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レイボヴィッツ(Rene Leibowitz) |グノー:アヴェ・マリア(Gounod:Ave Maria)
グノー:アヴェ・マリア(Gounod:Ave Maria)
ルネ・レイボヴィッツ指揮 ロンドン新交響楽団 1961年録音(Rene Leibowitz:New Symphony Orchestra Of London Recorded on 1961)
Gounod:Ave Maria
マリアよ、おめでとう。あなたは恵まれた方
「マリアよ、おめでとう。あなたは恵まれた方。主があなたと共におられます」と天使ガブリエルがマリアにイエスの受胎知らせる場面は多くの画家にインスピレーションを与えて、多くの傑作を生み出しました。
そして、それは音楽家も同様で、実に多くの作曲家がこの受胎告知をテーマとした作品を生み出しました。
そんな、数多くの「アヴェ・マリア」の中でもっとも有名なのはグノーとシューベルトの手になるものでしょう。
グノーのアヴェ・マリアはJ.S.バッハの「平均律クラヴィーア曲集 第1巻」の「前奏曲 第1番 ハ長調 BWV 846」を伴奏として用い、そこにラテン語の聖句「アヴェ・マリア」を歌詞に用いて完成させた声楽曲であす。そして、その歌曲はやがてチェロやヴァイオリンとピアノのための二重奏曲として編曲され、さらには管弦楽にも編曲されるようになり、様々なヴァリエーションで多くの聞き手を魅了してきました。
なお、ウィキペディアによると、グノーの引用した伴奏譜は、厳密には前奏曲1番の22小節目の後に1小節新しい音形を挿入したものだということです。その1小節はクリスティアン・フリードリヒ・ゴットリープ・シュヴェンケが挿入したものだということらしいのですが、じっくり聞いて確かめてみるのも面白いかもしれません。
高い分析力と良い意味での「緩さ」が上手くマッチしている
レイボヴィッツの録音活動の少なくない部分を「リーダーズ・ダイジェスト」が占めています。
「リーダーズ・ダイジェスト」は月刊の総合ファミリー雑誌だったのですが、書店売りは行わずに会員制の通信販売というスタイルをとっていました。この販売方法とアメリカ至上主義の編集方針を貫くことでアメリカ最大の発行部数を誇る雑誌へと成長していきました。
そして、その会員制の通信販売というスタイルを生かしてレコード制作にも乗り出します。しかし、基本的に「リーダーズ・ダイジェスト」は雑誌社ですから録音のノウハウなどは持ち合わせていないので、その制作はRCAに丸投げしていました。
しかし、その丸投げのおかげで、同じような販売方法をとったコンサートホールソサエティ」と較べると格段に録音のクオリティが高いという思わぬ幸運をもたらしました。
ただし、その性格上、ラシック音楽の分野ではコアなクファンではない人々を対象としたために、いわゆる「クラシック音楽名曲集」のようなものが主流でした。
実は、この事に長く思い当たらず、小品の録音ばかり押し付けられるレイホヴィッツはレーベルの中では軽くあつかわれすぎていると考えていました。しかし、実際は彼にベートーベンの交響曲の全曲録音を依頼したことの方こそが異例の厚遇であり、本来の仕事はそう言う売れ筋の商品の名曲の録音だったのです。
しかし、レイボヴィッツにとって名曲小品の録音ばかりが続くというのはそれほど楽しい仕事ではなかった事でしょう。しかし、食っていくためには必要な仕事だったのでしょう。
あてがわれたオーケストラも「インターナショナル交響楽団」とか「ロンドン音楽祭管弦楽団」「パリ・コンセール・サンフォニーク協会管弦楽団」などと言う「怪しげ」なものばかりです。
レイボヴィッツは「十二音技法の使徒」と呼ばれるほどに新ウィーン楽派の音楽の普及につとめ、あわせてその技法に関しても多くの著書(「現代音楽への道」「十二音技法とは何か」「シェーンベルクとその楽派」など)を残し、自らもその理論の上に立った作品を多く残しています。
つまりは、レイボヴィッツが「指揮活動もする作曲家」であったのです。そうなると、どうしても食っていく仕事は必要だったのでしょう。
ですから、本質的に「指揮者」ではなかったレイホヴィッツの指揮には良い意味での緩さがありました。おそらくは、本意としては、作曲家としての本能として自らの楽曲分析に従ってオケを追い込みたかったのかもしれませんが、自分には、例えばマルケヴィッチのような指揮のスキルがないことも十分に承知していたのでしょう。
そんなこんなで、こういう一連の小品の録音はレイボヴィッツという「作曲家兼指揮者」のもう一つの側面を明らかにしてくれているのかもしれません。
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