Home|
フルトヴェングラー(Wilhelm Furtwangler)|バッハ:管弦楽組曲第3番
バッハ:管弦楽組曲第3番
フルトヴェングラー指揮 ベルリンフィル 1948年9月録音
Bach:管弦楽組曲 第3番「序曲」
Bach:管弦楽組曲 第3番「エアー」
Bach:管弦楽組曲 第3番「ガボット」
Bach:管弦楽組曲 第3番「ジーグ」
Bach:管弦楽組曲 第3番「ブーレ」
「G線上のアリア」という方が分かりやすいでしょうね。

注:この文章は、MIDIで「エアー」だけをアップしたときのものです。
しかし、G線上のアリアというのは、演奏会でのアンコールピースとしてヴァイオリン独奏用に編曲されたもので、元曲はこちらです。もちろん管弦楽組曲というくらいですから、楽器編成も弦楽合奏です。
正直言って、ヴァイオリン一丁で演奏されるG線上のアリアも素晴らしいですが、できれば原曲の弦楽合奏で聞いた方がはるかに聴き応えがあります。
そう言えば、阪神・淡路大震災の直後に行われた、小沢とN響によるコンサートで、哀悼の意を込めてプログラムの前にこの曲が演奏されました。このレクイエム的雰囲気はヴァイオリン一丁ではだしにくい性質のものだと思います。
それにしても、バッハの音楽は強靱です。これほど、様々に編曲される作曲家は他にはいません。楽器編成や、時には楽器その物を別のものに取り替えたりして、逆にこのアリアのように編曲版の方が有名になっているものもたくさんあります。
そして、驚かされるのは、どんなに編曲を施されても、やはりバッハはバッハのままで存在し続けています。
この辺が、壊れやすいモーツァルトとは大きな違いです。
映画「アマデウス」で、モーツァルトがこんな事を話しています。
「音符一つなくなっただけで、音楽は損なわれ、小節一つを削られれば、すべては台無しになる」
この壊れやすさがモーツァルトの魅力でもありますが、それに反してバッハの魅力の一つは、これとは正反対の強靱さにあります。どれだけ変更を加えられても、バッハの本質は揺るぎもしません。
実は、MIDIを作り始めて、いろいろと先輩方の作品をHP上で見せてもらいました。そのときに気がついたのは、やけにバッハが多いなと言うことです。
確かに、音符の数が少ないので打ち込みが楽だと言うこともあります。しかし、それ以上に、打ち込んだだけの状態でも十分にバッハらしく聞こえると言うことも無視できないと思います。
それほどまでに、バッハは強靱な存在です。
全く変なところで、ベートーベンの言葉、「バッハは小川ではなく、大海だ」(Bachはドイツ語では「小川さん」となるそうです)と言う言葉を再認識させられました。
確かにこれは間違いだと言われれば、言葉もないですが、・・・フルヴェンのバッハ
絶対に、そう、現代では絶対に聞くことのできないバッハです。
さすがのユング君でも、これはあまりにも前時代的だと思ってしまいます。でも、第2曲のこの上もなくロマンティックなエアーなどを聞かされると、「それもありかな?」などと許してしまいます。
でも、最後のジーグなどを聞くと、「これのどこがジーグやねん!」と思わず大阪弁でつっこみを入れたくなります。
こういう演奏を聴くと、この数年後に登場するリヒターの新しさと凄さを逆の面から強く感じさせてくれます。今となっては博物館行きの骨董品の演奏でしょうが、バッハの演奏史を考える上では一度は聞いておいて損のない演奏だといえます。(とはいえ、エアーは魅力的です。)
この演奏を評価してください。
- よくないねー!(≧ヘ≦)ムス~>>>1~2
- いまいちだね。( ̄ー ̄)ニヤリ>>>3~4
- まあ。こんなもんでしょう。ハイヨ ( ^ - ^")/>>>5~6
- なかなかいいですねo(*^^*)oわくわく>>>7~8
- 最高、これぞ歴史的名演(ξ^∇^ξ) ホホホホホホホホホ>>>9~10
22 Rating: 5.2/10 (343 votes cast)
よせられたコメント
2010-10-02:Sammy
- ある意味で、バッハ演奏とのかかわりでは「歴史遺産」ということになるのだろう・・・と思いながら聞き始めて、そう、やはりアリアで、音楽って、時代を超えた感動もあるのかもしれない、と思ったのでした。
また、フルトヴェングラーの「うねり」のイメージを前提に作品の本質が失われた演奏になるのでは、というイメージから見ると、以外にもこの作品の中にある祝祭的躍動感は決して失われないで表現されており、今の耳でも必ずしもとんちんかんではない演奏だといっていいと思います。やはり巨匠は巨匠なのでしょう。
【最近の更新(10件)】
[2025-10-20]

