モーツァルト:交響曲第36番 ハ長調「リンツ」 K.425(Mozart:Symphony No.36 in C major, K.425)
ヨーゼフ・カイルベルト指揮 バンベルク交響楽団 1960年録音(Joseph Keilberth:Bamberg Symphony Recorded on 1960)
[2025-03-03]

ブラームス:交響曲 第1番 ハ短調, Op.68(Brahms:Symphony No.1 in C Minor, Op.68)
アルトゥール・ロジンスキ指揮:ニューヨーク・フィルハーモニック 1945年1月8日録音(Artur Rodzinski:New York Philharmonic Recorded on January 8, 1945)
[2025-02-27]

ドビュッシー:ヴァイオリン・ソナタ ト短調(Debussy:Sonata for Violin and Piano in G minor)
(Vn)ジネット・ヌヴー (P)ジャン・ヌヴー 1948年録音(Ginette Neveu:(P)Jean Neveu Recorded on 1948)