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クナッパーツブッシュ(Hans Knappertsbusch)|ブルックナー:交響曲第9番
ブルックナー:交響曲第9番
ハンス・クナッパーツブッシュ指揮 ベルリンフィル 1950年1月28日 ライブ録音
Bruckner:交響曲第9番「第1楽章」
Bruckner:交響曲第9番「第2楽章」
Bruckner:交響曲第9番「第3楽章」
ブルックナーの絶筆となった作品です

しかし、「白鳥の歌」などという感傷的な表現を寄せ付けないような堂々たる作品となっています。ご存じのようにこの作品は第4楽章が完成されなかったので「未完成」の範疇にはいります。
もし最終楽章が完成されていたならば前作の第8番をしのぐ大作となったことは間違いがありません。
実は未完で終わった最終楽章は膨大な量のスケッチが残されています。専門家によると、それらを再構成すればコーダの直前までは十分に復元ができるそうです。
こういう補筆は多くの未完の作品で試みられていますが、どうもこのブルックナーの9番だけはうまくいかないようです。今日まで何種類かのチャレンジがあったのですが、前半の3楽章を支えきるにはどれもこれもあまりにもお粗末だったようで、今日では演奏される機会もほとんどないようです。
それは補筆にあたった人間が「無能」だったのではなく、逆にブルックナーの偉大さ特殊性を浮き彫りにする結果となったようです。
ブルックナー自身は最終楽章が未完に終わったときは「テ・デウム」を代用するように言い残したと言われています。その言葉に従って、前半の3楽章に続いて「テ・デウム」を演奏することはたまにあるようですが、これも聞いてみれば分かるように、性格的に調性的にもうまくつながるとは言えません。
かといって、一部で言われるように「この作品は第3楽章までで十分に完成している」と言う意見にも同意しかねます。
ブルックナー自身は明らかにこの作品を4楽章構成の交響曲として構想し創作をしたわけですから、3楽章までで完成しているというのは明らかに無理があります。
天国的と言われる第3楽章の集結部分を受けてどのようなフィナーレが本当は鳴り響いたのでしょうか?永遠にそれは聞くことのできない音楽だけに、無念は募ります。
悠然たるブルックナー
クナの棒で聞くブルックナーを特徴づけるのはその悠然たるテンポ感でしょう。実際に時計で計ってみるとそんなに遅いわけではないのですが、彼の作り出す音楽は不思議なまでに悠然としてスケールの大きさを感じさせてくれます。
この第9番に関しては、ヴァントなどに代表されるようにキリッと引き締まった演奏が昨今は多いだけに、こういう演奏にはあまりお目にかからなくなりました。
演奏は1950年ですが、録音に関しては最上の部類に属するほど音質は良好です。
クナの人生においても「絶頂期」とも言うべき時の最高のブルックナー演奏がこのようなすばらしい音質で聞けるというのはすばらしいことです。
疑いもなく星三つの超お勧め録音です。
この演奏を評価してください。
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よせられたコメント
2010-09-16:norry
- スコアで検証したわけではありませんがこれって明らかに改訂版ですよね。その点について何らコメントされておらず、手放しで絶賛されているのは非常に残念です。私なら星ゼロです。第1主題の提示部の終結の部分など噴飯物ですね。クナッパーツブッシュはそれなりに偉大な指揮者だとは思っているのですが、9番のような曲でも平気で改訂版を使うセンスはどうしても理解できません。演奏も例えばVPOとの5番のスタジオ録音ほど上手くいっているようにも思いません。同じくアップされているフルトヴェングラーは原典版ですし、(録音は劣悪でも)この方がはるかにブルックナーの本質に近いと思います。
2011-01-06:北林達也
- とんでもない無理解が生んだ改竄版を演奏する無神経さからも、これだけの名演奏を生み出すクナは、怪人ではある。この改竄より、今日の4楽章の復元の方が遙かに高い水準に達しているのは皮肉・・・
2011-01-08:メフィスト
- 改訂版を使っているということだけで、ブルックナーの原典原理主義の方であれば聴く気にならない演奏なのかもしれないけど、この演奏はドラマティックな味わいが素晴しく、僕は文句なしに10点としたい。
・・・って、僕が好きなブルックナーの9番は、この演奏とムラヴィンスキーですから、世間一般のブルックナー信者とは、多分、見解が異なるのでしょうね。
2012-06-03:もちだ
- 5番(Fシャルク編曲)と9番(レーヴェ編曲)は作曲者の関与がないので、改訂ではなく弟子の独断による編曲、というべきだと思います。ノヴァークらも、この2曲にかんしては最終稿とはみなしていません。
原典版は冗長、といいますが、アンドレーエなど古老の演奏をきいても、表現豊かで、とくにのろくさい感じはしません。原典版をつかっても、改変版に由来する旧来の表情付けができないわけではなかった。厳格で単調な演奏はむしろ、最近のはやりなのでしょう。
レーヴェいらいの伝統があるウィーン響やミュンヘン・フィルでも、クナとアドラー(マーラーの助手)のほかに編曲版を使い続けたひとはいないようです。
2013-08-15:nakamoto
- この録音は、私にとって数ある第九の録音の中で最高のモノであり、クナの神がかった実力を思い知らされるきっかけとなった録音です。明らかに三楽章の曲として計算された演奏で、素晴らしい演奏故に、第四楽章が未完な事が悔やまれます。しかしわたしはユング君さんとは違って、第四楽章の補筆完成版を愛聴しています。そこの流れている音楽は明らかに天才ブルックナーの音楽ですから。三楽章までが出来過ぎなのです。ヴァントが、ブルックナー自身が終楽章を書くのをしり込みしたような発言をしていましたが、少しそれはあったかもと思っています。
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