ベートーベン:ピアノ・ソナタ第8番「悲愴」 ハ短調 Op.13()Beethoven:Piano Sonata No.8 in C minor, Op.13 "Pathetique"
(P)ハンス・リヒター=ハーザー 1955年11月録音(Hans Richter-Haaser:Recorded on November, 1955)
[2025-10-18]

フォーレ:夜想曲第4番 変ホ長調 作品36(Faure:Nocturne No.4 in E-flat major, Op.36)
(P)エリック・ハイドシェック:1960年10月21~22日録音(Eric Heidsieck:Recorded 0n October 21-22, 1960)
[2025-10-16]

J.S.バッハ:パッサカリアとフーガ ハ短調 BWV.582(J.S.Bach:Passacaglia in C minor, BWV 582)
(Organ)マリー=クレール・アラン:1961年12月5日~8日録音(Marie-Claire Alain:Recorded December 5-8, 1961)
[2025-10-14]

ワーグナー;神々の黄昏 第3幕(Wagner:Gotterdammerung Act3)
ゲオルグ・ショルティ指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 (S)ビルギット・ニルソン (T)ヴォルフガング・ヴィントガッセン他 ウィーン国立歌劇場合唱団 1964年5月、6月、10月、11月録音(Georg Solti:The Vienna Philharmonic Orchestra(S)Birgit Nilsson (T)Wolfgang Windgassen April May October November, 1964)
[2025-10-13]

ワーグナー;神々の黄昏 第2幕(Wagner:Gotterdammerung Act2)
ゲオルグ・ショルティ指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 (S)ビルギット・ニルソン (T)ヴォルフガング・ヴィントガッセン他 ウィーン国立歌劇場合唱団 1964年5月、6月、10月、11月録音(Georg Solti:The Vienna Philharmonic Orchestra(S)Birgit Nilsson (T)Wolfgang Windgassen April May October November, 1964)
[2025-10-12]

ワーグナー;神々の黄昏 第1幕(Wagner:Gotterdammerung Act1)
ゲオルグ・ショルティ指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 (S)ビルギット・ニルソン (T)ヴォルフガング・ヴィントガッセン他 ウィーン国立歌劇場合唱団 1964年5月、6月、10月、11月録音(Georg Solti:The Vienna Philharmonic Orchestra(S)Birgit Nilsson (T)Wolfgang Windgassen April May October November, 1964)
[2025-10-11]

ワーグナー;神々の黄昏 プロローグ(Wagner:Gotterdammerung Prologue )
ゲオルグ・ショルティ指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 (S)ビルギット・ニルソン (T)ヴォルフガング・ヴィントガッセン他 ウィーン国立歌劇場合唱団 1964年5月、6月、10月、11月録音(Georg Solti:The Vienna Philharmonic Orchestra(S)Birgit Nilsson (T)Wolfgang Windgassen April May October November, 1964)
[2025-10-08]

ベートーベン:交響曲第5番 ハ短調 「運命」 作品67(Beethoven:Symphony No.5 in C minor, Op.67)
ジョルジュ・ジョルジェスク指揮 ブカレスト・ジョルジェ・エネスク・フィルハーモニー管弦楽団 1961年8月録音(George Georgescu:Bucharest George Enescu Philharmonic Orchestra Recorded on August, 1961)
[2025-10-06]

エルガー:交響的習作「フォルスタッフ」, Op.68(Elgar:Falstaff Symphonic Study, Op.66)
サー・ジョン・バルビローリ指揮 ハレ管弦楽団 1964年6月1日録音(Sir John Barbirolli:Halle Orchestra Recorded on June 1, 1964)
[2025-10-04]

ブラームス:弦楽四重奏曲 第3番 変ロ長調 Op.67(Brahms:String Quartet No.3 in B-flat major, Op.67)
アマデウス弦楽四重奏団 1957年4月11日録音(Amadeus String Quartet:Recorde in April 11, 1957)